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2014年2月 三ツ池だより 「してあげられることは何だろう」

by staff on 2014/2/10, 月曜日
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 大寒を超えるとすぐの雨上がりに、霧が立ちこめ、対面の丘から、雲を茜色に染めながら、太陽がいつもより神々しく上った。

 二月に次のような句が見える。

梅が香にのっと日の出る山路かな
松尾芭蕉
次の間の灯で膳をつく寒さかな
小林一茶
節分の何げなき雪降りにけり
久保田万太郎
梅一輪一輪ほどの暖かさ
服部嵐雪

 冬のスポーツが盛んだが、60年前は横浜市鶴見区の谷戸の池には厚く氷がはった。下駄であったのか、氷の上を滑って遊んだ。寒餅もこの頃であったろうか? 小さく刻んで四角にした餅の揚げたものに砂糖をまぶしたものがおやつに出た。子供ながらにお茶もおいしかった。

 今は囲炉裏も薪ストーブも姿をけして、手袋から手を出して、火にかざして手を温めることもなくなった。手をかざすといえば、御大師様のお参りにいって、線香を炊き出し、その煙を自分の体の弱い部分に持ってきての無病息災の祈りを今年もしてきた。古くからのしきたりである。

 さて、それでは新しいしきたりにしたいこととは、どんなことだろうか考えてみる。

譲ること。意見を述べること。してほしいことをしてあげること。
ありがとうを口に出すこと。顔を見て話すこと。分けてあげること。
行動して他の人に役に立つこと。見えないものも信じられること。
その日の終わりが感謝の言葉で終わること。さよならは明日への希望と思うこと。

 さて、新しいしきたりとは願望なのかもしれないし、おもいなのだろう。新しき年がはじまりいつもながらの元旦の計画の第一歩が始まっている月である。

 会社の年頭標語に「物語にし、演出をし、演じましょう」とした本年は感動を創りあげる年にしなければと思うこと、冬の寒さを感じてから桜が咲き出すように、原発の被害を抱えた心細さ、こころの寒くなるようないつ解決するともわからない不安をかかえながらも、未来に夢を作り出す勇気を求めよう。「夢は実現する」と思っているのだからこそ作り上げるべき社会の行方を書いてみなければいけない。

 破壊へのシナリオはだれがみても書きやすい。そうではなく、だからこそ想像を絶する夢が書かれていい。手塚治虫が書いた夢がまだまだ途中なのか、自国と他国の国境線がなくなって世界が一つになるという。しからばその時の組織のリーダーシップはどのようにとられていくのか。でも考えてみるがいい。「して欲しいことをして上げなさい」ということひとつとってみても、してほしいことが違っていたらどうする。7・5・3のお祝いがあって、お金がかかるからやめなさいという考えがあったら。おたがいを認め合いなさいという考えがなかったら。

 だから日本という狭いと言われる国のなかで、都会と地方という格差があるという現実に目を向け、ローカル化を進める。原発もそうだった。財政運営の厳しいところほど立地になっていった。原発以前に金のばらまきがあったのではなかったか。さすれば、たとえば酸素は草木から再生されるのは教科書でも教えている。この有り余る酸素の供給される社会こそ感謝されなければいけない。朝起きて太陽の光に感謝する生活を誰が否定するというのか。森林を残す、大切にする生き方が見直されるべきだ。

 自分で火を焚いて食事を作ると食べることに感謝できる。道を尋ねて教えていただくと人に感謝できる。オリンピックに際し、各国の受け入れを考えてみる。標識は最小限にして人の案内やおもてなしを中心にする。やはり教育が大切になってくる。教育の柱をどこにするか。オリンピックで人々は日本に来るのである。日本を愛する国民が他国の人々の案内やおもてなしを中心にする。話を聞いてあげると、人は人の話を聞いてくれる。やはり教育が大切になってくる。日本を愛する国民が他国の人々を迎え入れるのである。共通語を絞って案内するのである。日本語と英語だけにしたらどうだろう。そして日本語の案内板を増やすのである。

 誰でもが便利さを求めすぎてないか。そこそこの便利さを考える。便利さを領受できない人に配慮できる社会、政治が望まれている。2月という寒さのなかで、物語を紡いでいけたらと考える。

人はいつか戻れぬ旅に鬼は外
横須賀詢
唐突に旅は道ずれ梅が咲く
横須賀詢
青春は教え教われ花愛でる
横須賀詢

 美しい日本が忘れ去られることのないようにしたい。オリンピックのあと、箱ものだけが残るのでなく、もてなした余韻を日本全国中が楽しめるものになっていたい。もうそこに春はきている。今月もまた勇気と自信を持って活動してまいりたいものである。

 

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(文・写真:横須賀 健治)

横須賀 健治プロフィール

メジャーテックツルミ 代表取締役
はかることのプロとして50年です。
食品の放射能測定のアークメジャーを設立しました。
「計量から見える幸せ」をライフワークにしています。

 

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