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ひさかたの 光のどけき春の日に しず心なく 花の散るらむ

by staff on 2014/4/10, 木曜日

♪ひさかたの 光のどけき春の日に しず心なく 花の散るらむ♪


絵・千絵崇石
 

 読み人:紀 友則(きの とものり)

 現代語訳・・・時が止まっているような、麗らかな春の光の中で、ひたすら舞い散る桜よ・・君は何故にそんなに散り急いでいるのか。

 とても静かな春の日に狂気とも思えるような桜の乱舞のVISIONが目に浮かびます。

 昨年の秋あたりから、この紀友則さんの歌が私の心の中で響いていました。ふっとした時に、お掃除しているときや、散歩がてらの買い物にゆく道すがら、この歌が心によぎるのです。そろそろメロディを付ける時が来ているのだな・・と思っていました、いつも新しいメロディができるときは心の中で言葉が先に響き始めます。でもこの歌は国語の教科書にも載っているような百人一首を代表するような一首なので、プレッシャーがあって・・・。 今年になってメロディが湧いてきて・・・最近やっと曲になりました。

 30代の頃、住んでいた家の近くに由緒正しい古いお寺があり、桜の大木が境内を囲む様に立っていました。ある雨上がりの春の日散歩に出ると、ちょうど桜が満開だったのにも関わらず、まだちょっと肌寒くて境内には誰もいません。

 静かな春の日差しの中で 雨に濡れた重みで桜がひらひらと散っていました。大きな桜の木の真下に立って舞い落ちてくる桜を眺めていたのを思い出します。桜はくるくると回りながら落ちて着ます。非日常としか形容できない不思議な時空間の中でシャワーを浴びるように頭上から降り注ぐ桜の散りざまを見つめていました。美しくて儚いひと時でした。くるくると回りながら散る桜。地球の自転と同じ右回りだったと思います。

 オーストラリアやニュージーランドなど南半球で咲く桜はやはり反対回りに回りながら散るのでしょうか。

 さて紀友則さんは、先月号の紀貫之さんとはいどこ同士。貫之さんよりもだいぶ年上で、古今和歌集では選者の筆頭に名前を書かれていましたが、残念です。完成する前に亡くなってしまいました。出世が遅くてご自分を花の咲かない木だと嘆いていたというのは有名な話です。ある秋の歌会で「初雁」をテーマに皆が歌を披露していました。友則さんもご自分の番になり詠み始めました。

 ♪春霞 かすみて往にし 雁がねは 今ぞ鳴くなる 秋霧の上に♪
現代語訳・・はるがすみに霞んで飛び去った雁が今また鳴くのが聞こえる・秋霧の上で。

 友則さんがはじめの句「はるがすみ~!」と歌い始めると、聞いていた人たちは季節が間違っていることでどっと笑いました。でもその後の句で 「あきぎりのうえに~!」で終わった時にその歌の展開の絶妙さに感嘆して皆 言葉もなかったということです。この歌会を境に、彼の出世の道は開けましたと さ。めでたし めでたし。

(早苗ネネ♪)

 

早苗ネネさん LIVE情報

日時:4月11日(金) 18:30~
場所:シャンパーニュ(東京都新宿区新宿 1-34-11-B1)
HP:http://www.champagne-live.com/

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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