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ヨコハマ・ディスコグラフィティー 第30回 第6章 社会人編 2

by staff on 2014/12/10, 水曜日


 
 

 

HEART&SOUL代表 原 正行

1958(昭和33)年9月7日横浜生まれ、12歳よりギターをはじめ17歳からミュージシャンとして活動。39歳の時に念願だったライブハウスを開業、現在は関内駅北口駅前に60年代から80年代の洋楽ヒット曲を演奏するライブハウス、ハート&ソウルの経営者。他にもミュージシャンとして演奏活動、作曲、プロデュース等、幅広く活動している。

 

横浜、街と風(社会人編) 16(31)

深夜の仕事

この頃又深夜の仕事が入りました。横浜スタジアム(当時はまだ平和球場)の線路を隔てた所に家庭裁判所がありその後ろにはラブホテルひしめくいかがわしい場所あって、そのお店はそのど真ん中にありました。深海魚というそのお店は、深夜12時から朝6時まで水商売のアフター狙いのお店。入口で靴を脱いで上がる当時流行っていたジュウタンパブという奴で、ふかふかの真っ青なジュウタンを敷き詰めた8畳間くらいの狭いスペース。天井いっぱい白い網が垂れ下がりガラスの浮きやらぶら下がっていて、まるで海の中のような作り。ぐるっと周りを囲むように客席が置かれ、その前で男の従業員がビシッとしたスーツを着て接客をしたり、時には衣装を着替えて歌ったり踊ったり、時には脱いじゃたり、セミホストクラブというか、ショーパブのハシリみたいな店でした。狭い店なのでアットホーム、音楽はギターの弾き語り二人が交代交代に演奏休みなく演奏しました。もうひとりの先輩はベテランのKさん。体はでかいけどとても優しい人で、お喋りが上手で接客も出来るので超人気物でした。私は華やかなこの人のステージの後にひっそりやっている感じでした。この人には色々なことを教わりました。まずお店に入ったらその時いるお客様全員に挨拶して回ったほうがいいよとか。。。これはこのあともお店をやるときに役立ちました。今でも全てのお客様に挨拶して回るのはこの時の教えを実践しているからです。又、Kさんは我々後輩や年下に対して決して上目線では言わないので素直に聞くことができました。これも中々できない事です。この時Kさんが言ってくれたことは今でも覚えています。「原ちゃんは新しい曲とかギター一本で何でもやっちゃうね。俺たちにはできないよ。いずれこんな商売もなくなっていくんだろうけど、きっとその内原ちゃん達の時代が来るよ」 とてもありがたい言葉で駆け出しの自分には励みになりました。そんなKさんともその店をやめてからそれっきりになってしまいました。今会えたらお礼を言いたいです。

ヒゲのママ

初めて深海魚に行った日驚いたのは、経営者のママは今豚バコにいると聞きました。ママと言ってもおカマさんで、何でも女と偽って男と寝たら途中で○○ついているのに気がついた男が訴えたという事で、これが詐欺になるかどうかで当時話題になり、テレビの人気報道番組だったウイークエンダー(“新聞によりますとー”の名文句で有名)にも取り上げられたそうです。やがて無罪放免で現れた夏子ママ(仮名)。アラブ系の濃い顔に立派はおヒゲ、でも言葉はしっかりオネェ言葉でした。

この人が接客すると一人で5組くらいの客をいっぺんに相手にできます。その話術は半端でなく、こんなすごい人は初めて見ました。彼女を訪ねて東京からオネエ系の有名芸能人や有名人、財界人や果てはヤクザの親分さんまで、ものすごい人脈を持っていましたが、自分のことはあまり語りませんでした。ママは“ハラコ”と私を呼び可愛がってくれました(変な意味ではありません)。又、ママは遊ぶのが大好きで、夏は海、5月になると肌を焼きに海辺に行きます。この頃が一番綺麗に焼けるのよと! 冬はスキー! スキーは2回ほど連れてってもらいました。初めて行ったゲレンデに興奮し、一日中滑って練習したら疲れて寝てしまい起こされるとお風呂が最後の順番。二人ひと組で入るのが残っていたのがママと自分だけ。とうとうおカマさんと二人で入るハメに。なんとかどうなっているのか見てやろうと思ってましたが巧みに見せてくれません。しかし仕草がなんとも色っぽくてへたな女より女っぽいと思いました。又、ママはファッションがずば抜けていて、よくこの服にはこういう色のズボンを合わせなきゃダメよとか教えてもらいました。時間が長くて辛い仕事でしたが大好きなスタッフたちでした。

ビブラート

この頃、やはり歌の上手い人たちを見るに付け自分の歌にもビブラートをかける必要性を感じて来るようになりました。どうやったらビブラートがかけられるようになるのか?

ビブラートは、まっすぐ「あーー」と伸ばした声を震わすというか波のように揺らすテクニックです。これが出来るとソロの歌が一段と上手く聞こえ表現力が増します。

自分なりの解釈ですが、、、種類にもいくつかあって波の幅が大きいものと小さいものがあります。

大きいものから説明すると、「あーー」と声を出したのが一本の線だとすると上にゆれるのが大きいほど演歌っぽくなります。更に上に揺れると民謡っぽくなります。(細川たかし、村田英雄とか、、、)

下に揺れるのはポップス系が多いですが、前川清などもこれ。他にも沢田研二とかもこれかもしれません。因みに黒人のシンガーの下揺れ系が多い様です。逆に揺れの幅が小さく細かいビブラートはアメリカンポップスやコーラスを長くやってた人に多く、エルビスプレスリーなどに代表されますが、縮緬ビブラートと呼ばれました(昔の歌謡界では縮緬ビブラートは馬鹿にされる傾向がありましたが、今は山下達郎などに代表されるようにメジャーの人にもたくさん見られます)。

まずビブラートがまったくかけられなかった自分が試してみたのは沢田研二の真似をして更に揺れ幅をもっと大きくしてわざと揺らしてみる事でした。

これはなれるとできるようになるのですが、どうも演歌チックになります。

そこで今度は踵を上げ「あーー」と声を伸ばし上下に体を揺らす事です。すると、なんとビブラートがかかるではありませんか。これを毎日続けていたら一ヶ月後位にビブラートがかけられるようになりました。

HEART&SOUL代表 原 正行)

 

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