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秋の田の かりほの庵の とまをあらみ 我がころもでは 露に濡れつつ

by staff on 2015/10/10, 土曜日

♪ 秋の田の かりほの庵の とまをあらみ 我がころもでは 露に濡れつつ ♪


絵・千絵崇石
 

読み人:天智天皇(てんちてんのう / てんじてんのう)

現代語訳・・・秋の田植時の仮小屋は 屋根のすき間から 夜露が降りて私の衣を冷たく濡らしてゆく。

百人一首では最初に出てくる天智天皇のお歌。ですが、この歌は彼が作った歌ではないと言うのが定説です。百人一首が出来た平安時代はいったん途切れていた天智天皇の血統が再び天皇となり、人々はこの歌を天智天皇の作だとすることによって農民たちの事を思いやる よき天皇イメージが作られていったのでしょう。

豊かに色付いた稲の穂が風に揺れている田園風景は、やはり日本の秋の風物詩です。
日本列島ではちょうど今頃が稲刈りの真っ最中。南北に長い日本では桜前線は一カ月程の地域差が九州と青森ではありますが、稲刈り前線はあるのかしら?

天智天皇は天皇になる前のお名前を “中大兄皇子” といい 蘇我入鹿をクーデターで倒して「大化の改新」を行ないました。小学校の歴史で習ったのを覚えています。この西暦600年代と700年代は激動の時代で、日本と言う国家が形成されてゆくプロセスが、何とも血なまぐさい争いに満ちていて、胸が痛くなるようなドラマが沢山あります。
彼の死後、皇統は弟の天武天皇(40代)に引き継がれ、それから49代の光仁天皇に至るまでの100年間は 暗殺、濡れ衣、謀反の罠などで 混沌とした時代でした。

西暦770年代にはいり、とうとう天武天皇の皇統は絶たれて、まったく争いには関わってなかった天智天皇の第七皇子が産んだお孫さんの一人、白壁王が光仁天皇となります。
そして息子の桓武天皇から平安時代へと向かいます。
そんな血なまぐさい時代でしたが、彼の業績としては日本で初めて水時計が作られました。
また初めて戸籍が作られました。いま日本はマイナンバー導入で賛否両論ですが、そのオリジナルとなった戸籍を彼が作ったと知った時には、私自身、日本社会の原型が千年以上を経て現在でも生きているという事実にほっと安堵の思いを感じました。

世界情勢の中で、資本主義の経済システムがこれ以上の持続が不可能だとの見解を皆感じていて各諸国が対応に迫られています。これから日本も大きく変わってゆくのでしょう。
こんな時代には、温故知新(ふるきを訪ねて新しきを知る)と言う言葉をかみしめて心を落ち着かせたくなります。そしてこの4文字熟語の語源は孔子様の論語。中国です。
いま中国の脅威に対して不安感を覚えている方も多い様ですが、日本の歴史文化は中国の影響から抜け出る事はできません。昔の人はただ漢字の音だけを大和言葉に当てはめて使っていました。平安時代になって和歌が沢山の人々に詠まれるようになり、日本人の情緒を表すのに 漢字の音読みを使っているとどうしても表現できないものがあり、徐々に万葉仮名が崩されてひらがなに移行した背景には和歌文化の広がりがあります。

現代人は 漢字の意味をそのまま受け取りますが、今の様なスタイルになったのはいつ頃なのかしら・・そんな事にもつい思いをはせてしまう 秋の夜長の「和歌うた」三昧。
今夜はもちろん、新米をいただきます。

(早苗ネネ♪)

 

三十六歌仙 CDアルバムによせて

10代の頃、じゅん&ネネのネネとして歌っていた時、多くの方から「北の政所のねね様と同じ名前ですね」と言われ、歴史上に残る方と同じ名前を頂いた事で直ぐに覚えて頂き、良い事が沢山ありました。時が経ち、50歳を過ぎた頃にやっと自分のライフワークを見つけ、「和歌うた」を歌い続けて13年程に成りますが2014年の京都高台寺音楽祭に出演させて頂いた折に、三十六歌仙が高台寺様に遺されているのを知りました。その時にぜひ三十六歌仙にメロディーを付けて同じ名前のねね様に奉納したいとの思いを抱き、2015年9月6日、ねね様のご命日に発表させて頂く事に成りました。和歌のアルバムとしては10年ぶりでやっと二枚目アルバムです。一枚目のアルバム「花のいろは」は蟠龍寺スタジオの仲間に助けられて生まれました。そして今回のアルバムも製作費は今まで私の和歌うたを聞いて応援して下さった方々のご支援で賄われています。暗中模索と無我夢中で今までよろよろと歩いてきましたが、そんな私を支えてくれる大きな愛情に気が付いて、なんて幸せ者なのかしらと思います。有難うございます。これからも自分の道を信じて歩いてゆきます。

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
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