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「生活習慣病予防の啓発と、医療費削減」をめざして。
ソーシャルベンチャー ケアプロ株式会社 代表取締役社長 川添高志さん

by staff on 2011/9/10, 土曜日

「生活習慣病予防の啓発と、医療費削減」。この2つのことを実現するために、ソーシャルベンチャーを立ち上げた若き起業家がいます。500円のワンコインで気軽に健診が受けられる場所をスタンド形式や出張形式で提供し、「ちょっと立ち寄り、ちゃんと健康」を促進しているケアプロ株式会社。2011年8月、東急東横線横浜駅改札すぐというエキナカの好立地に念願の新ショップをオープンした、ケアプロ株式会社代表の川添高志さんに、ご自身の地元である横浜での新店舗オープンにかける想いを伺いました。

川添高志さん  
お名前 川添 高志(かわぞえ たかし)
ご出身 兵庫で生まれ、3歳から横浜で育つ。現在も実家は、上大岡。
ご年齢 28歳
現住所 都内
ご家族 父、母、姉の4人家族
ご趣味 昔からスポーツは好きでしたが、最近ゴルフを始めました。ラウンドに向けて、現在は打ちっぱなしで準備中。
ご性格 クールで、前向き。

 
ケアプロ(株):http://carepro.co.jp/
川添さんブログ:http://ameblo.jp/carepro/
東急横浜店facebook:
 http://ja-jp.facebook.com/careprotokyuyokohama
今だけ限定!ドライアイ無料検査実施中:
 http://www.carepro-check.jp/dryeye/

★受賞歴
東京大学医療政策人材養成講座で優秀成果物「特賞」、
慶應義塾大学SEA(ビジネスプランコンテスト)で”The best new markets award”受賞、
NEC社会起業塾7期生に選抜、現在は慶應義塾大学KIEPの支援を受ける。

ケアプロ株式会社を立ち上げるまでの経緯

 医療・看護分野での起業を志すようになったのは高校3年生の時。祖父が入院した際に、介護施設や病院が人手不足のために一人一人の患者や高齢者に十分なケアができていないことを目の当たりにし、それをきっかけに、介護・医療の道を志すようになりました。その中でも、特に医療経営や予防医療について学びたいと思っていたところ、当時慶應義塾大学に看護医療学部が新設されたということもあり、迷わず入学しました。

 その後の看護学生時代、糖尿病合併症の足壊疽で足を切断した患者さんを見て衝撃を受けました。「なぜ、こうなってしまう前にもっと早く気づいて、生活習慣の改善に取り組むことができなかったのか」、と。しかもこうした糖尿病の治療にかかる医療費は、年間約600万円にも上り、そのほとんどが税金で賄われていることを知り、なんとかできないものかと思うようになりました。

 その後、臨床実習で東大病院の糖尿病代謝内科病棟で看護師として患者さんと接していく中で、「忙しくて健診に行かなかった。気がついたら糖尿病が進行していた・・・」という患者さんに何人も出会いました。この経験を通じて、自分の状態を正しく知ってもらい生活習慣の改善を促す教育や、予防医療の分野への関心がさらに強いものとなりました。

 そんなある時、海外研修で訪米した際にたまたま入った大型スーパーマーケット内に「ミニッツ・クリニック」(Minutes Clinic)という簡易的な健康診断と治療を行っている場所があるのを見つけました。医師が常駐するのではなく「ナース・プラクティショナー」(nurse practitioner)と呼ばれる医療行為もできる看護師の資格を持つ人が、最低限の診断と治療を、短時間で、通常の病院よりも安価に行うサービスです。

 医療費が非常に高く、病院に行くことを避ける人や無保険者も多いというアメリカにおいて、「病院に行くほどではないが、ちょっと診てもらいたい」というニーズを捉えた事業。これは面白い、日本でもそういうニーズがあるのではないかと思いました。この時から、現在のケアプロの構想を温め始めるようになりました。

「ワンコイン健診」とはどんなサービス?

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 2008年11月、ケアプロ株式会社にとって初の店舗となる中野店を立ち上げました。この店舗では、指先の血液を採取して血糖値や総コレステロール、中性脂肪といった重篤な病気につながる危険性のある数値を、手軽に健康診査することができます。しかも健康保険証不要で、価格も500円(ワンコイン)から、という安価でサービスを提供しています。

 病院での受診は3時間待ち3分診療と言われ、都会の忙しい現代人にとっては、病院にアクセスする敷居は高いと思います。また、自営業者や主婦、フリーターの

方など過去1年以上健康診断を受けていない「健診弱者」は、全国に約3500万人いるといわれています。

 高い、時間がかかりそう、というイメージから健康診断を敬遠している人たちの生活圏内に店舗をオープンすることで、定期的な健康チェックに役立ててもらおうと思ったのです。

 最初の店舗を中野ブロードウェイという商店街にオープンしたのも、ひとりでも多くの人の健康をサポートしたいとの思いからでした。東京都中野区は日本一人口密度が高い区であり、しかも20代30代の男性フリーターが多い場所です。また商店街に活気があり主婦や自営業者が多く、ケアプロのターゲットが密集していると判断しました。ねらい通り、現在では会社帰りのサラリーマンや、商店街の店主、フリーターの青年など、様々な世代の方が来店してくれています。

8月12日に東急横浜店(エキナカ)をオープン!

 実は、中野店に来て下さるお客さんの中にも、もともと横浜から来て下さる方が結構いらっしゃっていたんです。「横浜にも、こういう場所ができるといい」というお声をたくさん頂いていました。僕も地元が横浜なので、「いつかは横浜で」という想いがありましたね。そんな時、東急さんとのご縁に恵まれたことを契機に横浜市経済局のソーシャルビジネススタートアップ助成金に応募をして、採択をいただくことができました。
 http://www.city.yokohama.jp/ne/news/press/201101/20110126-024-11711.html

 東急東横線の横浜駅改札すぐのラフィネさんというボディケアサロンの一角で営業させてもらっているのですが、やはりエキナカという立地のインパクトはすごいです。横浜駅は乗降客数も大変多いですし、フラットアプローチでベビーカーや車いすでも来店いただくことができます。先月8月12日にオープンしたのですが、特に、友人同士で来られる主婦の方や、若いカップルがマッサージのついでに利用してくれるのはうれしいですね。

 現在は血液採取のメニューではなく、骨密度・ドライアイ・肺年齢の3つの健診サービスを提供しています。骨密度は主婦層に人気、ドライアイや肺年齢は、ビジネスマンに人気のメニューになっています。

 このうちドライアイについては、慶應義塾大学の協力を得て9月1日から無料でチェックしていただけることになりました。横浜市内の眼科医のドライアイ研究会というグループと連携をして、病院に行った方がよい数値が出た方に医療機関のリストをお渡ししています。またドライアイ以外のメニューの場合でも健診の結果、見過ごせないデータが出た人には、病院に時間を見つけていってみてください、と伝えるようにしています。気軽に健康チェックが行えるうえ、直接健康に関するアドバイスがもらえるという点が、多くのお客様に喜んで頂けているようです。

 

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今後の展開や将来の夢について

 実は横浜店では保健所の許可が下りず、血液採取のメニューは提供できていないのです。中野店を知るお客様から、「血糖値や、中性脂肪などを測ることはできないの?」とお声をいただくことも多いので、できるだけ早く血液採取のメニューも提供できるように、行政への働きかけを行っていきたいと思っていますね。

 また、ケアプロに来店下さる方々は、まだまだ健康意識の高い方が中心となっている現状があります。健康に対して投げやりになってしまっている人や不健康な生活を送っている人にこそ、ケアプロの存在を知って受診をしてもらいたいというのが、ジレンマを感じている部分です。

 ひとつの試みとして、昨年末に外資系企業さまからの寄付をいただき、寿町で無料健診サービスを開催しました。歳末の炊き出しスペースの一角に開設し、全部で28人の方に受けて頂きました。「ずっと日雇いだったから健診なんて受けたことがなかった」「保険がない、仕事がない。就職するまでは体力勝負。」という方に、健康への意識を新たにしていただくきっかけを提供できたことは、一つの成果だったと振り返っています。

 また、誰にとってもより利用しやすい状態を実現できるように、出張健診の機会を増やしていきたいと思っています。現在も、フィットネスクラブやパチンコ店などに

 

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寿町での無料健診サービスの様子

出張健診することはあるのですが、横浜市内においても山下公園などの観光地や、駅前、フリーマーケット会場など、人の集まるところに「移動図書館」のような形で出ていく機会を増やしたいと思っています。わずかなスペースで開設できるので、商店街やフットサル場、主婦の方が集まるサロン等とも連携していきたいですね。

 長期的な夢としては、言うなれば「医療界のジャニーさん」でしょうか(笑)。ジャニーズ事務所では、ターゲットの世代や地域に合わせて、効果的にユニットを作って売りだしていますよね。僕はケアプロという会社が、医療界において在宅医療やメンタルヘルス等の様々な分野で、革新的な医療サービスをプロデュースしていく存在にしていけたらと思っています。

横浜への想い

 やはり、なんといっても「地元」ということに尽きると思います。

 これは東急横浜店をオープンしてから知ったことなのですが、東急の駅員の一人が、僕の同級生だったのです。こんな具合で、横浜を歩いていると知り合いや友達がたくさん働いているのを見かけます。

 また僕が育った上大岡という町は平凡というかなんというか。ハイソでもなく汚くもなく、コミュニティが息づいている町だと思います。近所づきあいもあるし、そういう地域っぽいところが気に入っています。今回の出店をきっかけに横浜をもっと、健康的な町にしていきたいですね。

 

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