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リケールに魅せられて夢に向かって突っ走りました。株式会社エーデルリケール代表取締役 中尾友紀さん

by staff on 2013/4/10, 水曜日

 花と果実のお酒(リケール)に魅せられて、マリエンホーフ社の日本輸入総代理店「エーデル リケール」の社長になった中尾友紀さんに、横浜駅東口スカイビル1階のカクテルバー・マルソウでお話を伺いました。「若さゆえの『無謀』だったと思います。今なら怖くて出来なかったと思います。お酒の業界を知らなかったことが私を『無謀』にも夢に向かって走らせたのだと思います。」

株式会社エーデルリケール 代表取締役 中尾友紀さん

 

 
お名前 中尾 友紀(なかおゆき)さん
お生まれ 1971年11月
お住まい 横浜市青葉区
ご家族 父母 妹 弟
ご趣味 日本文化(特に着物)・音楽
ご職業 株式会社エーデル リケール代表取締役
HP 株式会社エーデル リケール
http://e-raku.com/
本社:高松市国分寺新名
横浜office:横浜市青葉区新石川

保土ヶ谷生まれの香川県育ちです。

 母の実家が横浜でしたので、私は保土ヶ谷で生まれました。父は次男でサラリーマンでしたが、実家の春日神社を継ぐことになり、香川県に一家で帰ることになりました。私が生まれて間もない頃のことです。

 香川県には独自の文化があります。それは、ドイツとの交流で生まれ育った文化です。第一次世界大戦時、ドイツ軍の兵士が日本各地で捕虜の生活を送りますが、その中でも特に徳島県と香川県は待遇の良さで有名になりました。

 香川県で「捕虜」と言わずに「俘虜」というのは、ドイツ兵を捕えて監禁するのでなく、わりと自由が許されていて、市民との交流があったことからです。今も、日独協会があり、食べ物、ワインやビール、音楽・・・いろいろな分野でドイツとの交流が盛んに行われております。

 私は、香川県で学生生活を送り、OLになりホテル系の会社で働いていました。 引き出物にドイツワインを企画した縁で、ドイツ大使館の方々と知り合うことになりました。

 そして、ドイツのリキュール「リケール」と出合いました。

 引き出物に「リケール」を企画したのですが通りませんでした。当時、リキュールと言えば、カクテル用の香りと甘味の強いリキュールしか無く、引き出物でもらったリキュールを家庭でどうカクテルにするのか「意味が分からない」と言われました。リケールは、ドイツと交流が盛んな香川県でも扱いの難しいものでした。

リケールとは

 リケールとは、ドイツの伝統ワイナリーが生み出す『液体の宝石』と言われています。 繊細な風味と香りなので、ショットでウィスキーのように飲むのがお勧めです。カクテルや料理に使うのは難しいと言われます。ここ「マルソウ」の素晴らしいバーテンダーならば美味しいカクテルが提供できると思いますが・・・(笑)

 リケールには、すみれ、さくら、バラのような花を使ったもの、イチゴ、ベリー、ざくろ、さくらんぼ、リンゴ、マルメロ(花梨)のようなフルーツを使ったものがあります。 

 花や果実などの原材料は、全て丁寧な湯せん蒸留によってエキスを抽出します。バラの花びらから香水を作る工程に似ています。そして、良質なワインを作るリースリング(高品質のぶどう)から最上級のブランデーを作り、それをベースに花や果実のエキスを美しいガラスのボトルに閉じ込めたのがリケールです。果物系はフルーツ本来の甘みです、花はビーツ(さとうだいこん)を使って甘みを演出します。白砂糖やカラメルは一切使用しません。

 その年の素材の出来栄えによって味が違います。天候に果実の出来は左右されます。お天気の多かった年は甘くなり、雨の多い年は酸味が出ます。リケールの色、味、香りは毎年違います。「今年のは深い色だね」とか「去年の方が酸味が強かったね」とか、その違いを楽しむのもリケールの楽しみ方のひとつです。

 

薔薇のリケールを使ったモヒート(カクテルバー・マルソウ)
薔薇のリケールを使ったモヒート
(カクテルバー・マルソウ)
(クリックで拡大写真)

門外不出、継承者へと伝えられた秘伝の技法

 リケールに魅せられて『日本で売りたい』と思った時、まずワイナリーを見に行こうと思いました。ドイツ・ファルツ地方のフェニゲン村にある『マリエンホーフ社』。道のりは本当に遠かったです。

 ドイツ大使館の紹介で、英語が話せる牧師一家にホームステイをすることにしました。ドイツ語が話せる訳でも読める訳でもなく、英語が少し分かるくらいでした。

 ホームステイ宅には電車に乗って行くことになっていました。駅名が分からず、車内放送も分からず、2つ手前の駅で降りてしまいました。駅前に公衆電話もなく、たまたま通りがかった人の携帯電話を借りて、ホームステイ先と連絡を取り、車で迎えに来てもらいました。

 牧師の一家には大学生の娘さんがいて、英語で話すことができました。

 一週間ほどの滞在でしたが、その間に『マリエンホーフ社』を訪ねることが出来ました。地図にも載っていない小さな村です。今ならグーグルマップやWEBで検索ができるのでしょうが・・・

 『マリエンホーフ社』の創業は17世紀後半から18世紀初頭、7代続く歴史と優れたワインの醸造所です。リケール作りは19世紀から始まったと言われています。その製法は次の継承者にのみ伝えられる秘伝で、伝統と技が守られています。

 『マリエンホーフ社』には、ホームスティ先の牧師さんから私について紹介がされていて、フェニゲン村着くと、となり村からアメリカに行ったことのある女性が通訳として招かれていました。観光客が行くような場所ではないので、日本人は珍しく、村中の人が集まってきました。 「コーヒーを飲んだことあるの?」なんていう質問もされました。

 それでなくても、日本人は若く見られます。村人は、女の子がお酒の商談に来たと驚いてようです。 「この娘は大丈夫なのだろうか?」ときっと思われたことでしょう(苦笑)。

 私は、素材にこだわりをもって、寝る間も惜しんでリケールを作るフィニゲン村の人の姿に感動を覚えました。そして、このリケールを扱うのだから「しっかりやりとげよう」と心に決めました。

 

マリエンホーフ社訪問

マリエンホーフ社訪問
マリエンホーフ社訪問
(クリックで拡大写真)

ところが、お酒を売ったことがありませんでした

 まず、お酒を売るのに免許がいることを知りませんでした。それもそのはず、父はサラリーマン、弟は証券マンをしながら「春日神社」の神主を務めているのですから。酒屋でもない、輸入業者でもない・・・お酒を売った経験がないところからのスタートです。資金は、OL時代の貯金と親からの援助です。スポンサーがいた訳ではありません。準備期間中にも資金は少しずつ減っていきました。

 やっとのことで、お酒を取り扱える許可が下りて、「マリエンホーフ社」に注文を入れたのですが、あちらは英語が分からない。ドイツ語の通訳を入れての商談です。ところがマリエンホーフ社も輸出の経験がなかったので、インボイスの書き方から梱包の方法まで教えることになりました。教えている私も輸入の経験がないのですから、輸入代理店や税関に訊きに行って連絡を取ります。連絡の方法は電話かFAXです、マリエンホーフ社の方々はご年配でメールが使えなかったのです。

 マリエンホーフ社には学生の息子さんがいるので、とうとう私が息子さんに「英語を勉強してください」と言ってしまいました。私がドイツ語を勉強するよりも息子さんが英語を習得する方が早道だと思ったのです。

 こうした苦労のすえ、20種類、約600本のリケールが日本に入って来ました。

日本での苦労話

 地元の香川県で友人や知人には好評でした。そこで「福岡フーデックス」に出品して紹介しようと思いました。出品費用は『マリエンホーフ社』が負担し、息子さんが手伝いに来てくれました。もの珍しい「リケール」の評判は良く、これを本当に売るのなら『東京に行かなくちゃ』と思い、家族の反対を押し切って上京、戸越の1Kのアパートに商品と一緒に暮らすことになりました。ベッドは段ボールです。 空き箱の上で寝ていました(苦笑)。

 酒屋さんを回り、BARや飲食店に声を掛け、展示会でもらった名刺の方々に営業をかけ・・・ある時、大手百貨店系の会社に営業に行きました。商品の良さを分かってもらえて、デパートにリケールを置くことができました。しかし、高価なリケールはすぐには売れませんでした。 置いてもらっただけではだめだと気づきました。

 まずリケールの楽しみ方を伝えないと、リケールは売れないことが分かりました。

 デパートでのイベントで、ある大手の酒屋のオーナーがリケールの試飲をし「美味しい」と取り扱ってくれることになりました。 酒屋さんのお客様は個人の方もあれば、BARなどのお店もあります。口コミでリケールの良さが伝わり、ファンが広がって行きました。東京、大阪、名古屋、札幌からお客様の声が届くようになりました。

 商談も増え、東京のアパートでは狭くなり、母方の親戚の住む「横浜」に戻ってきました。実際は、従妹の住む川崎で少し暮らしてから横浜市青葉区に移って来たのですが・・・とにかく今は「ハマっこ」です(笑)

 私が『酒屋さん』を大切に思うのはこの「口コミ」ができることです。お客様にお酒の飲み方、楽しみ方を伝えてくれる、つまりは文化を伝えてくれることになると思うのです。お客様からの要望も私に伝えてくれます。 何か手ごたえを掴んだのもこの頃です。

 買いに来られた方が、家庭で、職場で、パーティの席で、リケールの話をしてくれたらこんなに嬉しいことはありません。私が直販をしないのは、取り扱ってくれる「酒屋さん」を大事に思うからです。

 

お茶の葉のリケール繊細な香りと味はショットやロックがお勧めです(カクテルバー・マルソウ)
お茶の葉のリケール繊細な香りと味はショットやロックがお勧めです
(カクテルバー・マルソウ)
(クリックで拡大写真)

リケール1杯をゆっくりと

 「食後酒」という文化がまだ育っていないと感じています。食前酒や食事と一緒に楽しむお酒の文化はありますが、食後に音楽を楽しみながら、会話を楽しみながら、シガーを楽しみながら、消化を助けるお酒を飲むという文化が育っていないような気がします。

 通勤や仕事に時間を取られてしまい食後にゆっくりする時間が無い・・・食事をして、テレビ見て、お風呂に入って寝てしまう。食事の時に、料理に合うビールや日本酒・焼酎やワインを頂いたので、食後に特別なお酒を楽しむ必要がない=食後酒に親しんでいない・・・だからこそ「食後酒」を文化にできたら素敵だと思うのです。

 これはデザートの文化とはちょっと違います。デザートを食べたり、デザートワインや甘いお酒を食後に飲むことはあります。私が思うのは、お酒と時間とのマリアージュです。食後の音楽や会話の時間、もちろん一人でいたい時間でも良いのですが、リケール1杯をゆっくり飲みながら過ぎてゆく時間を感じる・・・そんな楽しみ方です。

リケールを使ったカクテルが銅賞になりました

 カクテルバー・マルソウには全日本フレアバーテンダーズ協会(ANFA)の事務局があります。会長の北條智之氏、店長の澤木良太氏の創るカクテルは定評があります。

以下は、フレアバーテンダー・CATMANのブログ(北條智之氏のブログ)から抜粋

北條智之氏のプロフィール http://catman-flair.blog.ocn.ne.jp/about.html
横浜駅東口スカイビル1階のカクテルバー・マルソウ
http://www.yokohama-sky.com/restaurant_detail/01marceau/

リケールを置いてあるお店・楽しめるお店

買えるところ

三留商店 http://www.mitome.jp/ 神奈川県鎌倉市坂の下15-21 0467-22-0045
エスポアしんかわ http://www.e-shinkawa.com/ 横浜市青葉区榎が丘13-10 045-981-0554

飲めるところ

カクテルバー・マルソウ http://www.yokohama-sky.com/restaurant_detail/01marceau/
BAR LADDIE http://www.bar-laddie.com/ 横浜市神奈川区白楽103番地17 045-401-0347

ケーキ製作

キッチン山田 「ブレーメンの音楽隊スイーツクラス講師」
http://ameblo.jp/1361nikki/
http://www.bremen-flower.jp/lessons/lessons_04.html
http://e-raku.com/okashi

 


あなたの町の近くにも・・詳細は、エーデル リケール社のホームページをご覧ください
(クリックで拡大写真)

あなたにとって横浜とは

 郷愁を感じる街。あらゆる文化に触れる時、自分の中の「ものさし」となっている場所です。

 


すみれの花のリケール(淡い紫色)を使ったカクテル

(インタビュー・文・写真:高野慈子

 

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