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第10回 「死ぬ前に語られる後悔」から思う事

by staff on 2014/6/10, 火曜日

 

ナースが聞いた「死ぬ前に語られる後悔」トップ5

先日面白い記事がFacebookなどにアップされていた。ご覧になった方も多いかもしれない。
「ナースが聞いた“死ぬ前に語られる後悔”トップ5」というものだ。

http://youpouch.com/2012/02/06/53534/

オーストラリアでの記事なので、関係ないかなと思ったが、見てみるとその内容は興味深かった。

  1. 「自分自身に忠実に生きれば良かった」
  2. 「あんなに一生懸命働かなくても良かった」
  3. 「もっと自分の気持ちを表す勇気を持てば良かった」
  4. 「友人関係を続けていれば良かった」
  5. 「自分をもっと幸せにしてあげればよかった」

あの自然豊かで大らかに生きているように思えるオーストラリアの人でも、私たち日本人が共感できる後悔を抱えていたのかと驚いた。

もし、やりたい事をやろうとしていたら・・・

上記は、自分に正直でなかったことへの後悔、言い換えれば、自分がやりたいと思う事があったのに、やってこなかった、しかも死ぬ間際まで結局ずーっとやってこなかった事への後悔とも言えると思う。
もし、自分のやりたい事を実現しようとトライだけでもしていたら、それがたとえ道半ばだったとしても、上記のような後悔は抱かないだろうと思えるからだ。

大げさな例えになってしまうが、道半ばで倒れた幕末の志士達。自らの信念に従い、やりたい事の実現にむけて動いた典型ともいえる。死ぬ間際に自らの人生を振り返って、愉快と称したり、1点の曇りもないと言い放ってみせる若者達がいたことは有名だ。
勝手な想像ではあるが、「自分に忠実に生きていれば」とか、「一生懸命働かなくても・・」とか、「自分をもっと幸せにしていれば」などの後悔は、彼らは決してしなかったと思う。

後悔とは

しかし私たちは幕末の志士ではない。彼らのように自分のやりたい事ばかりできるか! とも思う。
誰かに迷惑をかけてはいけないし、お金や時間も十分にはない。家族のため、会社のため、自分を律してやらなくてはならない事はわんさかあるし、立場だってある。周りを見回せば、自分の行動を制約する要素だらけだ。そう簡単に、自分のやりたい事をできる環境ではないと主張したくなる。

しかし、それもこれも所詮言い訳だ、という事に気づく。

なぜなら “後悔” とは、やろうと思えばできたのに、自分でやらなかった事に対して抱く感情だ。逆立ちしてもできない事には、人は “後悔” しない。
つまり、どんなに言い訳を並べても、後悔しているという事は、結局、やれたのに自分がやらなかったという事を、自分自身が認めているという事になる。
元気に生きている間は、できない理由を並べ、できない事を必死に論理的に正当化しても、結局死ぬ間際には、それは言い訳だったと自ら認めるという事だ。
そこが面白くもあり、そして哀しく切なくもある。

実は誰にでもできる事

どうせ、死ぬ前にやりたい事をやっておけば良かったと後悔するのなら、やりたい事の実現に向けて、少なくとも努力はしてみようと私は思った。
そして、少しハードルを下げて、死ぬまでにやり遂げられるかは重要ではないという事にしてみようと思う。道半ばで息絶えてもそれはしかたない。大切なのは、自分に正直に向き合って、やりたい事を、今、できる範囲で“やろうとしているか”という事なのだ。
つまり、どんな環境にあっても、せめて、自分のつま先だけは、いつでも自分のやりたい事に向いているよう努力することが大切なのだと思うのだ。
向かい風が強い時は、そこに留まり、風が弱まったら一歩ずつ歩みを進めれば良い。
難しい事ではない。
このくらいの事は、誰にでもできる事だ。

自分に向き合うことの先にあるもの

これを機会に、 “自分は何をしたいのか” 、という事を考えてみた。
忙しい生活の中、意外と自分にきちんと向き合う機会を持つ事は、日常ではあまりしないのではないだろうか。
是非一度、自分と向き合って考えてみてほしい。
時間をかける必要はない。通勤電車の中、ランチタイム中、トイレ中、細切れの時間を上手く使う事で十分だ。むしろその方が凝縮できて良いかもしれない。
余談だが、夜寝る前はお薦めしない。ある番組で、寝る前に寝床で将来の事を考えると、ポジティブ思考の人は、気持ちが高揚して寝られなくなり、ネガティブ思考の人は、将来への不安が先行して、これまた寝られなくなると紹介していた。
ちょっと面白い。

話をもとに戻そう。
「自分は死ぬまでに何をしたいのか」「これをしないときっと後悔するという事は何か」突拍子もない事ではなく、やろうと思えば、がんばれば、いつかはできるというものを考えてみる。
「●●を食べたい」「どこどこへ行きたい」という事でもいい。いやいやそういう事ではなくて、「●●に貢献したい」「●●をよくしたい」というものでも良いだろう。人それぞれの価値観で、自分自身の心の声を聞いてもらいたい。
そして、それを実現するためにはどうするかを考えて、一歩でも二歩でも進む努力をする。すると、その先には、まさに自分を大切にした、今よりも豊かな人生が待っているように思える。

自分のやりたい事に向き合う事のすすめ

前回、一人暮らしの父が倒れ、私の生活が一変した事を書かせてもらった。近い将来、父の住む近隣に住まいを移す事も計画しており、私の住まう環境も、経済的な環境も、はっきり言って、現在はかなり不安定な状況だ。
しかしこんな状態でも、自分のやりたい事へつま先を向けられるよう、環境を自分なりに整えようと奮闘している。実は引っ越しも、私のやりたい事へ前進するための環境整備の一環だ。(具体的なドタバタ奮闘記は、また機会があればいつかお伝えしたい)。
“自分のやりたい事に近づくために、現状問題の打開策は・・・” と考えると、不思議と悲観的にもならず、冷静に、前向きに対策を検討できるようだ。これはお薦めできる。

自分を大切にする事、自分のやりたい事に真剣に向き合い続ける事、それが死ぬ間際に前述したような後悔を生まない、より豊かな人生をおくるキーワードだと、今はそう確信している。それが正解かどうかは、死ぬ直前までわからないが、死ぬ間際、私はどんな後悔を抱くのか、今から少し楽しみですらある。

今回Facebookにアップされた記事は、 “後悔” という、極めて後ろ向きな言葉がテーマであったが、私に超前向きな気づきをくれた。大感謝だ。

プロフィール

ペンネーム: 津木 雫(つぎ しずく)
オヤジ・オバチャン・オトメのO3マインドを持つ、なんちゃってコラムニスト。
約20年間メーカー勤務。広報・マーケティングを経て、現在フリーランス。
典型的な仕事人間という生活を過ごし、はたと気がつけば人生の折り返し地点。「さぁどうする!」と我が道を振り返っている真最中。
学生時代に、約15カ国を貧乏旅行。
その経験から、今の若者が育つ環境には、問題を自らの力で乗り越える体験が不足していると、感じている。若者教育関連のNPOを立ち上げ、神奈川を中心に現在活動展開中。

 

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