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2015年12月 三ツ池だより 「ヨコハマNOWの “今” を考える!」

by staff on 2015/12/10, 木曜日
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「横浜ドリームを語る」会に参加する機会がありました。
福沢諭吉、中居重兵衛、原善三郎を横浜シティガイドの第一人者斉藤秋造さんが語られました。ペリー来航以後、横浜は港が開港されて急速に発展してきたのです。諭吉はオランダ語ではなく、英語が主流であることを横浜にきて体感したのだといいます。それも一日の滞在で目が開かれたのでした。港は絹が溢れかえっていました。時は江戸時代の終わりころです。中居、原は絹の扱いで時代を駆け上がって行ったのでした。

「真の豊かさ・確かさ・美しさとは何か!」を話されたのは作家で元長野県知事の田中康夫さんでした。冬季オリンピックで莫大な借財をかかえていた長野県に落下傘立候補だったことから話は始まりました。イベントという一過性から恒常性ある取組の必要を提案されたといいます。現状を批判するのでなく、数字や統計を提示しながら、「量の拡大でなく、質の向上をめざす!」成功の事例を紹介されました。

“造るから創るへ→造るから治すへ→造るから護るへ“ そしてつぎのように話されました。(配布された資料をも参考に)「たそがれは “誰そ彼” と昔は表記された。目の前の、誰だか判然としない:相手は一体誰だろう、と五感を働かせる時間帯という意味合い。他方では夜明けは “彼は誰” 。だが、江戸時代の頃までは朝方と夕方の両方を “彼は誰” とよんでいたと古文で習った。」「私たちは超少子・超高齢社会ニッポンを “誰そ彼” 時だと思い込んでいたが、実は “彼は誰” の時、すなわち夜明けなのかもしれない。」 それはASEAN諸国も早晩日本と同じ少子化への道を歩むからだといいます。

「ヨコハマドリームを語る」会は「ヨコハマNOW」が主催されたのです。
ヨコハマNOW5周年の紹介もありました。私も2分間のあいさつの時間をいただきました。「横浜で生まれ育ちました。65年前の横浜市鶴見区駒岡は農村地帯でした。イナゴを捕まえて帰ると母親が甘辛く煮こんでくれました。それがおやつになったのです。横浜は商業の街の部分と農村の部分、生活者の町の部分が混在しているところでした。ヨコハマNOWに今御縁をいただき、今までの中小企業経営者の50年の部分とはちがう立場をいただきました。横須賀詢というペンネームの一面です。横浜は多面を持っています。今という時はもう即座に過去になります。そして今があって未来があります。小さいかもしれませんが私は横浜の鶴見の“三つ池の地”からの目線で書かせて頂いています。 “ヨコハマNOW” は多様化しているヨコハマの今を、様々な切り口で表現しています。ヨコハマNOWに御縁とご理解とご援助をいただきたいと思います。そこから新しいヨコハマドリームを育てて行こうではありませんか!」

さて、12月を俳句から見てみます。

手袋に五指を分ちて意を決す
桂信子
いつも居るところを好む冬帽子
村越化石

手袋、マフラー、冬帽子どれも冬の定番である。ヒートテックという便利な素材もできている。それぞれにその人を彩っている。

湯豆腐やいとぐち何もなかりけり
石原八束
山頭火の句碑見て朝の湯豆腐食ふ
松崎鉄之介

寒くなって鍋物や湯豆腐に手がいってしまう。話の糸口がなくても次第に話は弾むのである。時には一人熱燗と湯豆腐でしんみりもある。

凩や庭を黄色に染め上げし
稲畑汀子
こがらしの樫をとらへしひびきかな
大野林火
木枯や地びたに暮るる辻諷(うた)ひ
小林一茶
胸中の凩咳となりにけり
芥川龍之介

木枯し、凩、こがらし、どれも寂しい。それでも訪ねくる風の音に今を感じることはできる。ときには年老い咳をすることもある。今という時を感じるときでもあります。

焚火果つ家々に灯の行きわたり
岡本 眸
幾たびも浜の焚火の燃え上がり
皆川盤水

冬になると焚火がなつかしくなります。「枯葉を集めておいて!」よく母親に言われたものでした。あちこちの木々が葉を落とすと風で塀のところに枯葉が集まります。近所がきそったように掃除します。その集めた落葉でよく焚火をしました。浜では消えかかっては少しの浜風で焚火の火が大きくなるのでしょう。暗くなると焚火を終わらせるのでした。

もう一度「ヨコハマ・ドリームを語る」会に触れておきます。日本のよさは「おもてなし、おすそわけ」といった連帯の精神がベースにあり、なんでもが感謝の対象になっていきます。田中康夫さんが言います「空威張りとは無縁の、しなやかな矜持と諦観を併せ持ったニッポンの日の出を再び目指すうえで大切な“ささやかだけど、確かなこと”“微力だけど無力じゃない”」ということを大切に意識していきたいものです。そして一歩も二歩も実際に踏み出す勇気を持ちたいものです。

12月が新しい年を迎える喜びの準備の月になりますように!
この一年の購読ありがとうございました。よいお年をお迎えください!!

 

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(文・写真:横須賀 健治)

 

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ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
(動画をみる)

横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
(動画をみる)

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