Skip to content

「環境」を通して他者を思う「こころ」を育てたい。武松事業デザイン工房株式会社 代表取締役 武松昭男さん

by staff on 2013/9/10, 火曜日

 

武松事業デザイン工房株式会社 代表取締役 武松昭男さん武松事業デザイン工房株式会社
代表取締役 武松昭男さん
 
お名前 武松 昭男(たけまつ あきお)さん
お生まれ 1962年(昭和37年)生まれ51歳
お住まい 横浜市中区在住
ご家族 妻子あり
ご職業 武松事業デザイン工房株式会社 代表取締役
HP 武松事業デザイン工房株式会社
http://www.takematsu-design.com/
ご性格 真面目で几帳面

武松さんは生粋の「ハマっ子」ですよね?

 そうですね、松山で働いていた3年間以外はずっと横浜で暮らしています。「開港の地 横浜」にちなんだ名称の、元街小学校、港中学校を卒業して、野球で有名な横浜高校に進みました。同期には愛甲投手がいて、3年の時に甲子園で優勝しました。大学進学は家業である廃棄物処理、リサイクル業を手伝うことも考え、経営学を専攻しました。コミュニケーションを苦手としていたので大学時代では心理学に強い関心を持っていました。あとは、あくまでも趣味の範疇ですが軽音楽研究会に所属して、バンド活動に精を出していました。

 大学卒業後は、父が「再建王」として有名な坪内寿夫さんと、3年2か月にわたるシベリア抑留での仲間だった関係で、愛媛県松山市の「来島どっく」グループの門をたたきました。「他人のメシを食う」ということですね。

 「来島どっく」グループの経営するホテルのフロント業務が始まりでした。あの3年間は本当に丁稚奉公でしたね。24時間勤務でしたが、それ以外にもなんでもやったので残業は当たり前でした。松山で過ごした日々は、「仕事の厳しさ」や「他者への配慮」など私の人生の礎を作ってくれた大切な時間です。コミュニケーションへの苦手意識を改善できたのは、このホテル勤務の経験によるものです。

「環境問題」への関心はいつごろからですか?

 もともと、家業が廃棄物処理業ということもありましたが、横浜に戻り、父の経営する「武松商事」に入社してから、より本格的に関心を持つようになりました。

 あのころは、企業を回って「ごみのリサイクルをしませんか」とお話しすると、ほとんどの企業では「ゴミは捨てればいいのだから、リサイクルなど必要ない。」という冷たい反応がほとんどでした。

 20年前は「資源を大切にしよう」という思想自体が社会にも、企業にも浸透していませんでした。

 父はかなり早い時期から「リサイクル」を考えていて、廃木材をチップにして再資源化する事業などを手掛けていました。しかし、前述の通り、あのころは単に「ゴミは捨てる」という考え方が主流でしたから、ゴミを分別して再び資源として活用しようにも、活用先のないことに、とても苦心していたことが思い出されます。

 1990年も後半になると、世界的な環境汚染が浮き彫りとなり、社会も、企業も環境保全を前面に打ち出してくるようになりました。武松商事でも、1台2000万という発泡スチロールを溶かして小さくする機械(減容機)を搭載したトラックを購入し、廃棄物のリサイクルをさらに推し進めていきました。営業部隊としては何とかしなければなりません。DMを送ったり企業訪問したりいろいろな営業活動を行うも、やはりすぐには理解を得られない日々を過ごしていました。そんな中、ある日某電機メーカー大手から「夏祭りで使う発泡スチロールを処理したい」という注文がありました。本当にうれしかったですね。それから、より一層「リサイクル」を説明することに社会的意義を感じて営業活動に取り組んでいました。

政治家を目指されたときもあったとか?

 「廃棄物」の現場体験を通して「環境問題」を深く考えるにつれて、政治を変えていきたいという想いが強くなっていきました。応援して下さる方々もいて、2回、市議選にチャレンジしましたが「公の場」から、政治に参加することは叶いませんでした。ただ、これまでの自分の考え方や物の言い方など、ホントに一方的、独善的ということにも気づかせてくれた政治活動の期間は貴重な経験でした。街角で政策を訴えた、あの時間を無駄にしないようにしなければと、思っています。

「環境問題」についての様々な活動をされていますよね?

 2009年から2012年まで「月刊リサイクルデザイン」というフリーペーパーの編集をしていました。講演活動も行っています。ゴミの分別方法から、分別れた後はどのようにリサイクルされているのかなど、現場のこと、江戸時代のリサイクル、法律など「環境」をいろいろな視点から話をさせていただいています。

 7月に連続4回シリーズで開催した「かんきょうセミナー」では、横浜市内で食品のリサイクルを行っている三社に登場いただいて、飼料や肥料にするまでのプロセスを説明していただきました。ライバル企業同士が一堂に会するのはなかなかユニークな試みだと好評でした。これからも、みなさまに関心を持ってもらえる企画を積極的に展開していきたいと思います。

 私は「環境問題を考える」ということは、「次の人のことを考える」ことに繋がると思っています。ゴミを出すとそれを処理する人がいる・・そしてその次は・・と思えるようになることが「環境」に対する意識の第一歩だと思います。それがゴミを出さないようにする、自然環境を壊さないようにするという気持ちにつながるのです。

 

(クリックで拡大画像)


講演子供向け


講演大人向け

今年も「かんきょうフォトコンテスト」が始まりますね?

 高校生を対象にした「かんきょうフォトコンテスト」は今年で三回目を迎えます。なぜ高校生なの、とよく聞かれるのですが・・・。小学生は夏休みの課題研究などで環境についての絵日記などを書いたり、授業で取り上げられたりと意外と環境問題に触れる機会が多いのですが、中学・高校と進むにつれて「環境」を考える機会が減っていると感じていました。そして、環境に対する関心は高いものの、地球温暖化などのグローバルなイメージが先行してしまい、環境問題を身近に感じられない、という方も少なくないと思います。

 しかし、自分が住む街も小さな環境であり、実は普段から私たちは無意識に身近な環境とその課題を目の当たりにしています。情報通信が豊かな時代でも、自分の個人的な小さな体験を思い出す方が、各自にとって具体的で実感を伴う確かな一歩になると思います。そうしたことから、高校生のみなさんにはじっくりと環境に向き合う機会となっていただけるよう、そして、高校生の若い世代自身が感じたこと、そのことを自由に表現していける「場」のひとつとして、感受性豊かな高校生に写真を通して「環境」を考えてもらいたいという願いからこの活動が生まれました。

 いまは、高校生の多くが携帯電話を持ち歩き、自分のお気に入りのシーンを写真に撮ることが特別な事ではなくなりました。日常生活の中で「環境」という視点をもって、自分の気になる瞬間を撮影してもらいたいのです。その写真を応募してもらって多くの方々に見ていただきたいと思います。過去二年間の応募作品を見ると、私たち大人が見失っていることを高校生たちは見事に表現してくれています。感動しますよ。

 このコンテストは写真撮影技術を競うものではなく、撮影者の想いを伝えることを目的としています。今年のテーマは「ありがとう 私のことを考えてくれて from地球」です。10月1日から応募を受け付けます。神奈川県内の多くの高校生の方々に応募していただきたいですね。

 詳しくは「高校生のためのかんきょうフォトコンテスト2013」のWebサイトをご覧ください。
http://www.rdt-kankyo.com/


かんきょうフォト会場

「まちづくり」にも取り組んでいらっしゃいますよね?

 そうですね。息子たちの学校、私の母校でもあるのですが、元街小学校と港中学校のPTA会長をやらせてもらいました。地域柄、両学校とも外国籍の子供たちが多く、多様性あふれる校風となっています。

 また、横浜中華街の各店舗が加盟している中華街発展会協同組合の副理事長も拝命しています。私にとっての「横浜中華街」は、小さい頃からの遊び場でもあります。副都心線が開通して「横浜中華街」は賑わっていますが、だからこそ襟を正して、料理や接客でもっと高いレベルを目指していこうと常々言っています。

武松さんにとって「横浜」はどんな街ですか?

 私が生まれ育った「横浜市中区」は、狭い場所に様々な地域が混在しています。横浜開港後に外人居留地として開発された高台の「山手地区」はいまだに高級住宅地ですし、高台の下には、日本有数の商店街である「元町」と世界一の「横浜中華街」が隣接してあります。そしてその隣には「寿町」と呼ばれる日雇い労働者の町があります。まるで「パッチワーク」のように多種多様な色合いが並んでいるのが、私にとっての「ヨコハマ」ですね。

 

(クリックで拡大画像)


横浜は「パッチワークな街」

(インタビュー:ヨコハマNOW代表 渡邊桃伯子)

渡邊のコメント
武松さんは今月で41号になる「ヨコハマNOW」の生みの親の一人です。「横浜に精通している」武松さんの存在がなければ、「ヨコハマNOW」は創刊できませんでした。武松さんからご紹介いただいた方は枚挙にいとまがありません。「かんきょうフォトコンテスト」等の活動を通して、武松さんのなさっていることは存じ上げているつもりでしたが、今回改めてインタビューさせていただいて、武松さんの「想いの深さ」を感じました。「かんきょうフォトコンテスト」をイベントではなくて、未来につながるムーブメントにしていきたい、若い世代に環境啓発をしていきたいという武松さんの想いに私も微力ながら協力していきたいと考えています。

 

Comments are closed.

ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
(動画をみる)

横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
(動画をみる)

Page Top