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I love Japan(第5回) 温故知新とは

by staff on 2015/12/10, 木曜日
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皆さんこんにちは。フォーエヴァーグリーンの渡邊です。もうスッカリ冬ですね。街のイルミネーションが徐々に増えてゆくのを感じておられることと思います。今回は、私達フォーエヴァーグリーンのお茶会の様子をレポートさせて頂きたいと思います。11月26日は横浜の名門校フェリス女学院大学で、私達のオリジナル環境学習プログラム【温故知新】を開催いたしました。特に横浜に地盤があった団体ではないため、この数年の努力で教育機関内で独自の環境プログラムを展開させていただけるのは、感慨深いものがありました。

さて、今回お集まりいただいた学生さん達は皆、「環境に優しいビジネスの発信者になりませんか?」という呼掛けに興味を持った方が中心で、新しいビジネスと社会貢献の関係性に強い関心を持っておられました。プログラム開催の結果は写真の通り、皆プロジェクト立ち上げのやる気に溢れています。

私達は環境保全を呼び掛ける地球温暖化防止のNPOですが、参加者に環境保全をどのように伝えるべきか、このポイントを私は「利益を出して下さい」とお願いします。

 

ただし、環境に悪影響の発生しない方法で成立させなければならないという現代社会に相応しい制約と条件を明確にした上でです。ここを履き違えるとただのボランティア活動にしかならず、持続可能な活動とはなりません。「環境に優しいビジネス」の方が儲かれば、放っておいても環境に悪いビジネスは縮小してゆくでしょうし、我々が規制に関われる訳でもありません。参加者のビジネスの成功が環境保全に繋がるのだと理解を促します。

では我々の提唱する【温故知新】なる環境学習プログラムにおいて、茶道等の日本文化の価値をどのように環境学習に組み込んで行くのかをご紹介いたします。先ず、「環境と茶道?」という疑問に参加者は興味を示します。なんでなんだろ?と自然に耳を傾けている状態から、始まるところも大きな特徴かもしれません。一言で言うと、日本文化を体験することで、3R(作り過ぎない/再利用/再資源化)が、実は日本人の生活の中に溢れていたことに気付くために、伝統文化を体験してもらっています。しかし、ただ体験してもやはり「なんのこっちゃ?」なので、体験する前に環境保全の定義をポイントを絞って理解して頂いています。もう一点は、生活を改めるためだけなく、新時代の環境に優しい「経済」とは何かをイメージし、そのヒントを学ぶ為に伝統文化を体験するのだと、「何を」学ぶかを正確に把握していただくことに時間を割きます。茶碗を何回回すかなんてことに拘るのは博物館の中でやっていれば良いことで、現代の私達は茶道から学んだことをどう自分達の生活の中で役立てるかを考えるべきだと伝え、茶碗の柄に口を付けないことの意味を問うだけで、学生達は目から鱗を落とします。人を思いやる時に取る行動をイメージしながら茶道を体験すると、その動作の一つ一つがおもてなしのアイディアなのだと気が付くことができます。そして、普段そのような態度でモノや人に接していないことも。


 

私達は参加者を社会の主人公に育てることを大切に考えています。映画マトリックスの大好きなフレーズで「Don’t think you are. Know you are.」=「己を知れ」というセリフがあります。自分の価値を知ること、こんな環境なんて大問題を女子大生が解決したなんてなったら世間はなんて評価するかな?この一言で、最初はそんなこと出来ないと思っていたのが、このあたりから参加者はダンダン鼻が膨らんできます(笑)。

国連で環境問題がどのような位置付けで考えられているのかを解説すると、そのギャップに世界の大きさと自分との隔たりを感じ、殆どの市民はアゼンとします。私達の知ってる「環境」のインフォメーションのプライオリティーってもっと低い、、

何故、低いのだろう?と。大抵はそこで私事では無くなります。「じゃあ、私には無理」「出来る人にやってもらおう」「それは政府の仕事」「企業がやれば良い」等。人は出来ない理由を沢山探しては目の前の問題から逃げようとしますが、このような環境学習と文化体験を経た参加者達に、今自分が取った行動を新しいビジネスに役立てる方法があるのではないかと問うと、きっとあるに違いないと瞳が輝くのが見て取れます。体験を通して「自分にも出来そうだ」と参加者自身が思うことが最も大切なポイントで、その気持ちが最初の一歩へと繋がるのです。

この様に、やる気のある参加者にはその学びを実践してもらうステップも用意し、次世代のリーダーへと足を踏み出してもらう、この2つが【温故知新】の概要です。ベネフィットは、参加者本人が立ち上げるプロジェクトに対してのサポートを最大限に受けられること。我々プロデューサーが企画を管理しているため、どんな失敗をしてもリスクの発生を最大限に抑えられます。参加者には「ドンドン失敗してOK」と声を掛けることができるのです。

また、参加者にとって一番大きなインパクトは、カリスマ的日本文化発信者徳友庵SOURIN教授の存在です。アメリカ人の彼女が一言「日本文化の持つ内面の美に心を打たれました。」と発すると、日本人は皆、日本文化の持つ力を実感します。そう、和の心は世界に通用する文化なのです。参加者は自信をもって日本文化からの学びに身を委ねようとします。茶道教授、華道の准教授の免除も二つ、着付けをこなし、日舞の経験まで積んで、ロサンゼルスで日本国総領事の前でも茶道江戸千家を代表してお茶を点てた彼女の文化人としての経歴は、全く新しい茶道の在り方を発信する上で「型を知っているからこそ、壊すこともできる」と言い切るに十分値します。フェリス女子学院大学茶道部部長さんとも意気投合し、茶道を通したメッセージの発信に向けて意欲を確認し合う素晴らしいイベントになりました。

文 章: 渡邊圭
Photo提供: 株式会社エピテック
Model: 徳友庵SOURIN&学生団体エピテック
NPO法人 Forever Green Email: ngo.fg@hotmail.co.jp
URL: http://npo-forevergreen.jimdo.com/

筆者紹介

渡邊圭(わたなべ けい)

アーティストとしてアメリカで勝負しようとしていた自分が、マーケティングとして、最初にしなければならなかったことは、日本人が何を美しいと想い歴史を重ねてきたのかを知ることだったのだ!と思うと、目から鱗が落ちる気分でした。そして、学んだ「茶の湯」の世界観の精神性の高さと、何を美しいのかと定義する独自性、その茶道の在るべき姿とは、途方もなく美しかった、、、こんな芸術があったのか!と、感動を禁じ得ませんでした。その後、自国の文化に自信を持てた時、世界の誰にも負けない物を持っていると心から思えた時、それはどんな励ましの声よりも私の心を強くしました。それはそうでしょう「世界の誰にも負けない」なんて気持ちでいられたら、こんなに心強いものなんてないですよね。

この経験は、帰国後の私に大きな示唆を産みます。そんな目線で地球儀を眺めたことなんかなかったからです。「日本人として、世界に何を訴えるか。」きっと我々にしか出来ない仕事/提案があるに違いないと確信しました。私は日本文化の特性を分析していくうちに、それが世界的大きなニーズに当てはまることを発見したのです。その可能性を考えると、ワクワクします。

 

 

 

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