横浜宝石物語(第8回) 二代目の父(海外編)
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横濱宝石美術館エメラ 代表 大島貴子 PROLOGUE 連載に寄せて私は横浜でおそらく一番古い宝石商の三代目です。 創業者の祖父、二代目の父、三代目の私とそれぞれの時代で宝石商としての形態は違っていますが、良い宝石を選び、作りの良いジュエリーを製作して、ご提供するということについては、3人とも拘ってやってきたと思います。 祖父が宝石の製造メーカーとして地位を築き、父が小売店として皆様に愛されたからこそ、今、私が宝石商としてやっていられますので、いつか祖父のこと、父のことを書いてみたいと思っていました。 |
この度、横浜宝石物語の連載のお話を頂きましたので、念願が叶い、とても嬉しいです。横浜の歴史も交えながら、祖父、父、私の宝石物語を綴っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。 宝石商の三代目私は現在、横浜の馬車道で「横濱宝石美術館エメラ」という宝石店をしております。 横浜の景色や思い出をジュエリーにした「横浜ジュエリー」などオリジナルジュエリーの製作と販売、デザイナーやアーティストの作品の展示販売、お客様のご要望をかたちにするリフォームやオーダージュエリーのご注文を承っています。 私の宝石商のルーツである創業者の祖父のことからお話しさせて頂きたいと思います。 二代目の父(海外編)父は1970年代初めからタイ、スリランカ、ブラジル、コロンビア、アフリカ、オーストラリアなどの海外の宝石鉱山にまで行き、沢山の取引先を開拓しました。 最初は宝石学者の近山晶先生と宝石学の勉強を兼ねてタイの宝石鉱山に視察に行ったのがきっかけだったそうです。 ブラジルではダイヤモンド鉱山を発掘する為に資金を出しました。 南米のアマゾンではマラリアにかかって死にそうになり、それから父は宝石鉱山に行かなくなりました。 香港は中間貿易の拠点で、石の研磨やジュエリーの加工も盛んだったので、宝石鉱山に行く前から父はよく行っていました。 香港、タイ、スリランカの取引先の方たちとは40年近く、家族ぐるみのお付き合いをさせて頂いています。 スリランカやタイに行くと朝、ホテルに取引先の人が迎えに来て、夕方、ホテルに送り届けてくれるまで、宝石のブローカーが持ってくる宝石をずっと見るのです。 バブルの頃は多店舗化していて、9店舗あったので、ジュエリーをタイの宝石工場で作らせたりもしていました。 父は海外の宝石展示会にもよく行きましたが、中でも私が27歳の時にスイスのバーゼルフェアという一番大きな宝石の国際展示会に一緒に行った時は「やはりヨーロッパのデサインは違う」と二人でとても感激しました。 1990年代に入ってバブルが弾けると、宝石の需要も減りましたし、海外の取引先の方が日本に来てくれるようになり、海外に行くことは少なくなりました。 父は今年85才になりますが、ダイヤモンド鉱山の夢を見たブラジルにもう一度行ってみたいのだそうです。 |
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(写真提供:大島貴子) |
(横濱宝石美術館エメラ 代表 大島貴子)
横濱宝石美術館エメラ
〒231-0011 横浜市中区太田町5-61 馬車道商栄ビル1階
TEL.045-681-0603 FAX.045-228-9828
Websie http://emera-yokohama.jp/
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