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「みんながスターだ!」参加型ライブハウスオーナー石野晶さん

by staff on 2010/11/10, 水曜日

「ヨコハマこの人」第7回目は、JR関内駅の正面にあるショッピングビル・セルテ12Fで「Dining Live Yankee’s」を経営されている石野晶さんにお話を伺いました。石野さんは同ビル6Fの「Sports Cafe Yankee’s」も経営されています。

参加型ライブハウスというシステムをとる「Dining Live Yankee’s」では、お客さま自身がバンドの生演奏をバックに自由に歌ったり、演奏に参加することができます。音楽を通じて人の輪を創りたい、「おやじバンド」の文化を全国へ発信したい、石野さんが抱く熱い思いについて語っていただきました。

 
名前 石野晶(いしのあきら)さん
出身地 横浜市神奈川区
年齢 57歳
家族構成 妻1人
現在の住居 横浜市港南区
職業 Dining Live Yankee’s 代表取締役
趣味
自分の性格 はやとちり、おっちょこちょい、怒りっぽい
会社のHP http://yankees2007.jimdo.com/

 

参加型ライブハウス「Dining Live Yankee’s」誕生エピソード

創業のきっかけを教えてください。

大学2年生の夏に交換留学生としてサンディエゴに1ヶ月間行ったことがあったのですが、アメリカの大学の学食が本当に印象的で、いずれは自分もアメリカンレストランを経営したいと思っていました。

大学を卒業後は一般企業に就職しましたが、2年経った頃(昭和54年)セルテの6Fがちょうど空いていまして、そこに「レストラン Yankee’s」を開くことにしました。アメリカの学食を再現したようなお店で、バドワイザーなどの輸入ビールも扱いました。

でも最初は全然はやらなくて…。“アメリカンスタイル”というスタイルが、ある意味早すぎたのかもしれませんね。オープンして1年半が経ち、この先の経営をどうしようかと思っていた矢先のことです。雑誌『JJ』でハンバーガー特集がありまして、それに当店のハンバーガーが取り上げられました。また世の中で徐々にアメリカンブームが起きて、経済も上向いてきたので、バドワイザーなどの輸入物が次第によく売れるようになってきたのです。

さらにベイスターズファン(当時は大洋ファン)のお客さまとの交流も盛んになってきまして、常連さんが増えお店の存在感が出るようになりました。現在はベイスターズの試合の前後になると、たくさんの常連さんが集ってくださいます。

「Dining Live Yankee’s」はどのようにして生まれたのですか。

2007年に12Fのフロアにも空きが出てるというお話をいただきましてね。それまでは他の場所西口「シャル」で同じヤンキース というスポーツカフェを経営していましたが、ちょうど契約が切れる時期だったのでこちらに移ることにしたのです。

食事を提供するだけでは面白くないと思いコンセプトを考えていたところ、音楽に対する学生時代の思いを残しているオジサンたちがとても多いことに気がつきました。

ちょうどそれまで入っていた店舗の「カウベル」は音楽発祥の地と言われていましたので、私も新しいお店のコンセプトを「音楽でオジサンたちの青春を蘇らせよう!」と決めたのです。

一般的なライブハウスはお金を払って演奏を聴くだけですが、ここでは「お客さま参加型ライブ」として、お客さまご自身に舞台に上がっていただけるようにしました。

はじめに1500円のミュージックチャージをいただき、あとは飲食はもちろんのこと、自由に好きな歌を歌ったり、ギターやドラム、ピアノなどで演奏に参加することもできます。楽器や音響、照明も全て本格志向なので、プロもアマチュアも問わずに心地よい演奏ができるのですよ。

このようなスタイルは他のお店にはありませんから、浸透するまでには我慢の時期が続きました。開店から半年くらいはお客さまも少なかったのですが、ピアニストの木村香恵さんがお店を手伝ってくれるようになった頃から徐々に多くのお客さまに通っていただけるようになりました。彼女は今では私の右腕です。

 
画像をクリックして拡大写真をご覧ください。
 




(※ 『横浜カルチャー』でピアニストの木村香恵さんをご紹介しています!

 

「音楽の輪」を広げていきたいのです

お客さまはどのような方たちですか。

40~50代が多いですね。昔バンドをやっていたオジサンたちが、若い頃には買えなかったギターを買える年代になったことで、再び音楽に戻ってきた方々。いわば「かつて見た夢の再現」です。ビートルズやベンチャーズなどのグループサウンズを、お客さま同士が一緒になって演奏していらっしゃいますね。イベントで発表会を開くこともありますよ。

お仕事の魅力はどんなところですか。

お客さまの笑顔です。音楽を演奏しているとみなさんに少年の笑顔が蘇ってくるんですね。だから私も、しばらく弾いていなかったギターを最近また始めました。お客さまの輪の中に入りたくてね(笑)。とっても楽しいですよ。

経営をされていて大変なことはなんですか。

あんまりないですね。毎日楽しくやっていますから(笑)。
大変なときがあっても、常連のお客さまに助けられてきた気がします。
私は言うなればお店のマスコットのようなものですから、例えば和食が好きなお客さまであっても、私がここにいることでピザを食べに来てくださるような方がハマっ子には多いのかもしれません。熱しやすく冷めやすいわりには、みんな人間関係に律儀なのです。

今後の展開について目標などをお聞かせください。

 

「音楽の輪」を広げていきたいです。
お客さま一人ひとりがライブをできるようにしたいですね。今も月に1度はイベントを行っていますが、それによってお客さま同士の輪も広がってくれたらいいと思います。

ここでは、プロもアマも、上手い下手も関係なく、誰もが同じ土俵のうえで演奏に参加して楽しむことができます。他にはないシステムですから、これを新たな文化として発信していきたいのです。

私を含めて誰もが年を重ねていくわけですが、みんなで仲良く楽しく音楽ができる場所を、提供し続けることが私の夢なのです。

「おやじバンド」も盛り上げて発信していきたいですし、若者にももっと参加してもらえたらいいと思います。それから、オジサンたちがみんなで横浜の思い出を語れるようなカレッジバーも作ってみたいですね。

 

横浜がすべて

石野さんの横浜歴を教えてください。

生まれてからずっとですから57年になります。祖母も父も私も、全員同じ小学校なんですよ。その小学校があること自体、すごいことですよね(笑)。

「横浜」という土地でご商売をすることへの、石野さんの思いを教えてください。

私は本能的に東京が恐くて、商売をするなら横浜でという思いをずっと持っていました。東京は「不特定多数」という印象があります。しかし私は顔見知りの人たちと商売をしたかったので、それには横浜しかありませんでした。常連のお客さまとの家族的な関係性のなかでやっていく方が自分には向いていますし、実感があるのです。

大変な時期もベイスターズファンなどの地域のお客さまに助けていただきました。それが全てです。みなさんは個人で営んでいる店に対する接し方を心得ていて、馴染んだお店には律儀に通って下さいます。そしてお店に魂を注入して下さる。

横浜の街並みは変わってきていますが、横浜のお客さまのお店に対する「気構え」のようなものは昔からずっと変わらないのですね。

横浜の魅力をひとことであらわすと。

居すぎちゃって、分からないけど…。
横浜だったからこそ、自分の商売ができているのだと思います。
(そして石野さんはスケッチブックに「夢そして愛」と書いてくださいました。)

 
画像をクリックして拡大写真をご覧ください。
 

 

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