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楽しい文字の世界(第24回) 面白漢字 耳編

by staff on 2020/10/10, 土曜日

第24回 面白漢字 耳編

第23回に続き、今回も「面白漢字」をテーマに進めて行きたいと思います。
前回は「生き物編」でしたが、今回は、体の部位「耳」を重ねた漢字についてお話いたします。

「耳」(みみ)
大変身近な漢字ですね。
この文字でちょっと気にしたいところがあります。最後の2画。つまり5・6画目です。
5画目が6画目の縦画から突き出るか出ないか。気にされたことはあるでしょうか。
「耳」ですと、突き出ますが、「聞」や「聴」などになると出ません。
重箱の隅をつつくようで恐縮ですが、折角なので確認しておきましょう。

さて、ここからが本題です。耳を重ねた文字を6つ見て行きます。

「聶」…耳三つ

(読み)じょう
(意味)耳に口を寄せてささやく。
三人寄れば文殊の知恵ということわざがありますが、「じょう」は三人が、寄り添ってひそひそと話している様子が想像できます。

「囁」…くちへんに耳三つ

(読み)ささや(く)
(意味)口を寄せてそっとささやく。
「聶」(ささやく)に比べて更にひそひそ感が増しますね。

「躡」…あしへんに耳三つ。

(読み)ふ(む)
(意味)やんわりと踏みしめる。転じて一歩一歩ふみしめて行く。
踏みしめて歩く音を耳で静かに聞きながら進む様子を想像します。

「攝」…てへんに耳三つ  「摂」と同じ。

(読み)せつ、と(る)
(意味)いくつかのものを合わせて持つ。散乱しないように手の中に収める。
推古天皇の「摂政」として聖徳太子は有名ですが、「攝」と同じ「摂」は、「とって変わっておさめる」という意味に使われています。

「懾」…心(りっしんべん)に耳三つ

(読み)おそ(れる)
(意味)耳と心(りっしんべん)が一緒になり、恐れたり、ひやひやしたりする。

「鑷」かねへんに耳三つ

(読み)けぬき
(意味)そっと物に添える金具の意味として「けぬき」
思いっきり抜くのではなく、あくまでもそっと抜くイメージです。

「耳」自身を古人は「柔らかい」ものとして捉え、それが合わさったり、他の文字と一緒になっても、その意味が現れていると感じます。
動画で筆順も確認できます。

筆者紹介

 
書家名 粟津 紅花 KOUKA AWAZU
本 名 粟津 絵里 ERI AWAZU
略 歴 愛知県生まれ。 横浜市在住。
3歳から筆を持ち、書を学ぶ。
銀行勤務を経て紅花書道塾を主宰して26年。
現在10か所の教室で門下生を指導。
また古典書道の作品制作に加え、店舗ロゴ、商品ロゴ、ポスター等のデザイン書道を手掛ける。
書道パフォーマンス、障害をお持ちの方への書のボランティア指導、セミナー講師などにも力を入れるなど、国内外で幅広く活動中。
読売書法会会員。
謙慎書道会会員。
横浜書人会審査員。
日本デザイン書道作家協会正会員。
カルチャーセンター講師。
著 作 法華経書写書き込み練習帳―釈尊の究極の教え
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