旅人を温かく静かにつつみこむ。ゲストハウス「カナリアン」
出会いを求めて世界中を歩き回った青年が辿り着いた場所は、旅人を癒す宿でした。神奈川宿でゲストハウス「カナリアン」を営む李さんにお話しを伺いました。もちろん取材場所は「カナリアン」です。大きな扉の向こうに待っていたのは李さんのやさしい笑顔でした。
カナリアンの原点
オーナーの李 哲也さん |
ルーツを求めて韓国へ、それからネパール、インド、タイ、モンゴル、とアジアを回り、ワーキングホリディを使ってオートラリア。その後 イギリスへと渡りました。そしてヨーロッパから地中海を巡りました。最後の旅は南米大陸を1年間でまわっていたのですが、その時には旅人が集まるゲストハウスを始めようと決めました。 ヨーロッパ旅行からガイドブックを持たない旅になりました。地図と人からの情報を頼りに歩きます。観光案内所が開いている時にはすごくうれしいです。出会いが合って一緒に旅行したり、知り合った人の家に泊めてもらったりとか・・・ ガイドブックに載っている場所は、ガイドブックを持っている旅行者が集まっている場所で、世界を狭くしていると思います。観光としての整われた地域(横浜で言えばみなとみらいエリア )がある一方、地元住民(ローカル)とのギャップも生じやすく、世界を限定した観光エリアに分けてしまいます。ガイドブックには国や地域などの情報量の多さからなるべく簡素化に |
言葉にしてしまうケースが多いので、その風土や習慣、文化や歴史などと触れ合うには旅先でのローカルとのコミュニケーションはとても大切です。知り合った人に道を訊きながら場所を探し、体を休める宿を求める旅こそ旅の原点だと思います。宿探しは旅行者にとって大変な苦労を伴います。見つからないと、野宿しなければならないでしょう。
私は海外で宿を探す苦労を経験しました。そして、何度も人の優しさに助けられました。今度は自分が旅人へ優しさを返す番だと思っています。出会いに身を任す「一期一会」、宝物探しのようにたどり着くのががここ「カナリアン」にあります。
手作りの家
ある時、ピレーネ山脈のふもとに住むおばあさんに声を掛けられました。「帰りに寄って行きなさい」と・・・おばあさんの家の近くの大きな山小屋(子供達の家族が住んでいた)に一人で泊めてもらいました。夜の暗闇の中、1人でいるのが怖くなるくらいの大きな家でした。 朝、おばあさんのピアノの音で目覚めると、焼きたてのパンとチーズがテーブルの上に置いてありました。心まで温かくなりました。
その村では、ドイツ人の家族が3年もかけ、仮住まいをしながら家を建てていました。その家族はおやつの時間になるとキャラメルやお菓子を自分達で作りました。「自分達で作る」ことの大切さを教えてもらいました。実用的な家が完成して誇らしげにしている家族を見て、自分もこんな家を作りたいと思うようになりました。
ゲストハウス カナリアン
4年と9カ月の歳月を費やして、このゲストハウスを作りました。ここは、終電に間に合わなかった人が眠る場所でもないし、酔っ払いが大声で騒ぐ場所でもないのです。部屋に入って出てこない人も困ります。「出会い」を求めてここに集うわけですから、旅人と時間を共有できる人なら大歓迎です(笑) 旅で人と接することは相手の国を知ることですが、また、自分の国を知ることでもあります。接することは人と人との対話から始まります。旅人がカナリアンでコミュニケーションをする場所・・・ここは「物質」を提供する場所でなく「精神」が憩う場所にしたいと思っております。 利用客は日本人よりも外国人が多いです。韓国のブログに紹介されて韓国からの旅行者が増えてきました。(取材した日も韓国の若者が旅のアドバイスを李さんから受けていました。旅行者にとって1泊2,000円は助かると思います) |
李さんにとっての横浜
|
ゲストハウス「カナリアン」 Data Map
Click Goole Map |
ゲストハウス「カナリアン」 |
ヨコハマNOW 動画
新横浜公園ランニングパークの紹介動画 | ||
ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。 |
横浜中華街 市場通りの夕景 | ||
横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。 |
Comments are closed.