書評 「詩集 自分の道をまっすぐゆこう」 PHP 坂村真民 著
|
真民さんは25歳の時に朝鮮で教職に就き、36歳で終戦を迎える。帰国後昭和21年から愛媛県で高校教師になる。65歳で退職。以後詩作に専念すると略歴にあった。
「念ずれば花開く」
念ずれば
花ひらく
苦しいとき
母がいつも口にしていた
このことばを
わたしもいつのころからか
となえるようになった
そのたび
わたしの花が
ふしぎと
ひとつ
ひとつ
ひらいていった
この詩にであって衝撃をうけた。まだ40歳前の時だった。苦しいことばかりの時であったように思う。このままではではいけないとおもった。上に立つものが苦しいを苦しいと言ってはいけない。念じていくことだと歯を食いしばった記憶がある。
「念じ続けること」
念じ続けること
これほど美しく
尊いものがあろうか
かっては念じた人々が
今は念じた人々が
今は念じない者になってしまった
そういう暮らしの惰性のなかで
念じ続けてゆく
それは一羽の鳥が
嵐に向かって飛んでゆくような
不屈の魂であり
不退の行為である
念じ続けよう
花開くまで
「二度とない人生だから」の詩にも泪したことがある。
二度とない人生だから
のぼる日しずむ日
まるい月かけてゆく月
四季それぞれの
星々の光にふれて
わがこころを
あらいきよめてゆこう
一度きりの人生を大切にしていくこととは、めぐりあいの不思議を思い、足をとどめてみつめてゆこうというのだ。真民さんは「尊いのは足の裏である」の詩のなかで次のように謳っている。「その努めを果たしてゆく 足の裏が教えるもの しんみんよ 足の裏的な仕事をし 足の裏的な人間になれ」と。そして「蒲公英」の次の詩が好きで、私は春がいつも待ち遠しくなるのだ。
「タンポポ魂」
踏みにじられても
食いちぎられても
死にもしない
枯れもしない
その根強さ
そしてつねに
太陽に向かって咲く
その明るさ
わたしはそれを
わたしの魂とする
不思議と行き詰った時や悲しいことがあったりすると、真民さんの詩に励まされた。そしていつの日にか自分でも詩を書いてみたいと思っているのだった。
(文:横須賀 健治)
|
ヨコハマNOW 動画
新横浜公園ランニングパークの紹介動画 | ||
ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。 |
横浜中華街 市場通りの夕景 | ||
横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。 |
Comments are closed.