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恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人しれずこそ 思ひそめしか

by staff on 2012/4/10, 火曜日

♪恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人しれずこそ 思ひそめしか♪


絵・千絵崇石
 

 読み人:壬生忠見(みぶ の ただみ)

 現代語訳・・・恋をしていると言う僕の噂が もう立ってしまった。誰にも知られず密かに思い始めたばかりなのに・嬉しいはずの恋が壊れてしまいそうだ。

 この歌は先月ご紹介させていただいた平兼盛の歌と「天暦御時歌合わせ」の際に競いあい、不運にも負けてしまった歌なのですが、今でも、こちらの歌の方が好きだと言う方がいて、本当に甲乙つけがたい名歌とされています。作者の壬生忠見は下級官人で少年のころから歌作りの才能を示しました。家が貧しくてある時、公の席に歌いに来いと招かれて、乗り物がないため行く事が出来ずに断ったところ、竹馬に乗って来いと言われ、こんな歌を作っています。 ”竹馬は ふしかげにして いと弱し いま夕影に 乗りて参らん”

 物理的にお金がなくても、その豊かな感性は時の村上天皇にも愛され、官士として仕えた後には度々歌を取り交わしていたと言われています。この時の歌合わせも、只の貧乏地方官だった彼に歌の堪能を持って勅命で内裏に召されました。彼は感激して任地で着ているそのままの格好「田舎の装束のままにて 柿の小袴衣を今に持ちて肩に懸く」で上京し、この歌を詠んだとされています。そして判者達にも甲乙つけがたく、引き分けとなるところだったのですが、ふと天皇様が「しのぶれど・・・」と兼盛のうたをつぶやいていたのを聞き、軍配が平兼盛に上がってしまいました。そしてその後にこんなエピソードが。

 競者達はそれぞれ別の部屋で勝敗の知らせを待っていました。平兼盛はその朝早くから衣冠装束に身を正し陣内に座っていましたが、勝ったと聞くや、喜びを抑えきれずそのまま後の勝負は聞かずに退出しました。一方他の部屋で判定を待っていた忠見は、晴れがましい歌合わせへの招聘に、その名誉に喜びつつも、自分自身は勝ちを信じていたのでしょう。負けたと聞くやショックを受けて、その後食事も喉を通らずに(不食の病になり)ついに死んでしまったということでした。じっさいには彼はこの歌わせの後も長く生きて他の歌も残していますが、落胆のあまりに死んでしまった。というエピソードがまことしとやかに語り伝えられて二人の名前と歌は永く人々の口に上り記憶に残されてゆきました。このエピソードは「沙石集」に記されているそうですが、「沙石集」の編者はどんな思いでこのエピソードを残したのでしょう。私は田舎者の恰好で堂々とはせ参じた壬生只見の人間性に魅かれますが、現代国語の感性で読むと、しのぶれど・・の方がスムーズに理解できました。この言葉の普遍性って大きいかもしれません。貴方はいかがですか? (早苗ネネ♪)

毎月第2金曜日 4月13日
6時30分~ 3回ステージ ¥5500ワンドリンク付き 入れ替えはありません。
出演:早苗ネネ パリ祭出演の歌手の方々2~3名。
新宿シャンパーニュ 電話 03-3354-8540(昼) 03-3354-2002(夜)
新宿一丁目。元新宿厚生年金前。http://www.champagne-live.com/

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
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