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I love Japan(第2回) 一期一会

by staff on 2015/9/10, 木曜日
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皆さんこんにちは、NPO法人フォーエヴァーグリーンの渡邊です。この10年以上もの間、私のアンテナは音楽とデザインと環境だったのですが、特にミュージシャンとしての意識はとても高く、そのライブは正に「一期一会」! 今、初めて会う目の前の人にどう想いを伝えるかについて、全力で試行錯誤してきたという経験がございます。

さて、今回はその「一期一会」について。
具体的に茶の湯の世界では、どの様にその想いを茶事に込めるのか。ある時、ロサンゼルスで茶道の先生との会話の中で「12年に一度しか使わない茶碗があって、、」と、サラッと発せられた言葉に一瞬耳を疑いました。30数年の私の人生の中で「これは12年後までとっておこう」と、思ったモノを持ったことはなく、また、そんなに長い時間の中で変わらぬ価値を保つモノも、身近では知りませんでした。ギターは壊れるし、パソコンの仕様はドンドン変わり、それに追い付くのに毎日必死です。簡単に例えると、干支が描かれたデザインであれば、辰年に虎の茶碗は使わないというダケの話なのですが、そこに梅が描かれていたりすると、寅年に梅が咲くのは12年に一度なのです。そうです、その瞬間をどれだけ掛け替えのない時間へと演出出来るかを突き詰めて行くと、確かに何時どんな季節に会ったかを鮮明にする茶道具の数々は、時間を彩る大切な表現ツールなのだと教わりました。そう感じた時、「人付き合いにそんなに創意工夫を凝らしたことあったかな?」と、これまでの人生を振り返りました。もちろん女子とベッドに入るまでや、ライブセットの制作、そのステージパフォーマンスには並々ならぬ情熱を傾けてはきましたが、人と接する「ひと時の在り方を問う」という茶道の芸術観に、何故か反省させられる気持ちになりました。簡単に手に入れたモノに愛着を持てないのは仕方のないことですし、タイムisマネーなのも身に染みています。しかし、その様なコンビニエンスな生活に慣れすぎて、毎日が掛け替えのない瞬間に溢れていることをないがしろにするのは、少し損していると感じるのは私だけでしょうか。そして、環境を考える時、この様な想いを常日頃から備えていたならば、身の回りの物を簡単に捨てるなんて決してしないだろうな、とも思いました。
人、時、物を想う気持ちから、自然と身の回りのことに感謝ができるような大人になりたいものです。

モデル:徳友庵SOURIN

文 章:渡邊圭
モデル:徳友庵SOURIN
NPO法人 Forever Green
Email: ngo.fg@hotmail.co.jp
URL: http://npo-forevergreen.jimdo.com/

筆者紹介

渡邊圭(わたなべ けい)

アーティストとしてアメリカで勝負しようとしていた自分が、マーケティングとして、最初にしなければならなかったことは、日本人が何を美しいと想い歴史を重ねてきたのかを知ることだったのだ!と思うと、目から鱗が落ちる気分でした。そして、学んだ「茶の湯」の世界観の精神性の高さと、何を美しいのかと定義する独自性、その茶道の在るべき姿とは、途方もなく美しかった、、、こんな芸術があったのか!と、感動を禁じ得ませんでした。その後、自国の文化に自信を持てた時、世界の誰にも負けない物を持っていると心から思えた時、それはどんな励ましの声よりも私の心を強くしました。それはそうでしょう「世界の誰にも負けない」なんて気持ちでいられたら、こんなに心強いものなんてないですよね。

この経験は、帰国後の私に大きな示唆を産みます。そんな目線で地球儀を眺めたことなんかなかったからです。「日本人として、世界に何を訴えるか。」きっと我々にしか出来ない仕事/提案があるに違いないと確信しました。私は日本文化の特性を分析していくうちに、それが世界的大きなニーズに当てはまることを発見したのです。その可能性を考えると、ワクワクします。

 

 

 

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