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ヨコハマ・ディスコグラフィティー 第39回 第6章 社会人編 11

by staff on 2015/9/10, 木曜日


 
 

 

HEART&SOUL代表 原 正行

1958(昭和33)年9月7日横浜生まれ、12歳よりギターをはじめ17歳からミュージシャンとして活動。39歳の時に念願だったライブハウスを開業、現在は関内駅北口駅前に60年代から80年代の洋楽ヒット曲を演奏するライブハウス、ハート&ソウルの経営者。他にもミュージシャンとして演奏活動、作曲、プロデュース等、幅広く活動している。

 

横浜、街と風(社会人編) 25(40)

インストラクター

横浜から3時間位かけて西伊豆の中程にある海まで行くと、水中は綺麗で15メートル位見渡せる時もあります。初めて自分で行ったダイビングは、初心者二人で行なった大瀬崎でのボートダイビング。10メートル位の深さのところへ船から後ろ向きにドボン! うっかりジャケットに空気を入れて置くのを忘れてしまっていたので、一旦浮き上がるはずがみるみる沈んでいきます。慌ててパニックになっている所をガイドが助けてくれました。初回からこんな調子でしたが、慣れてくるに連れ落ち着いてくると、水の中がじっくり観察できるようになりました。水の中で長時間空気が吸える不思議な感覚。魚やイソバナなどのソフト珊瑚の美しさ。バブル時のブーム前だったので海も荒らされてなくてウミトサカなどの水中生物はよく成長し見事でした。タンクを20本位潜った頃には、ジャケットと自分の空気を調節しながら中性浮力が取れるようになり、重力の世界を楽しめるようになりました。まるで宇宙空間の様。なにより海の中にいる喜び。自然と一体化している感覚が大好きでどっぷりとハマって、休みの度に、時には平日でも寝ないで行き、月に5~6回は海に潜ってました。

この頃、音楽での行き詰まりや先への不安から、このまま音楽を続けられるのかと悩み始めて、そしていつしかダイビングのインストラクターになりたいと考えるようになりました。まずは上級者のライセンス(アドバンスコース)取得。そしてレスキュー(救助)ダイバーの資格まで夢中で取得。しかし、レスキューの取得が体力的にハードで、人の命を預かる仕事を果たして自分ができるのかと考えたら、ダイビングはやはり楽しむために続けようと考えるに至り、そして音楽で仕事をしている事実に感謝し、やはり音楽の道で頑張っていこうと思うようになり、ダイビングインストラクターへの夢は諦めました。

偶然

よく潜ったのは伊豆半島周辺の海。他にもサイパン、オーストラリア。特に印象深いのは、沖縄の離島阿嘉島で、本島から飛行機で渡嘉敷島へ、そこから又船で目的の阿嘉島へ、一日がかりでした。この世にこんな美しい海があるのかと、自然の素晴らしさに感動しました。南野陽子が主演した映画「マリリンに会いたい」をご存知ですか? 阿嘉島のワンチャンが恋人のマリリンに会いたい一心で急な海流を物ともせず隣の渡嘉敷島まで泳いで行くというストーリーで、このワンチャンにも会いました。

ある日一緒に行ったマネージャーのR君と1本潜ったあとの昼の休憩で、真っ白なビーチでスキンダイビングをしようとビーチに行ってみると、楽園の様な真っ白なビーチにほとんど人がおらず、貸切状態、二人で綺麗な海を泳いでいました。するとR君の様子どうもがおかしい? 陸へあげてみると呼吸が激しく意識も朦朧としている感じ。後から知ったのですが、彼はニトログリセリンを持ち歩いている程心臓に病を持っている人でした。とりあえず宿に連れいこうと彼をおぶり、日陰を目指して行くと、ほとんど人のいないビーチにたまたま3人の家族で遊んでいる人がいました。そのうちの父親と思しき人が、「どうかしましたか?」。 なんとその人はお医者様でした。なんという偶然、幸運でしょう! その方に応急処置を施してもらい、R君も意識を取り戻し、事なきを得ました。本当に信じられないような偶然というのはあるものですね。いまでも忘れられない出来事でした。

ビートルーズ

ある日、とあるお店で食事をしていると、声をかけられ「原君じゃない?」。 見たことあるけど誰だったっけなと、いぶかしんでいると、「オレだよHI、だよ!」と笑いながら、いきなりカツラをはずしました。「おっ、あなたは!」。 よく見ると、以前あるオーディションでお世話になったピアニストのHIさんでした。自分より10歳年上で、何でも弾けますが、ジャズが得意で歌も歌います。この時は彼も弾き語りもしていて、昔GS全盛の頃はベースギターを弾いていて、ビートルズやゾンビーズを演奏していたとのこと。話しているうちにお互いに初期のビートルズが好きということで話が盛り上がり、一緒にビートルズのコピーバンドをやろうということになりました。今まで真剣にビートルズをやろうという話もなく、仲間もいなかったのでこれは楽しみだということで、歌が上手いドラマーのOKA君とギターのSAKAさんを誘ってみました。一回スタジオに入ってみると、3人のハーモニーが実に気持ちいい! という訳で、バンド名も「ビートルーズ(Beat Lose)」に決め、週一回スタジオに入る事を決め、その活動がスタートしました。それでは衣装も作ってしまえということで、長者町のテーラーでビートルズが来ていたものと同じデザインで揃いのスーツを作りました。HIさんはマッシュルームカットは無理だという事で、カツラをアデランスに2個100万円位で特注してました。

 

ここからは原の音楽夜話 - ファルセットボイス(ブラック編6)

前号の続き

CBS移籍後のアースのファーストアルバムは「地球最後の日」。おどろおどろしいタイトルの割にはポップな仕上がりで、2作とはまったく違います。やはりベイリーの声の存在は大きく、モーリスの声もベイリーに刺激されてか、段々洗練されてきます。そして、続くセカンドアルバムの一曲「Keep your head to the sky」のエンディングで、女性ボーカルとの高音のアカペラコーラスのハーモニーは、究極のヘッドボイス! あまりの凄さに鳥肌が立ってしまいます。そして、3枚目は少しラテン色の強いアルバムでしたが、4枚目の「暗黒への挑戦」で当時のディスコサウンドを意識した独自のブラックサウンドを確率。全米No1を獲得し一躍トップに躍り出ます。

私的には、この後だした2枚組アルバム「灼熱の響宴」がアースの全盛期だと感じます。渦巻く多数の打楽器のグルーブに腰を浮かされ、盛り上がるだけ盛り上がってくると、モーリスのティンパレスを合図にリズムが変わります。ここにホーンセクションが切れ込む感じは、又ここが最高潮! この辺が最高のメンバーが集まっていたこの当時のアースならではの醍醐味。まだこの頃はロック的なアプローチは希薄で、アフロ・ラテン・アメリカンという感じでした。ここからはポップに白人層も意識したサウンドに変化していき、「ファンタジー」~「セプテンバー」~「ブギワンダー」とヒットを連発、全世界的なビッグバンドに成長します。アルバムとしても、「魂」、「太陽神」、「ベスト1」と登って行き、「フェイセス」、「天空の女神」まではディスコブームに乗りトップに君臨していましたが、80年代に入るとデジタル時代の波に乗ろうとアースも模索を始めます。アルバム「エレクトリックユニバースの頃です。それはそれで良かったとは思いますが、ホーンセクションの代わりにシンセや電子ドラムを多様する様になると、もはやアースのサウンドではありません。70年代を知るアースファンにとってはさみしい限り。偉大なミュージシャンたちもアースを離れ、彼らも徐々に活動を縮小していきました。

フィリップの魅力はなんといっても裏声。その力強いファルセットは誰も真似できないでしょう。表声は硬質でかすれてあまり魅力的には響きませんが(私的に)、裏声になると天使の様な美声になります。初めてソロアルバムを出した時、表声で歌う歌を数曲入れていましたが、魅力としてはやはり格段の差がありました。アースの曲は、メロをモーリスが取り、サビにフィリップが歌うというパターンが多いですが、数曲ファルセットだけのものもあります。やはり「宇宙のファンタジー」が有名ですが、スローで名曲が数多くあります。まずは、「Reason」。こちらは「暗黒の挑戦」に収められたスタジオ録音と、「灼熱の響宴」のライブバージョンと二つありますが、ライブバージョンに軍配が上がります。ライブではハイライトになっているサックスとの掛け合いと、ハイBbのロングトーン、あまりのスゴさにため息が出ます。おすすめはアルバム「Spirit」から「Imagination」、「太陽神」から「I’ll write a song for you 聖なる愛の歌」。究極に艶っぽい低音のファルセットで引き込んでおき、後半は抑えきれない感情をギリギリの高音でシャウトする。メロディも美しく、ファルセットだけでこれだけの歌を歌えたのはフィリップ・ベイリーだけに神が与えた声と言って過言ではないでしょう。70年代80年代と来日の度に彼を追いかけていましたが、ソロでの初来日時、渋谷のライブインのど真ん前で聞けたのは人生最良の時間でした。

(続きは次号へ)

HEART&SOUL代表 原 正行)

 

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