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みかきもり 衛士のたく火の夜は燃え 昼は消えつつ 物をこそ思へ

by staff on 2013/12/10, 火曜日

♪みかきもり 衛士のたく火の夜は燃え 昼は消えつつ 物をこそ思へ♪


絵・千絵崇石
 

 読み人:大中臣能宣朝臣 (おおなかとみ の よしのぶ)

 現代語訳 by 千絵崇石・・・あたりが暗くなると篝火は 恋の炎となって燃え始め夜空を焦がす やがて朝が来ると灰になる 貴方に逢えない辛さで昼も夜も恋しさは募るばかりです。

 作者の大中臣能宣朝臣(おおなかとみのよしのぶあそん)は三十六歌仙の一人で、現代でいえばエリートセレブリティの一人です。彼の孫娘に当たる伊勢大輔が即興で呼んだ歌、
♪いにしえの奈良の都の八重桜 きょう九重に匂いぬるかな♪

 百人一首61番。その孫娘の歌とエピソードがあまりにも有名で、色んな百人一首の解説を読んでも彼の項には、初頭に伊勢大輔の祖父と書かれています。親子三代にわたって伊勢大神宮の神官を務めている神主さんで、当時の村上天皇の勅令をうけて宮中の一御殿「梨壷」において万葉集などの撰集に当たった五名の中の一人でもあります。

 私はこの歌がとても好きでWlter Schimd氏との共作 “Passion Night 情熱の夜” の中で間奏後の出だしに歌わせて頂いてます。でも今まで作者に対しての印象は漠然としていてどんな男性だったのか見当もつきませんでした。それが最近奈良へ行き和歌うたのミニライブを行った時に、聞きにいらして下さったお客様がプレゼントして下さった本を読んでいて大中臣能宣朝臣の名前が出て来たのです。それもただ一度だけで物語の主人公とも何の関係もなく。でもその時の印象が強く残った事をきっかけに、私がその本を読んで思い描いたイメージが融合して出来上がった大中臣能宣朝臣という男性は、庶民的な感覚からはかけ離れた超エリートのお兄さんになってしまいました。父親も有名な歌人で神官をしています。その世界の中で生まれ育って行けばサラブレッドとして下々の世界などとは全く関わりなく育ちの良い坊ちゃんとして一生を終る。どうひっくり返しても彼の男性としての人生に深い悩みや苦しみ等が感じられなくて、本当に彼の詠んだ歌なのかしら?っという思いに至りました。文献を調べて行くと彼の詠んだ歌というよりは彼が好んでいた歌として伝承されてゆくうちに彼の作になったのだろうという説が一般的な事が分りました。私もそう思います。この歌にはひたむきで男性的な情熱が感じられますが、大中臣能宣朝臣から来るイメージは冷静で穏やか争いごともなく恋のお相手も彼の立場をしっかりと理解した良妻賢母。そんなつつがない人生を送った歌人のひとりだと。波乱万丈の人生を送っている私としてはうらやましい様な物足りない様な。

 和歌うたを歌っていてその歌を実際に読んだ人と、選者の藤原貞家が詠み人知らずの中からこれぞと思った人の名前を合わせた歌との違いは殆ど分かりませんが、時々作り手とうたとの間に薄い隔たりを感じる事があります。この歌もそんな感覚の残る歌でもあります。でも彼が気に入っていたと言うのは良く分かります。私も大好き、魅力のあるうたです。

(早苗ネネ♪)

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
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横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
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