横浜スケッチ(第4回) ランドマークタワーに魅せられて
ペンネーム 成見 淳
私が趣味として絵を描き始め夢中でスケッチをしていた頃と、建設中のランドマークタワーが見るたびに高くなって行くのと同じ頃だった。(1990年3月20日に着工、1993年7月16日に開業。)
とても紙面には載せられないデッサンの滅茶苦茶な、大岡川から見た建設初期の絵、大桟橋から描いた絵、停泊している巡視船の前の岸壁から赤レンガ越しに描いた絵などなど。モノクロの鉛筆画や水彩画だったり30号の油絵だったり、ランドマークタワー(以下LMTと省略)が主役だったり背景だったり、時期も場所も大きさも表現手段もさまざまだった。
掲載の絵はLMTの建設が進むのに合わせて、自分のスケッチも徐々に進歩して来た頃のもので、建設中のLMTを眺める度に『どんな建物になるのだろう?』『どんな風景になるのだろう?』と期待を膨らませていた。
でも描いている時はそんな余裕はない。夢中になって頭の中のキャンバスは真白。いきなり「ポワーン! ポワーン!」という大きな警笛にびっくりして我に帰る。小型の巡視船が港に帰って来たのに全く気付かなかった。時計をみるとそろそろ夕刻。急に現実に戻って帰り支度を始める。
そんなLMTのフォルムに、そんな横浜の風景に魅せられていた。
連載を期に6月初めに横浜スケッチの会に入り、『そろそろNOWな横浜を描こう!』『で、何を?』とずっと考えながら、半月程経った頃頃桜木町駅から万国橋に向かって歩いている途中、旧生糸検査所(現横浜第二合同庁舎)を過ぎた所で『はっ!』と思って立ち止まり、描いたのがこの絵。建物の間から飛び込んで来たのはやっぱりランドマークタワーだった。かれこれ25年近く経っていた。
しかし、いざ描き始めたもののどうもしっくりこない。『なぜだろう?』『なぜだろう?』と自問自答を繰り返し、ほぼ同じような構図で少しずつ位置や目線を変えて数枚描いた。
ランドマークタワー。一体あなたは男なの女なの?
昼間、少し足を開いて立っている凛々しい姿は男のようでもあるし。
日が落ちて、夕闇の中に浮かぶ優雅なシルエットはロングスカートをまとった女性のようでもあるし。
(ずっとそう思っていたら、原稿締め切り近くなって、どことなく成田亨のウルトラマンのような気がした。さしずめ「ハマのウルトラマン」か?)
描けば描くほど難しい。これから一体何度描くことになるのだろう。
夏らしいスケッチを追加。
2015年7月20日(海の日)、急いで昼食を済ませて総帆展帆(そうはんてんぱん)と満船飾(まんせんしょく)の重なった「日本丸」を描きに出かけた。
http://www.nippon-maru.or.jp/nipponmaru/saildrill.html
20年近いブランクを経て再び絵筆を取ることになり、また5月より思いがけずヨコハマNOWにスケッチを連載させていただき定年後の楽しみがまた増えました。そんな折、人生をキャンバス見立てた詞がふと浮かび、それにメロディーを付け作曲してみました。題して「人生はキャンバス」。末尾のホームページに掲載しました。
筆者紹介
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ヨコハマNOW 動画
新横浜公園ランニングパークの紹介動画 | ||
ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。 |
横浜中華街 市場通りの夕景 | ||
横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。 |
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