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佐々木彬文の「四季・色・贅・食」 第19話 誰にも教えたくないお店

by staff on 2013/7/10, 水曜日

 


日本画家 佐々木彬文画

 

 『誰にも教えたくないお店』は、誰にも一軒や二軒あるものです。今月はその様なお店のお話です。ですから詳しい場所は書きません。探しに行ってみて下さい・・・

 関内駅の市役所とは反対側、横断歩道を渡ると大きな坂東橋まで続く公園が有ります。 関内駅から歩いて2~3分位の駐車場隣のビルの7階にそのお店はひっそりと開いています。7階のフロアー全部がそのお店です。

 

プロショップとアマチュアショップ?!

 俗に『pro shop』と言われるお店は、その業界のプロの方だけが出入りできる専門店です。

 東急ハンズのように、それなりの素材は置いているけれど、誰もが仕上げられるように半分加工されている商品や、簡単に組み立てられる商品を置いているお店が、アマチュアショップです。

 このお店はもちろんプロショップ! その分野の名士『御用達』のお店です。

 店内に入ると、余り目立たない『普通のおじちゃんやおばちゃん』って感じのお客さんが、店長さんとお話をしたり、紙や筆を選んだりしています。お店の方がその方々を呼ぶときは『先生』です。 店内は『先生』だらけです。

 ですから、そのお店に行かれたとして、見た目が『地味な客やな~!』と思っても、虚勢を張ってはいけません。トンでも無く偉い先生方がいっぱい買いに来られています。 もしも、あなたがアマチュアならば、プロのお店に入ったら謙虚に謙虚にしていることが一番かもしれませんよ。(笑)

 

接客に時間がかかる店です

 さて、そのお店が扱っている商品は? 「筆・墨・和紙はもちろんのこと、額から掛け軸の仕立ての注文、落款様の朱肉から石まで書道用品の事なら何でも有ります。

 初めて入店なさったら、どこをどの様に見て廻って良いのか判らないのではないでしょうか?!紙って言っても「種類」「大きさ」とても品ぞろえが多いのです。

 特に、未だに、和紙の大きさは江戸時代からの呼び名で扱われています。『全紙』や『半切』厚みは匁(もんめ)です。(カッコ良いでしょ!!) これ等の言葉を使いこなせたら一人前です。お店の方も話し相手に成ってくれます(笑)

 そうそうこのお店、お客さんとお店の方が話をしている様子がちょっと他の店と違います。

 先ず天気の事、それから世間話が始まり、先生方の日頃の活動の話になり、そしてやっと注文となります。 

 早い話が、お一人おひとりに時間が掛ります! でも、決して話の腰を折ったり、割り込んではいけません。 他に買い忘れた物は無いか、気長に店内を見て回って待っていて下さい。

 そうすると、面白い物を発見できると思いますよ。(笑)

 

旬を発見できます

 これからの取扱商品『夏物 一位団扇・二位扇子』といっても何も書かれていない・・・これから皆さんがその画面に筆を入れる扇子や団扇の事です。 大量に買われるとお安くなります。大量?「はい、20貼りとかです。

 皆さん、今年からmy団扇やmy扇子を持ちませんか?! あなたの手描きの団扇や扇子・・・素敵だと思うのですが。

 葉書も年中ブームです。しかし、こちらは百枚単位ですが・・・一枚二枚で売っているのを見た事がないです。

 筆の種類も、迷ったら手ぶらで店を出るほど多いです。もしも迷ったら、判ったふりして見栄をはらず、欲しい筆をお店の方に御相談下さい。でないと、本当に手ぶらで店を出る事に成るかもしれません。プロショップはアマチュアの方には敷居が高いことも「有」ます。(笑)

 

本来、プロショップは、プロが品選びをする場所

 『誰にも教えたくないお店』の理由は、今迄書いて来たように、①大切で物静かなお客様[先生方]が来なくなると困ります。 ②ゆっくり静かに品選びをしたいので、あんまり混まれるのも困ります。③江戸時代からの習慣が崩れるのはもっと困ります。

 エッヘン!私も一応プロですから、江戸時代からの買い方が身に付いています。 ある日突然、紙を注文するとき『何センチ×何センチで厚みが何ミリの紙を5枚頂戴』なんてできません。 『全紙ひと束』って注文する方がとても合理的ですから・・・アマチュアショップになって欲しくないと思うのが本音です。

 最後まで私のコラムにお付き合いして頂いたあなたに、お店の名前を小さな声で言いますね、『翠祥園』です。関内駅近くのビルの7階です。一応年中無休です。お正月とかは休みますが、休日でも5時頃までは開店しています。平日は6時過ぎまでは開店しています。
http://store.shopping.yahoo.co.jp/touhoukoueki/okaidoku.html


ビルの入り口に目立たない看板が出ています


エレベーターで7Fへ、お店の入り口です

さて、7月から岩谷学園(横浜駅東口)の粋生倶楽部で第4水曜日に『文人画教室』を始めます。墨と和紙の世界です。
(講座名:文人画を描こう:http://www.ikiiki-club.jp/course_guide/bunjinga.html
是非、粋生倶楽部にお問い合わせください。そして、マイ筆と和紙を探しに翠祥園に行ってみては如何でしょうか? もちろん、文人画教室の先生が買い方等教えてくれますから(笑)お店に行っても目線が違って、きっと楽しいと思いますよ!

文人画を描こう! (時間:10:30~12:00 場所:岩谷学園粋生倶楽部 TEL:045-444-2181)

7月24日(水) 京野菜を描こう 筆の扱い方、絵具のお話・如何にデフォルメするか
8月28日(水) お花の基本   普段何気なく見ているお花を注視するようになります
9月25日(水) 菊/墨の描き方 涸墨の技・たら仕込みの技、筆遣いを楽しもう!

文・絵:佐々木彬文(日本画家・裏千家茶道講師)/写真・構成:高野慈子

 

佐々木彬文画伯の今月の絵『遊』


題:遊 50号(大きさ 73cm x 117cm) 金額:250,000円(額なし)
額はご希望で40,000円くらいから

 『遊』は1月の或る朝・・・その前日、50号のパネルに和紙を張り寝たのですが、筆順を何度も夢に見て、夢の中で繰り返し繰り返し『遊』を書いて居りました。

 そのせいか、早朝4時前に目が覚めてしまい、寝れなくなりました。

 冬の早朝です。 窓を全部開け、部屋の空気をキリっとした朝の新鮮な空気に入れ替えると、シャワーを浴びで身を清め、東雲色の雲を見ながら『えい!』っと書いた作品です。『遊』という字を書くというよりは、自己を解放し無の境地になり、筆にまかせ、筆の走るままに描いた作品です。

 筆が遊んでとても良い作品に成りました。

(紹介文:佐々木彬文

※絵のご購入に関するお問合せは、ヨコハマNOW編集長 辰巳までご連絡ください。
TEL 045-264-4939 FAX 045-264-4940 Email kabuki@waratte.jp

 

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