都田舎の津久井便り 七日目 「津久井 城山」
津久井 城山
お城と言うと真っ先に思い浮かべるのが姫路城や松本城のような天守閣ではないでしょうか?
しかし平地での築城とは異なり、山間部では一塊の山そのものを利用し、その形状に沿って設計し要塞としました。それが山城と呼ばれるものです。
鎌倉時代から戦国時代前期にかけて群雄割拠していた関東も、戦国末期には相模の北条氏が北関東の上杉氏と甲斐の武田氏と拮抗状態になっており、ここ津久井地域は小田原城・津久井城・八王子城・寄居城の線で北関東そして西の抑えとして重要な拠点となっていました。
なかでも甲斐に通ずるここ津久井城は最重要拠点としての備えが必要であり、関東平野の最西端に独立峰としてそびえる城山は相模川から高低差250m以上もの急峻な崖を利用し北面から東側の備えとし、西側も南面に向かい谷が走りそれが東で相模川と合流する絶好の地形でそれだけでも容易には攻め込めにくく、さらに築城術では珍しい深い竪堀や鋭い堀切、土塁等が作られ西峰の本城曲輪、太鼓曲輪そして東峰の飯綱神社を祭ってある飯綱曲輪と大小の階段状の曲輪群で守りを固ため、南面に根小屋を配し、いざ戦となった場合の即応体制が優れていました。さらに山腹には宝ヶ池呼ばれる湧水池があり盤石の山城でありました。
ところが不可解なことに武田との三増の戦いの時も、秀吉の小田原攻めの時も、本城での戦いは無かったようで、無血開城で本多忠勝に渡し廃城となり、以後江戸幕府の直轄領となりました。
時が移り、昭和の世になっても国家管理であったため土地開発が行われず、中世の典型的山城の遺構と山容全体がそっくり保存されている、稀有な山城なのです。 ハイキングとしては手軽な山で、登山道、案内板や説明図などが整備されており、また根小屋地区には2kmに亘る舗装のスロープ状周園路も整備され車いす、ベビーカーで大自然を堪能できるようになっています。ここは亜熱帯植物の北限で動植物の宝庫であり、春の桜から夏などはムササビの飛行も観察でき、秋の紅葉、冬の雪景色等々、また中世から近世に至る歴史の勉強、さらに野外コンサートも催おされるなど老若男女が楽しめる所です。 これが掲載されるのが師走のはずですからぜひとも、ご来光を仰ぎに元旦早朝に登ってみては如何でしょうか? 要照明器具! ご来光は飯綱神社右下の鷹射場からがお勧めです。若干標高は低くなりますが、木々などの邪魔もなく新宿の高層ビル群から南に湾岸線の鶴見の翼橋まで一望でき、真正面から望む朝日は神々しく、絶好のビューポイントです。なおここの地面は細かな小石が敷き詰められておりますが、これはこの場所が太古の昔は海底だった証だそうです。 |
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圏央道の相模原インターが、まさに城山の真横に出来て、横浜からは保土ヶ谷バイパス・東名・圏央道経由で一時間の(渋滞なし)時間距離になりました。
津久井湖・宮ケ瀬湖そして相模湖とイルミネーションも今の時期はおこなっており夜も楽しめる季節です。
ぜひ津久井に遊びにいらしてください。お待ちいたしております!
(文・写真:山羊髭)
筆者紹介
梅澤 勉 |
相模湖・津久井の本格薪窯ピッツェリア | ピザレストラン「童人夢農場 | ドリームファーム」オーナーオーナーシェフ 梅澤勉さんのインタビュー動画。
緑あふれる津久井の魅力、童人夢農場(ドリームファーム)のこだわり、デザートピザへの想い
についてオーナーシェフの梅澤勉さんが語ります。ご覧ください。
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