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茶道の精神「和敬清寂」を企業家としても貫いて。
株式会社栄港建設 岡野美紀子さん

by staff on 2011/1/10, 月曜日

「ヨコハマ趣味人」第9回目は、株式会社栄港建設専務取締役の岡野美紀子さんにお話を伺いました。15歳から茶道を始められたという岡野さんの中に自然に根づいた「和敬清寂」の精神は、企業家としてどのように生かされているのでしょうか。

株式会社栄港建設専務取締役 岡野美紀子さん  
名前 岡野美紀子(おかのみきこ)さん
出身地 横浜市(小学校4年生から)
年齢 52歳
家族構成 夫、子供2人、夫方の父と母
現在の住居 町田市成瀬
職業 株式会社栄港建設 専務取締役
趣味 スキューバダイビング
自分の性格 世話好き
会社のHP http://www.eikou.co.jp/

 

岡野さんのお仕事の内容を教えてください

株式会社栄港建設は、建築家とコラボレーションして施主のこだわりの家を施工する「オンリーワン」の家造りに特化した建設会社です。30年前に大手建設会社の役員であった父が会社を辞めて設立し、その当初から私も父に引き込まれて経理、総務、人事、社員教育などに関わってきました。私は短大を卒業後、日本経済新聞社サイエンス編集部に2年ほど勤務してから結婚したのですが、お手伝いをするために簿記学校に通い、定款作成などの設立手続きからこの会社に携わりました。

父は職人気質で家を造るのが大好きな人。設立以来一貫して、建築の施工にこだわってきました。施主の喜ぶ顔を見ることが本当に好きなようです。現在は弟が経営を引き継ぎ、私は専務取締役をしています。

 
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有能な建築家の方々とのコラボレーションは、難しい工事も多いのでその分苦労も伴いますが、個性のある方法には前向きにトライしています。おかげさまで仕事がなくなることはありません。

また最近では女性建築家・デザイナーの活躍もめざましく、これまで「男の社会」とされてきた建設業界に女性ならではの視点と能力を活かす場を設けたいと、女性建築プロジェクト「WHAIS(ワイズ)」(http://www.whais.jp/index.html)を設立しました。
女性はコミュニケーションが優れているので、特にリフォーム相談などで女性ならではの目線に寄り添いながら、じっくりとご要望をうかがうことのできる場所を提供したかったのです。お客さまが男性の職人さんに対しては言いづらいと感じてしまうことでも、女性の現場監督になら相談しやすいというケースも多く、相互が補完し合いながらよい体制が築けています。

今後は若手の技術を育てる事業にも積極的に取り組んでいきたいです。業界の若返りですね。栄港建設は技術を極めた大工さんばかりですが、高齢化しています。優れた大工さんというのは、モダンなものでも和風のものでも、難しい素材同士の組み合わせでも、どんな仕事でもできる方々。その技術を若手に継承していかなければならないと感じています。

 

ご趣味である「茶道」について教えてください

週末は自分自身の時間を充実させるようにしています。その一つが、15歳から始めた茶道(宗?流)です。
茶道の心は「和敬清寂」。日本の文化や考え方の様々なものが融和され、非日常的な空間の中で自分の内面を見つめ鍛えることのできる大切なひとときです。先生も大変素晴らしい方でしたので、女性としての理想像を重ね合わせ、幼い頃からとても楽しく続けてくることができました。
10年かけて師範も取りました。また若手が主宰するお茶会の機会も設けたいと思い、宗?流の45歳以下で構成される「審心会」を結成し若手育成にも力を注ぎました。

 
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現在は、先生がご高齢で体調を崩されたため、「町田茶道会」に入会し月釜茶会に参加していますが、こちらもとても新鮮です。
さらに「町田茶道会」では小学校の授業の一環として子どもたちにお茶を教える活動もしています。4年生~6年生に「和敬清寂」の意味や茶道の歴史を紹介し、実際にお茶をたてたりお菓子をいただいたり。
現代の子どもたちは正座もできないと言われていますが、こちらがきちんと着物を着て背筋を正していると、とても礼儀正しくしてくれるので学校の先生たちが驚かれることもあります。やはり子どもは、相手をよく見ているのですね(笑)。

 

KD WOMEN + 茶道 = 私の茶道スタイル

茶道の心が仕事にも生きていると感じるのは、お客さまから「お茶室を作りたい」というご要望をいただいても、建築家を含めきちんとお話ができることです。
また家の中のちょっとした飾りつけを考えるときも、空間が広く見える工夫が自然にできたり、四季や季節感を大事にしようとする感覚が身についているような気がします。

さらに女性経営者としても、素養として茶道の精神をとらえようとすることが大事なのではないかと考えるようになりました。

 
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私は8年前にお客さまのご紹介で神奈川県中小企業家同友会に入り、5年前には女性部会KD WOMENを立ち上げて副会長に、そして2年前には会長に就任させていただきました。そのなかで全国の女性経営者の方々にお会いし、個性溢れる輝きやパワーに触れて本当に素晴らしいと感じたのです。
私自身も、神奈川で、横浜で、何か自分にできる活動がしたいと思いました。ふと周囲を見渡せば、同友会のなかにも茶道や華道の先生がいらっしゃいます。そこで来年3月、女性の社員教育もかねてKD WOMEN主催のお茶会『さくら会』を、経営者でも茶人でもあった原三渓が築いた名園「三渓園」にて開催することにしました。
日本の美とおもてなしの心を体験していただき、初めての方でもお茶席の基本的な作法を学ぶことができます。お茶をたてるのも全員がKD WOMENの会員ですので、流派などにとらわれず、気軽に楽しいひとときをお過ごしいただけると思います。

茶道には、特別裕福な人でなければ始められないとか、高価なお道具が必要なのではないかというイメージを抱かれる方もいらっしゃることでしょう。しかし、決してそのようなことはありません。有名な先生のところに入門しようとすると大変ですが、みんなで気軽にお茶を楽しみ、少しでもその精神を生き方に反映させていただけたらと思います。

このかたちが、経営者でもある私がずっと茶道をやってきたことの集大成なのかもしれませんね。新たな茶道人生を切り拓いていきたいと思います。

 

横浜とのかかわりについて教えてください

社名を決めるとき、横浜は「港」によって「栄」えた街なので「栄港建設」と決めました。これが横浜との絆の第一歩です。もともと私の生まれは宮崎なのですが、田舎から出てきた私たち家族にとって横浜はとても居心地のよい場所でした。当時から様々な人が集まってきている土地なので、外の人に対して干渉もしないし拒否もしない。優しい街です。

また仕事をする上でも、この場所に来て良かったねってみんなで話しているのですよ。栄港建設は崖地や難しい土地に強いので、東京都大田区、世田谷区、目黒区などのお客様も多いのですが、ここは都内にも出やすい場所ですからね。

家造りをしていると、東京と横浜との違いを感じることもあります。東京は緑もなくシャットアウトしたような造りの家が多いですね。少し苦しさを感じます。

 
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でも横浜は権利意識が緩いので、個性的な家造りをのびやかにやらせていただくことができます。過ごしやすい風土がありますよね。だから栄港建設の社内も、とっても明るくてのびやかなのですよ(笑)。

 

『さくら会』のお知らせ

日時 2011年3月13日(日)10時受付開始
午前10時30分~午後3時まで(お好きな時間帯で参加できます)
会場 三渓園
会費 5,000円
主催 KD WOMEN(神奈川県中小企業家同友会 女性部会)
共催 横浜支部
お申込・お問合せ 神奈川県中小企業家同友会事務局(コボシ)
Tel:045-316-2031 Fax:045-316-2032

 

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ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
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横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
(動画をみる)

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