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素晴らしいドイツのワイン
KLOSTER EBERBACH、クロスター・エバーバッハ物語

by staff on 2011/8/10, 水曜日


写真)シュタインベルガーのワイン畑

素晴らしいドイツのワイン

 悠久に流れるライン河は、スイスと国境を接するボーデン湖を源流として、ドイツの大地を貫き北海に注いでいます。ドイツのワインは、このライン河とそれに注ぐ支流の流域で、古くローマの時代よりブドウは栽培され、貴族や僧院と勤勉な農民により大切に育てられてきました。

 ドイツワインの生産地域は、北緯50度に位置し世界のブドウ生産地域としては最北限にあります。柔らかい太陽の光を受けて育つブドウは、他のヨーロッパの生産地域に比べ成育期間が永くゆっくりと実っていきます。その為、地中より吸い上げる養分も長期間に及び、ブドウの果実には繊細な酸味と上品な糖分が貯えられていきます。それに比例してミネラル分も多くなるので、ドイツワインは世界でも最もアルカリ性の高いワインといえます。また大量に含まれる天然の有機酸は、人体を形成する細胞を活性化させます。その事は若さと健康を維持するのに最も大切なことです。そして良く冷やしたドイツワインは、食欲を一層増進させる素晴らしい健康飲料です。

 

銘醸の故郷 Rheingau(ラインガウ)地域

 ドイツ銘醸ワインの故郷ラインガウ地域は、世界でも最高級の白ワインの産地として知られています。

 ドイツワインの産地の中でも有名ワインの集まっているワイン産地がヘッセン州にあるラインガウ地域。世界史で馴染みの深いカール大帝にまつわる話やメッテルニッヒ侯爵ゆかりのワイングート(Weingut:醸造所)もこの地にあります。ブドウ栽培の歴史は古く、8世紀にカール大帝がライン河に面するインゲルハイムの居城から、雪解けが早い対岸の丘陵に、ブドウの栽培を命じた事からワイン造りが始められたと言われています。
私がドイツワインに惹かれた理由もこの地のドイツワインが歴史の1ページのような趣があるからです。
今回はそのラインガウ地域でも最も有名なワイングートの一つ、クロスター・エバーバッハ修道院醸造所についての話です。

 

KLOSTER EBERBACH、クロスター・エバーバッハ物語
(800年の歴史を秘めたエバーバッハ修道院)

 1136年ヴージョ村(ブルゴーニュの有名な畑クロ・ド・ヴージョを有する村)の大司教クララヴォーは、ライン河畔に修道院の建設用地を求めて旅をしていました。今のハッテンハイム村に差し掛かった時、何処からともなく一頭の猪が現れて、小川の上流に導き「此の地こそ聖堂を建立すべき所なり」と教えるように小川を飛び越えて森の中に消えて行きました。クララヴォーはこの地こそ修道院の理想的な建設地であると喜び、エバーバッハ(猪の小川)と名付けました。

 修道院の紋章には教会を背負い小川を渡る猪がえがかれています。口に銜えた一房の葡萄はキリストと富と文化を表しています。現在この

 

今は観光名所としてもにぎわうクロスター・エバーバッハ修道院

ゴシックとロマネスクの混ざった歴史的にも貴重な修道院は、ヘッセン州立醸造管理所としてドイツワインの中心的な存在として、指導的な役割をはたしています。

 

「壁ワイン」(Steinberger Mauer wien, シュタインベルガー マウアーワイン)

 ドイツワイン生産地で最高級の銘醸ワインの故郷として知られるラインガウ地域。ライン川を見下ろすタウナス丘陵の南側は風光明媚で温暖な地として昔から多くの貴族が城館を構えて葡萄栽培を行ってきました。

 エバーバッハ修道院が所有するSteinberger(シュタインベルガー)はドイツワインを代表する最高級のワインとして世界に知られています。このシュタインベルガーの葡萄園はハッテンハイム村の丘にあり、古くからシトー派の修道僧により大切に育てられてきました。この33hlの葡萄園には一面に高級品種Riesling(リースリング)が栽培され、クロ(clo)と呼ばれる石塀に囲まれています。

 

壁ワイン

 そのstinbergerの畑の中でも上質なブドウから作られるワインが「マウアーワイン:壁ワイン」です。これは畑を取り囲む石塀の南側に、壁に沿って植えられたブドウから作られるワインのことです。南向斜面の石塀に沿ったブドウはライン川の反射光と石垣の反射熱により平地のブドウより高度の熟成をすることが出来ます。

 この石塀に沿った僅かな葡萄を採取し特別に醸造したワインはMauer-Wein(マウアーワイン)と呼ばれ、貴重な高級ワインとして一般には販売されず、銘醸ワインの競売会に出品され、競売で落札されたワインには修道院のスタンプが捺印されています。

 

皮の香りと鉄の味

 クロスター・エバーバッハ修道院のワインにまつわる面白い話がもう一つあります。

 当時、修道院は多くの貧しい人々の施療院としても活動をしており、ワイン造りは当時の修道院にとって財政面を支える大切な事業のひとつでした。

 その頃の話で、ワインを管理していた二人の僧が、新しく出来た新酒

 

の樽よりワインの出来具合の試飲を行っていました。一人の僧が新酒を口に含み「このワインは大変良くできているが後口に鉄の味がする」と言うと、それではと別の僧が一口含むと「鉄の味より皮の匂いがする」では今一口飲みなおして「鉄の味が残る」「いやいや皮の匂いだ」とまた飲みなおしているうちに、樽のワインが無くなると革紐に結ばれた鉄の鍵が現れました。なんとこの二人の僧は樽の底にあった革紐と鉄の鍵の味と香りを利く素晴らしい感覚を持ちながら、飲みも飲んだりワインの樽を空にしてしまった事で語り継がれています。

(文・写真:ワインブティック伏見)

 

ワインブティック伏見

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