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横浜宝石物語(第3回) 創業者の祖父(祖父との思い出)

by staff on 2015/1/10, 土曜日

横濱宝石美術館エメラ 代表 大島貴子
横濱宝石美術館エメラ
代表 大島貴子

 

横濱宝石美術館エメラ 代表 大島貴子

PROLOGUE 連載に寄せて

私は横浜でおそらく一番古い宝石商の三代目です。

創業者の祖父、二代目の父、三代目の私とそれぞれの時代で宝石商としての形態は違っていますが、良い宝石を選び、作りの良いジュエリーを製作して、ご提供するということについては、3人とも拘ってやってきたと思います。

祖父が宝石の製造メーカーとして地位を築き、父が小売店として皆様に愛されたからこそ、今、私が宝石商としてやっていられますので、いつか祖父のこと、父のことを書いてみたいと思っていました。

この度、横浜宝石物語の連載のお話を頂きましたので、念願が叶い、とても嬉しいです。横浜の歴史も交えながら、祖父、父、私の宝石物語を綴っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

宝石商の三代目

私は現在、横浜の馬車道で「横濱宝石美術館エメラ」という宝石店をしております。

横浜の景色や思い出をジュエリーにした「横浜ジュエリー」などオリジナルジュエリーの製作と販売、デザイナーやアーティストの作品の展示販売、お客様のご要望をかたちにするリフォームやオーダージュエリーのご注文を承っています。

私の宝石商のルーツである創業者の祖父のことからお話しさせて頂きたいと思います。

祖父を語る(その3)

私は祖父にとって初孫でしたが、当時は男でないと跡継ぎにはできないという時代だったので、私が生まれて、女だとわかると祖父はとてもガッカリしたようです。
ですが、祖父には可愛がってもらいました。私が3才の時にダイヤモンド地下街の店をオープンしたのですが、店に遊びに行くと必ず、果物屋さんに連れて行ってくれて、私の好きな果物を買ってくれたことをとてもよく覚えています。

また、父の姉を幼い頃に亡くしていて、女の子が欲しかった祖母がとても私を可愛がってくれたので、小さい頃から同い年の従姉妹と祖父母と4人で旅行に行くのが毎年の恒例行事になっていました。

写真は伊豆に旅行に行った時のもので、右側の落ち着きがないのが私です。(笑)

祖父は戦前から、海外から輸入された宝石を日本の業者に卸したり、宝飾加工の仕事をしていましたので、たくさんの宝石を見てきたと思います。
その祖父が昭和40年代の初め、香港の業者が持っていた赤いスター(星)が出るスタールビーに一目惚れし、初孫の私の誕生石がルビーだという事で、私の為に買うと言って仕入れたのが、写真のスタールビーのリングです。

スタールビーは赤い石の中に白いスターが出る物が一般的ですが、ビルマ(ミャンマー)産のこのスタールビーは赤いスターが出る珍しい物なのです。
幼い私が店に遊びに行くと祖父は必ず、スタールビーの飾ってあるウィンドーまで私を連れて行き、「あのスタールビーは貴子の物なんだよ。」と話すのです。
私もだんだんと大きくなり、「私の物と言いながら、なぜ、店のショーウィンドーに値札がついて飾ってあるのか? 売れてしまったらどうするのか?」と父を問い詰め、困った父が祖父に話して店から買い取る事になりましたが、ずっと母が大事にしまってくれていました。
その後、私が本格的に店の仕事をするようになり、母からスタールビーのリングを渡された時は認められたようで嬉しかったです。
それからはずっとお守りとしてスタールビーのリングを身に付けています。
このリングを見る度に亡くなった祖父の事を思い出します。
祖父は私が高校に入った年の夏に76才で亡くなりました。
夏の暑い日に、祖父はたくさんの方に見送って頂きました。
祖父は明治の男でかなり好き勝手に生きてきたようで、祖母はとても苦労したそうです。
葬儀に参列して下さった昔から祖父のことを知っている問屋さんが父に「あなたのお父さんは幸せな人生だったね。」と仰って下さったそうです。

 

(クリックで拡大画像)

エメラ店舗
エメラ店舗

ロゴマーク
ロゴマーク

祖父と夏休み
祖父と夏休み

スタールビー
スタールビー

ジュエリーコマ「日の丸」
ジュエリーコマ「日の丸」

(写真提供:大島貴子)

年賀状
年賀状(クリックで拡大画像)

横濱宝石美術館エメラ 代表 大島貴子)

 

横濱宝石美術館エメラ
〒231-0011 横浜市中区太田町5-61 馬車道商栄ビル1階
TEL.045-681-0603 FAX.045-228-9828
Websie http://emera-yokohama.jp/

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