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2014年3月 三ツ池だより 「ほこりのもてた三月でありたい!」

by staff on 2014/3/10, 月曜日
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 二月の終わりの夕方の交差点で立ち止まっていると、コートの襟を少しつまみたくなった。陽が落ちてからすぐに薄く暗闇が襲い、急速に暗くなって、寒さを感じた。信号を渡って私はKALDIに入って、モカブレンドをペーパーフィルターように挽いてもらった。

 三月ってなぜに慌ただしいのかと考えてみた。国の会計年度が4月に始まり3月をもって終わるときめたのは明治19年1886年だった。それまでは藩ごとの取り決めで行われていた。明治政府が近代化に踏み込み暫時さまざまなことが西洋を見習って導入された。ちなみに入学式も西洋の教育が導入され、高等教育では9月が主流だったという。外人が教師で着任するのに9月がよかったということだ。小学校が4月入学と決められたのは明治33年1900年のこと。「桜が咲き、植物が芽吹く春は新しいことを始めることが、日本人の感覚とあって、3月が卒業式、4月入学式が日本独自の儀式として定着した。」114年前のことであった。

ちなみに世界の入学式は次の通りだ。

1月 シンガポール 1月末から2月初め オーストリア・ニュージーランド
3月 韓国 4月 日本 5月 タイ 6月 フィリピン
9月 アメリカ・イギリス・ベルギー・ロシア・中国

 4月の入学式が当たり前と思っていたが、全体的には4月ではないのだった。当然のこと3月が卒業式ではないことになる。

 卒業式というと「蛍の光」を思い出すのが私の年代である。小学唱歌は明治14年1881年制定されている。蛍の光はスコットランド民謡で、「オールド・ラング・サイン」という讃美歌として日本に入ってきていた。唱歌として歌詞を付けたものであったようだ。蛍雪の明かりをたよりに夜分勉強をするという考え方に自然になじんでいた。

 ところで、今年の年度末はなにかと慌ただしい。消費税の駆け込みなのかもしれない。

 期末の納品、新年度に向けての仕込みの事業などに追われている。例年になく、会議の質も求められている。

 「使う人が喜んで使ってもらえる状態を作っているか?」という課題である。

 使う人の目的があるはずである。仕様書に出てくる内容はもちろんクリアーにすることである。そこに至る段階で、例えば仕様書にどこまで盛り込まれているかを考える時がある。仕様書通りやりましたで済むわけではない。仕様書を書く人、仕事を請け負う方双方の思いがうまく一致することが望まれてくる。もちろんそこにコスト意識が必要なことは当然である。一方そこにおける価値とはなんだろうか。

 国家予算が空前の大きさになっている。国民の喜びに結びついているのだろうか。国家を預かる者は本気で議論しているのだろうか。大きくなった要因をなにがどれだけで、将来どうなるということを見通しての予算なのだろうか?

 春の句を見てみよう。

山路来て何やらゆかしすみれ草
松尾芭蕉
春泥に押しあひながら来る娘
高野素十
たんぽぽや日はいつまでも大空に
中村汀女
若あゆの二手になりてのぼりけり
正岡子規

 この子規の句の中に夢を感じている姿が見られる。正岡子規がこのなかで自分が若鮎だと思っているわけではないのだと思う。仲間がいや日本が当時動いているそのことに、これからの日本に託された夢を希望として表現していると思う。

 今日本は高齢化の時代に入っている。高齢者が自立できる仕組み、それは昔の隣組であるはずである。町内会館がもっと見直されていい。長い間町内会館は行政の補完の役割を果たしてきた。時には町内の顔役の人に頼ってきた。それだけでいいのか。町内会館、地区センター、などが連携する動きはないのだろうか。自立とは何かの役立ちに身をおくこと。その交流の接点がそれらの場になること。

 中小企業であればなにかの会に入ることもあるが、産業振興会館の広場に相談コーナーや交流の場があるといったこと。目的があって訪問する場所がわかる人もいるが、行ってみると自然に自分の求めているコーナーにいけて、話を聞いてもらえた。そんな場があったらいい。

 喜びのなかで仕事をしていたい。仕事をしていることで生きてきた自分の歩みに誇りが持てた。そんなことも考えながら新しい年度にむけての3月でありたいと願っている。

 

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(文・写真:横須賀 健治)

横須賀 健治プロフィール

メジャーテックツルミ 代表取締役
はかることのプロとして50年です。
食品の放射能測定のアークメジャーを設立しました。
「計量から見える幸せ」をライフワークにしています。

 

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