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体の穴。ふさぐのもTPOに合わせてみようか

by staff on 2010/7/10, 土曜日
 

 ふと気づくと、電車の中で音楽聴いてる人、多いよね。うちの子供なんか家を出るときから「耳栓」している。僕は、外を歩いてるときに耳がイヤホンでふさがれているのが、ちょっと嫌な感じなんだよな。だから実は、この手のポータブルプレーヤーは、カセットテープの時代から持ったことがない。外の音が聞こえないっていうことは、外界と遮断されちゃうってことでしょう。それだけ自分の世界に入れるんだろうけどさ。どこにいても個人主義を持ち運べるから、「公共」と「私」の境目がなくなる。

 ハイブリッドカーも、車がすぐそこに来ていることに気づかないくらい静か過ぎて、危険だ!ってことが話題になったよね。それで敢えて音が出るような対策をとるらしい。エコカーは環境に優しいだけじゃなくて、人にだって優しくなければいけないんだと思うし、ハンドルを握る人次第で、優しいか否かも左右される。「環境にも人にも優しい」を産み出すのは、車じゃない・・・運転者になった僕たちだよな。

 テクノロジーがどんどん発達して便利な世の中になっていく、それは全然悪いことじゃないんだけど、他者への優しさとか配慮が失われていってやしないか?ってことをたまに考えちゃうんだよ。なんていうか、昔は暗黙のうちにお互い思いやってうまくできていたことが、できなくなってきてるんだよね。街の中の人の流れも、そう。
皆が音楽を聴きながら歩いてるから周りの音は聞こえない。混雑した場所でもケータイ画面を操作していて周りを見る余裕がない。ベビーカーを電車内で折りたたまなくてよくなったので、お母さんたちは赤ちゃんを連れてどこへでも出かける。自転車は増えたけど専用道がないから、人をよけながら歩道を走る。車を運転しながら街の様子を見ていて、時々ハラハラするよ。皆が「自分にとってのエコ」を実践していても、「街全体としてのエコ」になっていない。技術的には進んでいる日本だけど、精神的にはまだ未熟なのかもしれないね。パーツパーツじゃなくて、包括的に考える必要があるんだよ。

 それとさ、近代化が進むと、生活の音とか匂いがどんどん消されていくよね。車や音楽プレーヤーだけじゃないよ。例えば夕暮れ時に近所の台所から、とんとん、コトコトなんて音が昔は聞こえてたもんだ。その音と匂いから、ああ、ここん家の晩飯は今日は○○だな、なんてわかったりしてね。もちろん世の中いい音、いい匂いばっかりじゃないけどさ、そういうものに日々触れてることで、センサーっていうか、「これは危険だ」「これは大丈夫だ」ってな判断ができていた。音が聞こえない、匂いがしない状態っていうのは、人間のホルモンバランスを崩して、五感を鈍らせていっちゃうんじゃないかなあ。

 

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ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
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横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
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