地域密着こそが本牧珈琲の味わい。オーナーの佐々木邦彦さん
横浜本牧地区は横浜の高級住宅地として名高いところです。本牧の桜並木通り沿いに「本牧珈琲」があります。
珈琲といっても喫茶店ではありません。お客様のお好みに合わせて珈琲豆を焙煎して販売しているお店です。
「ヨコハマこの人」の第二回目は、横浜本牧に開業してから8周年を迎えた「本牧珈琲」のオーナーの佐々木様にお話を伺いました。「本牧珈琲」は、オーナーと奥様の二人三脚でお店を切り盛りされています。奥様にもご登場いただきました。
名前:佐々木邦彦(ささきくにひこ)さん |
〒231-0825 神奈川県横浜市中区本牧間門25-11 プロミネンス本牧102 TEL/FAX:045-621-6902 MAP
営業時間:10時~20時 (ローストの受付は19時まで)
定休日:水曜日
横浜と珈琲屋は、私の理想のツートップ
本牧珈琲をやろうと思ったきっかけは何ですか?
不況の中、会社組織に頼らず自らの可能性を試したかったからですね。
学生時代から喫茶店に勤め、そのままそこに就職しました。その後、珈琲卸しの会社に転職して、そこで珈琲についての基本的な知識を習得しました。それから、輸入食品の商社に転職して営業として数年間、小売店・スーパー・珈琲屋さんを訪ねて歩いていました。そのときに業界での人脈ができました。営業として頑張っていたときに、バブルが崩壊し、それが、「このままでいいのか」 を考えるきっかけになりました。
昔から喫茶店のマスタに憧れていましたが、飲食は難しいだろうと思っていました。珈琲を入れる経験や珈琲についての知識を活かせるということで、珈琲豆の販売だったら需要が見込めるし、安定性・将来性があるのではないかと考えたのです。そのときに多少の資金もあったので思い切って独立することにしました。
独立するとき奥様には相談しましたか?
相談しましたよ。でも反対はされませんでしたね。
奥様曰く、「昔から独立したいと言っていたので主人の夢を実現させてあげたいと思いました。」
お店では珈琲だけを売ることにしています。利益率の観点からも商品を絞ったほうがいいと思ったからです。お客様に珈琲豆を煎じている時間を待っていただいるときに、珈琲を一杯お出しし、待ち時間に見ていただけるように、珈琲に合う輸入菓子や珈琲の道具などをお店に置いています。
この場所に開業した理由は何ですか?
物件選びは半年くらいかけて慎重に行いました。この場所に決めたのはいくつか理由があります。 まず道が広く車で来やすいこと、歩道が広いこと、建物が綺麗で丈夫そうなこと、そして集客力のある店舗がそばにあることなどです。それに、横浜本牧のイメージがハイカラな感じで珈琲と輸入食品に合うことも決め手となりました。 開業したのは2002年6月4日です。 お店の改装工事中に、珈琲豆を持って行って下さいと店の前に出しておいたせいか、初日は忙しくてびっくりしました。ところがその後お客様がばったり途絶えましたね。何せ前を通る人しか知らない店ですからね。 2002年のワールドカップのときにブラジルが優勝したので、お店の前にブラジル国旗を飾り、ブラジル珈琲を半額にしても、お客様が来なかったときはどうしようと思いました。 |
珈琲の味はお客様ごとに変わります、だから私がお見立てします
お仕事の内容と営業時間を教えてください
私の仕事は珈琲を焙煎すること、お客様に珈琲を説明することそして商談や仕入ですね。
営業時間は午前9時30分から午後8時までです。珈琲の焙煎受付は午後7時までです。
焙煎の機械はスイッチを切ってからメインのスイッチを切るまで1時間かかるのでそのような時間になるのです。
毎週水曜日が定休日です。
本牧珈琲の売りを教えてください
お客様に、ご注文いただいてから焙煎をすることにこだわっています。珈琲には正解がないと思っています。ですので、お客様のお好みに合わせた焙煎をするように心がけています。何度かお買い物をしていただいているうちにお客様の好みがわかってくるので、焙煎度合いなどを提案しています。お客様とのコミュニケーションをとりながら、お好みを探っていきます。 お客様にお渡しするスタンプカードに、購入した情報を手書きで書き込んでいます。お客様がいらしたときに、「この前のお味はいかがでしたか」 とお尋ねすることにしています。お客様の感想をお聞きして、焙煎方法を工夫するのが私のやり方です。 珈琲豆については、長く焼く、軽く焼くといった選択肢がこれまでなかったので、お客様もご自分の好みがわからなかった方が多いですね。もっと美味しいものをと要求されるお客様に最適なアドバイスをしていきたい、そう思っています。 うちでは、「これが美味しいですよ」という勧め方はしません。 それから、珈琲豆の種類の豊富さや珍しい珈琲豆があることなども、売りにかもしれません。お店には世界各国の珈琲豆があります。ですから100gで6倍も価格差があるのですよ。インドネシアのコピ・ルアクという幻の豆もあります。 |
「ジャコウネコの排泄物から集めた世界一高価なコーヒー」として、1995年度にイグノーベル栄養学賞を授与された。
珈琲は焙煎した段階で劣化していきます。だけど生豆の状態では劣化しないで、何年でも置いておけます。何年も寝かすエイジングコーヒーというのもあるくらいですからね。だからうちは、生豆にこだわっています。
珈琲豆によって焙煎時間が異なるので、お客様のお好みや天候を見ながら時間を調整しています。
私はお店にある珈琲はすべて飲んでいますよ。一日に5~6杯は飲むでしょうか。焙煎したての珈琲は本当に美味しいです。
開業した頃と比べると、珈琲の相場が高くなっています。温暖化や天候不順で珈琲が取れなくなっています。珈琲にも環境問題がありますね。
お客様はどのような方が多いですか?
ご近所の主婦の方、年齢は40代前後の方が多いですね。男女比は3対7ぐらいだと思います。女性客が多いですね。主婦の方は、午前中の買い物の途中に来店くださいます。男性は土日に見えるので、お店は土日が混雑していますね。ペットを連れてくる方も多いので、お店の外にベンチを置いて焙煎をお待ちいただく間に珈琲を飲んでいただいています。
この仕事の魅力は何ですか?
それは「美味しかった」の一言につきます。
「どこのコーヒーよりも美味しいわ」とお客様におっしゃっていただけるのが最高の喜びですね。お店には喫茶店のマスターも買いに来ます。私はお休みの日でも珈琲を飲みに行くんですよ。昔ながらの喫茶店が好きですね。お気に入りの喫茶店では同業者として情報交換を行っています。
ご覧のように珈琲豆の種類が多いので在庫管理に気を使います。珈琲豆は一袋60kgもあるので、持ち運びもだんだんきつくなってきましたね。
妻と私と横浜と、三拍子揃った生活が本牧珈琲を育んでいます
開業以来、ご夫婦でお店をやっていらっしゃいましたが、夫婦で働くメリットやデメリットはありますか?
良くも悪くも24時間一緒に居るので、メリット・デメリットは表裏一体ですね。開業するまで客商売をやったことがないので、妻は大変だったと思います。自分の夢についてきてくれる妻には本当に感謝しています。
そばにいらした奥様は、オーナーの言葉に優しい微笑みを浮かべていらしゃいました。
これからどんな珈琲屋でいたいですか?地域密着型のお店になりたいですね。「本牧珈琲」の名に恥じないよう山手本牧地域のお客様に末長くご愛顧いただけるお店を目指します。 お客様とのコミュニケーションを大事にしたいので、自分がいるお店にこだわりたいのです。ですから、大きな展開は考えていません。細く長く続けられればと思っています。 |
横浜との関わりについてお聞かせ下さい
横浜歴はですね。
妻が横浜出身で結婚してからずっと横浜で暮らしています。22年になります。
横浜の思い入れはありましたね。若い時から横浜には憧れていました。メディアで紹介される横浜は、ハイカラで落ち着いいていて洗練されているイメージがあります。東京は雑多なイメージですから、やっぱり違いますね。
横浜のイメージを書いてください 「海と緑とコンクリート」です。 |
ヨコハマNOW 特別ギフトセットをお届けします
取材にお伺いしたのは、土曜日の昼下がりでした。お店にはひっきりなしにお客様がお見えでした。常連のお客様は、「いつものお願いね」とおっしゃっておりました。焙煎を待つ間、お客様たちは、ゆったりと珈琲を味わっていらっしゃいました。ここには素敵な時間が流れているなと思いました。
お店にはご夫婦お二人の結婚式のお写真と今のお写真がマグカップに印刷されたものが飾られていました。お二人で刻んできた時間が感じられました。 |
「ヨコハマNOW」に「本牧珈琲」様から特別にギフトセットを出していただくことなりました。オーナーの佐々木様が焙煎された珈琲のドリップパックのオリジナルギフトセットです。
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