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創業は昭和4年。伝統の味を守りながらも新しい味に挑戦する
株式会社美濃屋あられ製造本舗 取締役 小森 健太郎さん

by staff on 2012/4/10, 火曜日

 「あられ」と「おかき」はもち米です。「あられ」をキーワードに横浜を世界に紹介したいと思います。米と醤油にこだわりを持ち続け、伝統の味を守りながらも新しい味に挑戦し「ナポリタン味」「とんこつラーメン味」といったあられを作り出しました。本牧小港の「美濃屋あられ」で小森健太郎さんにお話しを伺いました。

小森健太郎さん  
お名前 小森 健太郎
(こもり けんたろう)
年齢 30歳
ご出身 横浜市中区本牧
ご家族 祖父・父母・妹二人の長男
お仕事 (株)美濃屋あられ製造本舗 取締役
4代目になります
ご趣味 演劇の観賞
ご性格 穏やか
HP http://www.minoya-arare.com/

 

創業は昭和4年「小森商店」として曾祖父が創めます。今の「美濃屋」の屋号には曾祖父の思いが込められています

 曾祖父は岐阜の農家の三男坊で、横浜に出稼ぎに来ました。「横浜あられ:注1」で修業をし、その後「小森商店」として独立、現在の磯子プールセンター前で製造小売りを始めました。

 戦争を乗り切り、祖父の代の昭和32年、本牧小港の埋立地にあられ製造工場をつくり、社名を『株式会社美濃屋あられ製造本舗』といたしました。(注釈:港北区にある「株式会社美濃屋あられ」はのれん分けした会社で、製造方法や商品へのこだわりは違うものとなっています。)

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(株)美濃屋あられ製造本舗
本社/製造直売所

 

先見の目があった祖父のおかげで今の美濃屋あられが
あります

 物流網を作ったのが祖父でした。一斗缶(いっとかん)に商品を詰めて背中に背負い電車で運んだ時代に、車を導入し倉庫で商品を管理しました。車の導入で会社の業績は飛躍的にあがりました。

 昭和42年第6回食品審査会(ベルギー ブラッセル)/モンドセレクションで金賞を受賞しました。食品部門では日本で3番目、穀物部門としては初の受賞でした。実は、この受賞は、私共が出展したというよりは、海外での評判により出展されたという経緯がありました。美濃屋のあられは、ハワイに住む日本人・日系人に愛されて、販路をサンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトルそしてニューヨークへと広げていきました。やがてヨーロッパに渡り、ベルギー・オランダ・ロンドンと広がって行き、この受賞に繋がったのです。

 海外での評判から「丸清(まるきよ)ブランド」や「TOMOEブランド」が出来ました。平成23年に「丸清ブランド」の商標・営業権を取得し、海外向けの直営ブランドとして販路拡大に努めております。

丸清ブランドとは:http://www.marukiyo.net/index.html

 


モンドセレクション受賞記事
神奈川新聞


株式会社美濃屋あられ本舗発足時の社長ご夫妻


TOMOEブランドは、輸出商社の奥様のお名前「ともえ」から付けられました

国内での評価と販路には「こだわり」との苦しい決断がありました

 昭和27年全国菓子大博覧会名誉金賞牌受賞、昭和29年5月に神奈川県指定銘柄に指定、神奈川の銘菓として登録されました。

 昭和54年には永谷園と取引が開始され、絶頂期に入りました。全国チェーンの大型スーパーが台頭してきた時代です。大量生産と大量消費の時代が始まりました。この流れに乗るのか乗らないのか、苦渋の選択に迫られました。結果「乗らない」道を選びました。

 誤算もありました。スーパーからコンビニへと消費は移り、町からお菓子屋さんが消えて行きました。直接に卸していた小売店さんや問屋さんが店を閉めていったのは大きな誤算でした。

 この大型消費の流れに乗った某メーカーは、東南アジアで製造を始めます。袋詰めまで全て機械化です。当社も一部の製造過程で海外工場や機械を使いますが、最終過程は日本で自分達の目でチェックを行い、手作り感を大切にしております。 この「こだわり」が伝統だと私は思っております。

 

私が4代目になります。伝統を守りながら新しい味に挑戦していきます

 あられの味のベースは醤油と塩とざらめ(砂糖)です。 おのずと限界があります。

 父が「わさび味」「チーズ味」「梅しそ味」「辛しマヨネーズ味」のあられを考案しました。そのDNAを受け継いで私が考案したのが「ハバネロ柿のたね」です。これはトマトと玉ねぎの風味を生かしたメキシコのサルサソース味、辛いものブームに乗って売れております。

 自分の中での自信作は「横濱ビア柿」です。横浜がビール発祥の地だということで、横浜ビール社長太田氏からヒントを得て考案しました。 太田社長から繋がって、岩井の胡麻油を使ったあられを考案しました。

 「知り合いの良いものを紹介したい」という気持ちが今後の展開になると思います。 新山下のとんこつラーメンの人気店「げんきや」とコラボしたあられ、その名も「げんきや」とか、 落語の馬生一門や大日本プロレス、シドモア桜100周年・・・人と人との繋がりがら商品が生まれています。

 日本ナポリタン学会との絡みで「ナポリタン味」のあられを作りました。ナポリタンは横浜が発祥の地です。「名古屋のイタリアンと横浜のナポリタンとどっちが美味い?」ということになり、横浜のナポリタンを応援しようと思いました。社内では猛反対になりましたが、横浜土産として人気が出てきております。

 わたしは横浜が好きなので、あられをキーワードに横浜を紹介してみたいと思いました。「味を作る」ことは大変ですが、とても面白いことに気がつきました。 若手の職人と食べてみては試行錯誤、イメージを膨らませて商品にしていきます。商品になるのは、年に3種類くらいですが挑戦は続けていきます。今、横浜中華街をイメージした「マーボー豆腐味」を商品化しています。中華街でお土産として売られることを望んでおります。

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「ナポリタン味」のあられ

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 また、食材としての「あられ」をミクニヨコハマとコラボしてみました。フランス料理と「あられ」素敵な組み合わせでしょう? 

 「あられ」とか「おかき」というとなぜか年配の人のイメージが強い気がします。若い人はスナック菓子でしょう?! 極端な油を使わない「あられ」は健康的なおやつとして、お子さんから大人まで、幅広い人達に、安心して美味しく食べていただきたいです。

 私の代で(株)美濃屋あられ本舗は創業100周年を迎えます。伝統を守りながらも変化していく当社の「あられ」を、今後ともよろしくお願いいたします。

小森健太郎さんにとっての横浜は?

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(株)美濃屋あられ製造本舗 取締役
小森健太郎さん

 

 大都市だけれど田舎・・・田舎と言って語弊があるかもしれませんが、人との絡み方が他人事ではない、外国文化を取り入れた町だからでしょうか、外を受け入れることに寛容だと思います。そんな横浜が大好きです。

 わたしにとっての横浜は「大都市だけど田舎風な人情があるまち」です。

(インタビュー:渡邊桃伯子  文・写真:高野慈子

注1:「横浜あられ」の情報をご存じの方はご連絡ください。

 

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美濃屋あられ横濱シリーズ詰め合せ(小袋4種10袋)

 

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