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野毛でJAZZシンガーを目指す 歌手 今野朝美さん

by staff on 2014/3/10, 月曜日

 ジャス喫茶「ちぐさ」で働きながらJAZZシンガーを目指し、「ちぐさ」に隣接しているJAZZピアノバーLYONで歌のレッスンを続けている今野朝美さん。JAZZの魅力と故郷『石巻』のお話を伺いました。

JAZZシンガー 今野朝美さん
歌手 今野朝美さん
 
お名前 今野 朝美(こんの あさみ)さん
ご出身 宮城県石巻市
現在のお住まい 横浜市中区
お仕事 歌手
連絡先 (オフィス龍 090-1211-0196)
好きなもの 昭和歌謡 お酒

リズム感は母譲り

 母と叔母が昭和歌謡を良く歌うので、真似をして歌っていたのは小学生の頃です。昭和歌謡曲や横浜に縁のある歌手が大好きになったのも母の影響です。また母が和太鼓の講師をしていて、私も高校生まで太鼓を習っておりました。

 歌手になることは考えもしませんでした。実現しない「夢」のようなものだと思っていました。大好きな歌手が横浜出身ということで横浜も「憧れ」でした。だから、「横浜で歌える」チャンスがあった時は、本当にラッキーだと思いました。

 バンドのメンバーや仲間たちに恵まれて、横浜を中心に音楽活動を始めました。少しずつライブに足を運んでくれるお客様も多くなり、充実した日々を送っていました。反面、故郷とは違った環境の中で「まだまだ自分は未熟だ」と痛感していました。

3年前の3月11日

 母の誕生日が3月11日で、故郷『石巻』に帰っていました。そのバースデーライブの為に前日に帰省し、当日は準備のため外出していたところで被災しました。母から電話で「山に逃げなさい」と言われて高台に向かっている途中、逃げた遅れた叔母から「(寝たきりの)お祖母ちゃんと居る。」と連絡が入り急いで迎えに行き、再び3人で日和山の高校へ避難しました。

 直後のことは、皆さんもニュースなどでご存知のとおりです。故郷に残り復興ボランティアをするのが良いのか本当に悩みました。家族を残して横浜に戻るのが不安でした。

 誰もが光の見えない闇の中でもがいていました。今、私にできることは何だろうと考えました。このまま石巻に残って作業をすべきか…いろいろ悩みました。いったん横浜に戻った時、チャリティイベントに声をかけられ、石巻の現状や被災体験をお話しする機会が増え、そういった活動も家族や故郷の「灯り」になるのであればと思い、横浜に戻る決心をしました。

ジャズ喫茶「ちぐさ」

 「ちぐさ」は1933年に故・吉田衛さんによって作られた日本最古のジャズ喫茶店と言われております。当時、高価で貴重な輸入レコードを聴ける店として有名でした。1994年に吉田さんがなくなり、その後は常連さんやジャズ音楽の愛好家たちの手で営業が続けられましたが、2007年1月31日に一度閉店しております。横浜市の「震災復興支援商店街空き店舗活用事業」の支援を受けて、場所を変え、野毛で再開することになりました。

 被災者雇用ということで私もここの従業員として働くことになりました。

 店内に流れる往年のJAZZシンガーのレコードを聴くようになって、こんな風に英語でJAZZを歌いたいと思うようになりました。 お客様もJAZZファンの方が多いので、お話の中からいろいろと学びました。そして、歌手としての「未熟さ」を改めて感じるようになりました。

ジャズ喫茶ちぐさのホームページ:http://noge-chigusa.com/

野毛JAZZとの出合い

 「ちぐさ」に隣接するJAZZピアノバーLYONのマスター津田龍一先生とは知人の紹介でお会いすることになりました。津田先生は多くの歌謡歌手を育てた経験の持ち主で、レッスンには厳しい反面、故郷から一人出てきた私にはやさしい「グランパ」的存在になりました。

 津田先生との約束で、1年間はレッスンと津田ファミリーのコンサートやライブで歌うことにしました。JAZZピアノバーLYONでは成果を発表するために不定期ですが火曜日にJAZZを歌っています。

 LYONのお客様の前ではJAZZを歌いますが、大好きな昭和歌謡曲の指導も受けております。声がハスキーなので、低い哀愁をおびた曲が似合うと言われます。いずれJAZZをしっかり英語で歌いたいと思って日々励んでいます。

JAZZピアノバーLYONのHP:http://pianobar-LYON.fukugi.com/
津田龍一:ヨコハマNOWの記事:http://yokohama-now.jp/home/?p=2596

3月16日のコンサート

 3月16日(日)午後5時半より、横浜美術館レクチャーホールで「ドリームコンサート」が開かれます。 ラテン風にアレンジしたJAZZバージョンの映画音楽のコンサートです。私も何曲か歌わせていただきます。


コンサートチラシを見る(PDF)

 セッションとは集まった音楽家が自分の仕事を100%やることだと思っています。有名とか無名とかで遠慮することなく、威張ることなく、お互いの才能を100%引き出すことに成功したら、そこに生まれる調和「ハーモニー」は素晴らしいものになるのだと信じています。ライブは生き物ですから・・・私は、歌手として自分の仕事を100%やることが、津田先生への恩返しだと思っています。

私にとって横浜とは

 震災の後、「生かされていること」を深く考えるようになりました。自分と向かい合うことも多くなりました。横浜に住んで3年、こちらで沢山の友人に恵まれ、心が折れそうな時には強い支えになってくれます。あたりまえのようで、あたりまえではない毎日に毎日、感謝しています。

 過去に一度、LYONへ遊びに来た両親も、すっかりJAZZピアニスト津田龍一先生のファンになりました。

 故郷から出てきた友人たちの多くが東京で暮らし、東京で働いていますが、私は横浜、野毛を選びました。

 最近、横浜の小学校などで震災のお話をする機会が増えました。依頼があれば、被災経験談のお話をする活動をしています。避難途中で戻り、また避難したという経験から「どうやったら助かるのか」を次の世代に伝えたいと思うようになりました。

 私にとって横浜は「いつでも還れる港」です。

 

(クリックで拡大画像)

歌手 今野朝美さん
歌手 今野朝美さん

インタビュー・文・チラシ製作:高野慈子

 

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