Skip to content

若者を元気に!
株式会社レイツースリー代表取締役・映画監督 市川徹さん

by staff on 2011/3/10, 木曜日

 若者を元気に! サクセスストーリの中に実業家たちの「いきざま」が見えてくる。その「いきざま」を映画にして次世代に伝えていくことが私の仕事になった・・・「さくら、さくら」で高峰譲吉氏の生涯を、横浜開港150周年記念作品「弁天通りの人々」と「九転十起の男」では浅野総一郎氏の生涯を映画化した監督市川徹さんにお話しを伺います。

名前 市川徹(いちかわとおる)さん
年齢 62才
家族構成 妻と成人した子供が2人(女・男)
現在の住居 横浜鶴見
性格 わりと一直線 思い込んだら命がけ

株式会社レイツースリー(代表取締役)
横浜市中区花咲町11-42-1野毛Hana*Hana
TEL&FAX 045-325-9505

  市川徹さん

「さくら、さくら」サムライ化学者高峰譲吉の生涯
2011年3月5日 横浜ニューテアトルにて待望のロードショー

 富山県で私の作品の上映会があり、挨拶の席上で富山県出身の「高峰譲吉氏」の生涯を映画化したいと述べたら拍手が鳴りやまなくなり驚きました。高峰譲吉氏は富山県の人にとっては英雄であり誇りでもあったのです。社交辞令のはずだった「高峰譲吉の生涯の映画化」が富山新聞社と北國新聞社の応援をいただくことができ現実になりました。

 私は、町医者の家庭に育ち、小学校高学年になると薬袋を折る手伝いをしました。調剤薬局でなく医者が薬を調合して作る時代でした。風邪薬や胃薬は作り置きをしていました。父が「この胃薬に入っているタカジアスターゼは日本の化学者高峰譲吉が発見した世界に誇れる薬だよ」と話してくれたのを覚えています。父の仕事を手伝えたこと、父が話しかけてくれたことがとても嬉しくて「高峰譲吉」という名前はなんとなく記憶に残りました。

 中・高は浅野学園でした。化学の時間に「アドレナリン」を発見したのが「高峰譲吉」だと習いました。「あの高峰さんだ」と思いだしましたが・・・高峰譲吉氏の波乱万丈な人生については知るよしもなく、時は流れて行きました。

 高峰譲吉氏の映画化が決まって彼の人となりを調べていくと、驚くことだらけ、アメリカ女性と結婚したこと、籍をきちんと入れた国際結婚は譲吉が最初でないでしょうか・・・日本とアメリカの架け橋となった夫婦愛のドラマ、化学者としての苦悩、実業家としての選択・・・そして、アメリカの紀行作家エリザ・R・シドモアさんが、ワシントンのポトマック河畔に桜の苗を植樹する資金を高峰譲吉が出したと知りました。こうして「さくら、さくら」が完成いたしました。3月5日からロードショウ、横浜は「横浜ニューテアトル」で観られます。

 私はこの映画を元気の無い若者に観て欲しいと思います。渡米に船で3カ月も掛かった時代に、夢を抱いて日本を飛び出していった若者がいたということ、高橋是清氏のように奴隷に売られてしまうような目にあっても、帰国し日本の近代化に尽力した若者がいたこと、彼らの「いきざま」から元気をもらって欲しいと思うのです。

「さくら、さくら」Photo Gallery(画像をクリックして拡大写真をご覧ください)

     
     
     
     

近現代史、郷土史を映画に!

 残念なことにTVの大河ドラマに実業家が登場してこないでしょう。「伝記」は本離れしている世代には縁遠いものになってしまっています。実際、私も浅野学園出身ですが、創立者の浅野総一郎氏については校舎の裏山に銅像がある人というくらいの認識しかありませんでしたから。(笑)
 浅野総一郎氏を映画化する時に改めて学校に行き銅像を見ましたが、彼の業績を記したものが凄い量なので驚きました。もっと驚いたことは、映画化をするので浅野総一郎氏に所縁のある企業に後援をお願いして回るのですが、自分の会社の創立者が浅野総一郎氏だと知らない世代になっていて、これは映画にして次世代に伝えていかないと(苦笑)・・・私のライフワークになりました。

 横浜開港150周年記念作品 神奈川県・富山県友好都市締結記念に作った「弁天通りの人々」は浅野総一郎の目から見た「弁天通り」を再現したいと思って制作しました。横浜博がいまひとつ盛り上がらなかったので、横浜でもこの映画をご存じ無い方が多いのが残念です。
 浅野総一郎氏の映画は他に3部作の「九転び十起の男」があります。1作目でやめるはずが続きを観たいという要望があって、いつの間にか3部作になってしまいました。(笑)

神奈川の偉人を知る上映会 九転十起の男~グットバイ (京三製作所PESENTS)

上映日 上映場所 上映時間 アクセス 鑑賞料
3/23(水) 鶴見サルビアホール ①14:00~
②18:00~
鶴見駅前 500円
3/26(土) テクノかわさき ①14:00~ 溝野口駅徒歩5分 500円
4/1(金) 横浜にぎわい座小ホール ①14:00~ 桜木町駅徒歩3分 500円
4/3(日) 岩間市民プラザ ①14:00~ 天王町徒歩2分 500円
4/8(金) 川崎国際交流センター ①14:00~ 元住吉駅徒歩10分 500円
4/19(火) 横浜美術館レクチャーホール ①14:00~ みなとみらい駅徒歩3分 500円
4/23(土) 旭公会堂 ①11:00~
②14:00~
鶴ヶ峰駅徒歩7分 500円
4/24(日) アースプラザホール ①11:00~
②14:00~
本郷台駅前 500円

監督にとって映画とは

 昭和47年にTVK(テレビ神奈川)に入社して、バラエティー番組を企画制作しました。「ファンキートマト」や「JAPAN JAM」などの企画・制作を経て昭和62年に独立しました。テレビでの限界を感じたのです。

 平成5年に日本映画に笑いの新風を吹き込もうと「ファンキーモンキー・ティチャー」の新シリーズの監督を務めます。当たることもあれば外れることもあるのがこの業界です。撮りたいと思う映画が当たると限らない訳ですから。興行の失敗を「やくざ映画」で取り戻すなんてこともやりました。「実録」をタイトルにつけてドキュメント風に演出したのは私が最初ではないですか? ロマンポルノ風なOLものや主婦シリーズを手掛けたこともあります・・・子供が出来て、父親の作品がバラエティとやくざとOLものだけだと淋しいでしょう(苦笑)そこで地元神奈川の発展に多大な貢献をした実業家であり、母校浅野学園の創立者である浅野総一郎氏の「いきざま」を映画にしようと思ったのです。

「TAKAMINE」~アメリカに桜を咲かせた男~のお話し

 「さくら、さくら」の上映会をワシントンで行った時、大使夫人に茶話会によばれて「ポトマック桜」の話になりました。植樹をアメリカの大統領夫人に進言した紀行作家エリザ・R・シドモアさんは横浜の外人墓地に眠っています。来年、桜守りに守られてワシントンの桜は植樹100周年を迎えます。そこで低予算、短納期の映画監督の私としては続編で「桜」にスポットを当てた「TAKAMINE」を作らなければならないと思ったのです。

 米国でユニットを組み、オーデションで役者を集めました。オーデションは日本に居ながらSkypeで見ました。米国での撮影はユニットに任せて行いました。ロケ場所も画像をその場でメール送信できるので日本で決定できました。編集作業はアイチャットで共有でき、カットの指示ができます。IT技術と無料のソーシャルメディアを利用し、円高のおかげでハリウッドが近く感じられました。こうして完成した映画「TAKAMINE」は日米同時公開が予定されています。

桜の「里帰りを喜ぶ市民の会」

 親日家のシドモアさんは隅田川畔の桜並木に魅了されていました。桜の下で花見を楽しむ日本人を「おおらかで陽気な人」だと書いています。実は横浜の元町、谷戸橋にはシドモア桜と呼ばれる桜の木があります。シドモア桜がワシントンからの里帰りの桜だと知る人は少なく、桜の木も日陰の場所で桜守りに守られることもなく淋しく咲いています。

 植樹100年を記念して、もう一度シドモア桜を日本に里帰りさせ日米友好の架け橋にしようと3月27日にシドモア桜100周年「里帰りを喜ぶ市民の会」の設立総会が開かれます。植樹後は管理をするボランティア「桜守り」を育成する活動などを行っていきます。

「シドモア桜100周年・里帰りを喜ぶ市民の会準備会」 電話 045-325-8123

監督にとって横浜は

 横浜の鶴見に生まれ育ったので横浜の中心に憧れました。 近くても手に入らぬものに恋焦がれるような気持ちでした。TVKに14年いて地元を見てきました。横浜の懐の大きさが好きです。歴史の傲慢さが無いから3日住めば「浜っこ」だと受け入れてしまうでしょう。今まさに歴史を刻みながら新しくなっていく街が横浜だと思います。

市川徹監督 作品一覧

(2005年以降の作品です。2004年以前の作品はこちらを参照ください)

さくら、さくら -サムライ化学者 高峰譲吉の生涯- (2010) プロデューサー/監督/企画
弁天通りの人々 (2009) 監督/脚本
Hungry Heart ハングリーハート (2009)<OV> 監督/撮影
裏切りの挽歌 (2009)<OV> 製作総指揮
実録・ヤクザの戦場(いくさば) ~侠(おとこ)の終章~ (2009)<OV> 監督
破天荒力  A Miracle of Hakone (2008) 監督/脚本
侠(おとこ)の復讐 (2008)<OV> 監督
修羅の荒野 (2008)<OV> 監督/脚本/撮影
万華鏡 (2008)<OV> エグゼクティブプロデューサー
九転十起の男2 ~激動編~ (2007) 監督/脚本/撮影
九転十起の男3 グッドバイ (2007) 監督/企画/脚本
極道の山本じゃ2 伝説の親分編 (2006)<OV> 監督/撮影
九転十起の男 浅野総一郎の青春 (2006) 監督/脚本
だからワタシを座らせて。 通勤電車で座る技術! (2006) 監督/脚本
赤龍の女 (2006) 監督
G3 逆鱗組 3 ~背なで哭いてる唐獅子ボタン (2006)<OV> 監督/脚本
カタナーマン (2006)<OV> 監督/脚本
ワニガメ任侠伝 (2006)<OV> 監督
続ワニガメ任侠伝 (2006)<OV> 監督
男前 日本一の画家(えかき)になったる! (2005) 監督/撮影
逆鱗組七人衆 (2005) 監督/企画/脚本/編集
極道の山本じゃ 捨て身の極道編 (2005)<OV> 監督/撮影

(取材・文:高野慈子 撮影:檀原照和

<参考>

メディア掲載情報

 

Comments are closed.

ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
(動画をみる)

横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
(動画をみる)

Page Top