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第2回 誰でも使えるプロジェクト・マネジメント

by staff on 2015/7/10, 金曜日

関 淑子、付加価値技術研究所代表、MBA
Project Management Specialist, カリフォルニア州建築総合請負業者

1.1  調査

開始ではまずプロジェクトの発注者がプロジェクトに何を求めているのかを調べる必要があります。顧客や上司など発注者がプロジェクトの遂行者と異なる場合もありますし、発注者と遂行者が同じ場合もありますが、どの場合でもプロジェクトに対する「要求」を「定義」することから始まります。

1.1.1  要求定義

  • 何を創るのか?
  • どんな方法で創るのか?
  • 誰がやるのか?
  • 何時までに完成させるのか?
  • 予算は幾らか?

1.1.1.1  目的決定

「要求定義」を行うためには以下のことを明確にする必要があります:

  • プロジェクトの目的と目標
  • 何を実現するのか

1.1.2  現状把握

「要求」が「定義」されても、実現するために必要な時間や能力をプロジェクトの遂行者が本当に持っているでしょうか?特に全く新しい製品やサービスを開発するためには、新技術やノウハウが必要になるかも知れません。又、過去に似たようなプロジェクトを行った経験があっても、個々のプロジェクトは全て条件が異なりますから、調査が必須です。

1.1.2.1  情報収集

どんな技術やノウハウが必要なのでしょうか?それを持っている人材は社内にいるでしょうか?
いない場合には何処で見つかるでしょうか?
必要な技術やノウハウを買うことはできるでしょうか? そのコストは?
代替技術はあるでしょうか? そのコストは?
新技術を開発する必要がある場合、開発にかかる時間やコストは?
情報収集にかかる時間と経費を惜しむと、後で大きなツケが回ってくる可能性もあります。

1.2  優先度

「現状把握」した後で「要求定義」を見直して、重要度に応じて要求項目に優先度をつけましょう。

1.2.1  重要度の判定

発注者にとって一番重要なことは何でしょうか?時間?お金?機能?デザインの斬新さ?発注者の視点で考えることが大切です。

1.2.2  優先項目の決定

A. 絶対に達成するべき項目
B. なるべく達成するべき項目
C. できれば達成したい項目

2. プロジェクトを計画する

開始カテゴリーで明確になった目的と目標を達成するために、プロジェクトの遂行計画を立てます。従来の「段取り」と比較してPMの計画はかなり綿密であり、ここに十分な時間をかけて下さい。

1) 計画カテゴリーの項目


図4 計画カテゴリーの作業構造

2) 詳細な計画立案の利点:

  • プロジェクトの範囲が明確になる
  • どんな資源が必要か予想できる
      ・余裕を持って必要な資源を入手できる
  • 前提条件が明確になる
  • どんな問題があるか予想できる
      ・問題を理解する時間が取れる

2.1  範囲(スコープ)

開始カテゴリーで明確になった目的と目標を達成するためには、プロジェクトの「使命」と「成果
物」を具体的に明らかにする必要があります。

2.1.1  使命(ミッション)

プロジェクトの「使命」とは、決められた期間内に、決められた方法で、決められた予算で、決められた品質の製品やサービスを完成し、発注者に引き渡すことです。

2.1.2  成果物

プロジェクトの成果として製品やサービスを完成させるため、その製品やサービスを「成果物」とも呼びます。
注:特に重要なことは、プロジェクトの範囲を明確にすることです。プロジェクトの契約には何が入っていて、何が入っていないのかを最初に決めておかないと、後でもめる原因になります。

表1 プロジェクト・スコープ管理表

*プロジェクト・スコープ管理表
プロジェクトの「使命」をどう達成してどんな「成果物」を完成させるのかを具体的に示す表が表1プロジェクト・スコープ管理表です。

2.2  資源(リソース)

範囲(スコープ)を明確にすると必要な資源も明確になります。是非、必要な資源を最初に揃えて下さい。資源はプロジェクトの内容や社会経済環境によって必要なものが異なりますから、プロジェクトに合わせて表2資源リストの項目を変えて下さい。

表2 資源リスト

2.3  前提/制約条件

残業や著作権、各種の資格要件などに厳しい環境になっているため、せっかく準備した資源を使うことができるかどうか明確にして下さい。法律および各種の規則はプロジェクトの遂行を阻害しないことを確認しましょう。表3前提条件リストが役立ちます。
環境の変化で、最初の約束と変わってきてしまう可能性があるので、口約束だけでなく文書で確認したり、定期的に確認する必要があります。

表3 前提条件リスト

 

関 淑子さん プロフィール

   

関 淑子
付加価値技術研究所代表、MBA
Project Management Specialist
事業継続初級管理者
カリフォルニア州建築総合請負業者

 

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