「レッドライト」 予告編(連載第0回)
新港側岸壁(C・Dバース)の真下から見た大桟橋
大桟橋は横浜港の顔だ。観光名所として、憩いの場として、訪れる人波は絶えない。
しかし私たちが目にするのは、大桟橋のほんの一面に過ぎない……。その証拠が上の写真。ここからこの桟橋を見た人間が、何人いるだろう?
貝殻がびっしり密生した橋脚は、直径800~1300mmの鋼管杭だ。海上から海底50メートルの深さまで打ち込まれている。大桟橋は、この杭に客船ターミナルが乗っているという構造なのだ。その本数は、見えない部分まで含めると3,000本から4,000本にもなるとのこと。担当者に尋ねたところ、図面を拡げて数えないと正確な本数は判断しかねるが、工期がいくつかに分かれていたせいもあり、簡単には分からない、という。
大桟橋の例ではないが、よく知られた名所でさえ、分からないことだらけだ。私たちが知っているのは、世界のほんの一部だけ。それ以外の部分は忘れさられ、存在しなかったことになっている。
この連載では、隠れた歴史、語られない場所に光をあてていく。
次回は港北ニュータウンの横浜市歴史博物館をテーマに、読み手の斜め上を行く話を紹介する予定。
ご期待あれ。
the eyes
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檀原照和 プロフィール
1970年、東京生まれ。埼玉県立松山高校卒業後、法政大学で元横浜市役所企画調整局長の田村明ゼミに入り、まちづくりの概念を学ぶ。その後大野一雄、笠井叡、山田せつ子などにダンスを学び舞台活動に参加。2006年、「ヴードゥー大全」の出版を機に執筆活動を始める。他の著作に「消えた横浜娼婦たち」(2009 年)。
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