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『20代で人生の年収は9割決まる』 土井英司 著(大和書房)

by staff on 2011/1/10, 月曜日
『20代で人生の年収は9割決まる』 土井英司 著(大和書房)  

この本は「20代で人生の年収は9割決まる」というタイトルの通り、ビジネスの世界で「ほしい結果」を手に入れるために20代でやるべきことが語り尽くされています。しかし決して20代のビジネスマンだけではなく、30代やそれ以降の読者にとっても、「働く」あるいは「生きていく」うえで大切にしなければならない戦略と心構えを示してくれる一冊です。

著者の土井英司さんは「アマゾンのカリスマバイヤー」と呼ばれ、数多くのベストセラーを輩出してきた出版業界の伝説のマーケターです。「ビジネス書」という専門分野を活かして起業され、現在は出版プロデューサー・ビジネス書評家としても大変ご活躍中ですが、どんなに多忙を極めていても1日に3冊の本を読むことを欠かさずに実践されている読書の達人です。毎日発行されている書評メルマガ「ビジネスブックマラソン」は2300号を超え、読者数も5万人を突破しています。

土井さんの経験によれば、世の中で光っている人は、35歳までになにかしらの「手がかり」を得ているそうです。そしてなにかしらの「手がかり」を得るためには、20代のうちに「仕込み」を終えておかなければなりません。

本書には、就職活動から35歳までを5つのステージに分け、それぞれの時期にしなければならない「仕込み」が具体的かつ実践的に描かれています。それらはみな、自分が思い描く理想的なキャリアを達成するために必要なビジネススキルであるに留まらず、人間が人間として充実した日々を送るために大切にしなければならない、人生の指針です。

私が最も心に残っているのは、「第4章 二六~二八歳 自分のナンバーワンをつくる」にある「終わりがない目標を持つ」です。
時代を越えて人々がミロのヴィーナスに魅了され続ける理由について、土井さんはこう語ります。

”「この輝く石のなかに眠っている神を、かたちにしたい」という思いは、仕事を超えています。神を彫ると思った瞬間、人間は「まあ、これくらい」では納得できなくなります。限界のさらにその上の高みを目指す。いわば、終わりのない目標ができるということです。だからこそ二一世紀を迎えてもなお、ミロのヴィーナスには人々の驚嘆のため息が降り注ぐのかもしれません。”
(150ページ抜粋)

ほしい結果から逆算し、やりたいことではなくやるべき仕事をし、着実に実績を出すことが20代では必須であると言いながらも、同時に、一生かけても満足しない何かを見つけること。それを持っている人といない人とでは、「幸福」という観点で決定的に道が分かれていくと土井さんは言います。

ビジネス書を読んで涙が出たのは、生まれて初めてでした。私自身、無理だと思って諦めかけていたことや、大きなことではないとなおざりにしてきたことが、これまでにたくさんあったような気がします。

しかしヴィジョンが明確になれば、人間にはおのずと勇気が湧いてきます。
自分を磨きぬかなければならない時期に何をすればよいのか、この本はその一つひとつを実践的に語ってくれるのです。

ビジネス書を知り尽くした土井さんならではの見解や、ご自身の経験談が豊富に盛り込まれ、またおすすめのビジネス書リストも掲載されています。
就職活動中や自分のキャリアプランが描ききれずに彷徨う20代はもちろんのこと、仕事や人生そのものをより充実させて生きていきたいと願う30代以降の方々にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

 

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