2013年7月 三ツ池だより 「願いを込める」
七月に入って東京目白の椿山荘の三重の塔の前にいた。五葉松を前にして、左に紫陽花、右手に空が広がっていた。滝の音、飛行機の音、砂利の道には蟻が歩いていた。七月は素直になっていくとブログに書いていた。ものを捨てることが難しくて、いつもそのことが頭の中を占めていた。引越すことが必要になって、ものを捨てなくてはいけなくなった。随分と要らないものが多くあり、なんでこんな不用品のなかに住んでいたのかと無念に感じたのだった。そして住まいを移すことを「なんで引越しというのか」と思った後の日のことだった。
七夕の月になった。
平安時代に宮中行事として七夕行事が行われるようになり、宮中の人々は桃や梨、なす、うり、大豆、干し鯛、アワビなどを供えて星をながめ、香をたいて、楽を奏で、詩歌を楽しんだ。サトイモの葉にたまった夜つゆを「天の川のしずく」と考えて、それで墨を溶かし梶の葉に和歌を書いて願いごとをした。
中国には古代より、木・火・土・金・水の五つの要素によって自然現象や社会現象が変化するという学説があり、五色のたんざくはこれにちなんだ緑・赤・黄・白・黒です。中国ではたんざくではなく、織姫の織り糸にちなみ、吹き流しや五色の糸をつるします。また、たらいに水を張って梶の葉を浮かべ、そこに織女星とひこぼしの二つの星をうつしておりひめとひこぼしが無事に会えるようにと祈ったとある。
「棚機(たなばた)」とは古い日本の禊ぎ(みそぎ)行事で、乙女が着物を織って棚にそなえ、神さまを迎えて秋の豊作を祈ったり人々のけがれをはらうというもの。選ばれた乙女は「棚機女(たなばたつめ)」と呼ばれ、川などの清い水辺にある機屋(はたや)にこもって神さまのために心をこめて着物を織る。そのときに使われたのが「棚機」(たなばた)という織り機だった。
琴座のベガと呼ばれる織女(しゅくじょ)星は裁縫の仕事、鷲(わし)座のアルタイルと呼ばれる牽牛(けんぎゅう)星は農業の仕事をつかさどる星と考えられた。この二つの星は旧暦7月7日に天の川をはさんで最も光り輝いているように見えることから、中国でこの日を一年一度のめぐりあいの日と考え、七夕ストーリーが生まれた。
七夕に物語があることが嬉しい。
願いを込めることがある。
「孫が元気に生まれますように」
「地球が平穏でありますように
心地よい風のなかで、 四月から始まった年度を三か月過ごしてきた。あらゆることが具体的に動き始めている。さて素直な自分に戻れるのだろうか。布袋の石仏に手を合わせる。平和安穏、家庭隆盛とある。蝋梅がすっかり色づいた葉を茂らせている。願いを込める。それは意志表示することであり、他の幸せを願うことである。そしてそれが我が事にも繋がっていくのだ。
「あなたが元気でなくて、なんで他の人に元気が語れますか!」
今日もまた願いを込めて動きはじめている。
Photos
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(文・写真:横須賀 健治)
横須賀 健治プロフィール
メジャーテックツルミ 代表取締役
はかることのプロとして50年です。
食品の放射能測定のアークメジャーを設立しました。
「計量から見える幸せ」をライフワークにしています。
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