日本を代表するブランドが求めた本物の“色”を捺染で表現。
有限会社関東化染工業所 代表取締役 佐藤政廣さん
横濱001(YOKOHAMA GOODS)にも選ばれた「橫濱はっぴ」。その美しいマリンブルーと鮮やかな赤の色にこだわりを見つけました。「美しい赤ですね」という問いに「美しい日本の日の丸の赤です」と答えてくれた有限会社関東化染工業所の代表取締役佐藤政廣さんのお話しを芹が谷の捺染工場で伺いました。
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坂の上の染め物工場・・・染め物を取り巻く環境が大きく変わりました。
以前は染め物工場というと川のそばにありました。うちの工場も昭和34年に父が創業した時は、南区弘明寺の大岡川の近くにありました。その後、保土ヶ谷区和田町(帷子川)、再び弘明寺(大岡川)と移り、今は別所インターに程近い高台にあります。昔は染め上がった布を川で洗って余分な染料を落としたものですが、環境問題になり工場で洗うようになりました。あえて川の近くに工場を作らなくても良くなった訳です。 佐藤さんにとっての会社とは?家族や身内でやっている「家業」という認識が強かったです。幼い頃から父の仕事を年中見ていました。小遣い欲しさに中学生の頃から手伝っていたので、長男の私が家業を継ぐことは自然のなりゆきでした。「会社」は「手伝う」ことの延長線のようなものです。仕事を共にしている三男の専務/工場長の信彦も同じ思いなのではないでしょうか。 |
横浜を代表する産業・・・生糸の輸出から美しい図柄のシルクスカーフへと
20年前まで組合に入っている同業者は150社ありました。現在は20余社になりました。
八王子で生産された生糸が横浜の港から欧米に輸出されました。糸で輸出していたものを布に織り上げ付加価値を付け、その布に色を付けさらに付加価値をつけた訳です。こうして横浜に染め物工場が増えて行きました。色だけでなく模様を入れるようになり「捺染技術」が進歩していきます。
「捺染」とは(?)ハンコを押すことを「捺印」というでしょう、型を押しながら色を布に入れていく染め方を「捺染」と言います。(工場内にも外にもたくさんの捺染の型板が保管されていました)
シルク、木綿、化繊と布の種類が豊富になり、発色の調整に経験と技術が必要とされています。同業者が少なくなっていく今、ここに生き残りをかけて頑張っています。
自社ブランドに未来をかける・・・デザインから縫製まで1点から制作できます。
大手広告代理店をとおして航空会社・自動車会社・食品会社などのコーポレートカラーのGOODSを随分作りました。海外に進出した企業が、見本市やイベント会場でハッピを着たり配ったりと、広告宣伝品市場の需要は活気がありました。広告宣伝品の市場は、企画提案をする広告代理店からの依頼で制作をしていましたが、いつか自社でデザインをしたオリジナル製品を制作しようと思っておりました。15年前から地元横浜に関わりが出来る製品を手掛けたのですが、売り方をしらない(苦笑)そんな中、横浜市の観光コンベンションが横浜のシンボルチックなものを探していると知り、横浜をイメージしたハッピを作りました。それが「橫濱001 グッズ」として好評を得ることになりました。 |
ホームページから生まれた地域性・・・地元と小学校やボーイスカウトから注文が
横浜に捺染工場があり、1点から染めていることを知る人は少ないと思います。そこで電子媒体で見せることにしました。ホームページを勧められて作りました。すると地元のボーイスカウトからスカーフの依頼が入りました。首に直接巻くスカーフの素材の強さと伝統の色へのこだわりをクリヤーでき成約に繋がりました。 |
佐藤さんにとっての横浜とは
緑豊かな根岸の森林公園、青い海・汐の香りがする波止場・・・船に乗るのが好きで、船から見た山下埠頭から山下公園にかけての景色が好きです。私にとっての横浜は「エキゾチックな街並みの横浜」でしょうか。 |
(取材・原稿:高野慈子)
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新横浜公園ランニングパークの紹介動画 | ||
ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。 |
横浜中華街 市場通りの夕景 | ||
横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。 |
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