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大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立

by staff on 2011/6/10, 金曜日

♪大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立♪

 この歌は和泉式部の一人娘、小式部内侍の歌です。この歌のエピソードは有名です。彼女がまだ二十歳前半の頃だとおもいます。かいつまんでお話しすると、宮中で久しぶりに歌会が開かれることになり、小式部内侍も歌人の一人に選ばれていました。彼女のお母さん和泉式部は、その時には再婚した夫と共に夫の任地、天橋立で有名な丹後へ行っていました。ある日小式部内侍の局(宮中で働いている部屋)に藤原定頼という貴族がやってきて彼女をからかいました。

 「うた合わせの歌はもう出来ましたか?丹後へはもう問い合わせましたか?お母様からのお返事はまだきませんか?」と、まあ・・・きっと内心好きだったんだろうなこの男性。

 そして立ち去ろうとした時に、「ちょっとお待ちください」といって小式部内侍が、おもむろに読んだのがこの歌ということです。

 母のいる丹後の国は遠い・・大江山を越え、生野の道を 行かねばなりません。美しいと聞く天橋立にも一度は行ってみたいものです。もちろん母からの便りはありません。

 

 まだふみもみず・・・に二つの意味 文と踏みをかけて、こ憎いエスプリが効いていて私がもしその場にいたら、拍手大喝さいしてしまいそう。 「いやあこれは参りました・・」と藤原定頼は返歌を返す事もできずに、こそこそと逃げかえって行ったとのこと。

 小式部内侍はその後26歳の時に滋井頭中将の子供を産んで無くなってしまいました。母の和泉式部の悲しみはとても深かったと思います。和泉式部集の中には娘を失った悲しみの歌がいくつか残されていますが、そのうちの一首、小式部内侍みかまりて 孫たちのはべるのを見て、という詞書きで読まれた歌がシンプルに心につきささります。

 
絵・千絵崇石

♪とどめおきて 誰をあわれと おもふらむ 子はまさりけり 子はまさるらむ♪

 私や孫を残して死んでしまったあの子は(娘)は何が一番こころ残りだったのか・・きっと残した子供たちの事が一番気がかりだったろう。私だって親を亡くした時より、娘のあの子を亡くした時のほうが悲しみが深いのだから。

 京都の京極に誠心院という和泉式部の菩提寺があり娘の小式部内侍のお墓も隣にありました。昨年の秋、訪れて墓前で二人の歌を歌ってきました。とても喜んでくれたような気がします。

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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