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高野慈子の「四季・色・贅・食」 第5話 ユニバーサルルームはバリアフリー?

by staff on 2016/1/10, 日曜日

 

私の主人は66歳、49歳の時に脳出血で倒れそれから右麻痺になりました。自宅は2世帯住宅で、1階は主人の母の住居、2階が私たち。2階は玄関とキッチン、お風呂場とトイレがあり、寝室は3階といった間取りになっていました。

主人は右麻痺でも階段の上り下りは杖や手すりを使っておこなっていましたが、2014年の11月頃から腰の痛みを訴えるようになり、2015年の2月下旬にとうとう歩行が困難になりました。(4月に手術をし、現在は少し歩けるようになりました。) 今月のお話は主人と一緒に体験したユニバーサルルームについてです。

ホテルのユニバーサルルームはバリアフリー?

母の住居だった1階をバリアフリーにリフォームする間、住む場所を探すのに一苦労しました。車椅子で出入りでき、駐車場がある賃貸物件はなかなか見つからず、見つかるまでリズナブルな料金のホテル(ユニバーサルルーム)を転々とすることになりました。

ホテルのユニバーサルルームを予約するにあたって気が付いたことをお話しましょう! (良いとか悪いとかではなく、参考にしていただきたいと思います。)

2006年「バリアフリ ー新法」により、客室総数 50以上のホテル・旅館では「車いす使用者用客室」が義務付けされました。横浜の一流のホテルにはユニバーサルルームがあります。高級とか一流と言われるホテルのバリアフリーへの取組は素晴らしいものがありHP(ホームページ)でもしっかりと情報を発信していますが、問題は料金です。室内を車椅子で移動するため他の客室よりも広くなります。特別なサービスが加わって、料金も普通のツインルームよりも高いところがあります。

では、リズナブル料金のホテルでどの程度のサービスが受けられるのでしょうか? そのサービスの程度がマッチングしなければ、利用者は別のホテルを探します。だからこそサービス情報が大切になります。

たとえば、ホテルのHPにはユニバーサルルームの全体写真をのせていますが、お風呂場とトイレの詳細写真を載せてあるものが少ないことです。 お風呂場やトイレは入口から見た全体写真と各々の詳細写真が欲しいです。 障害者に使い易いと設計してあっても、障害によっては却って使い辛いことがあります。特に風呂場がそうです。 湯船に入れるか、湯船から出られるか、チェックしたいところです。


(こんなに手すりがあっても湯船が深く足があがらず利用できなかったお風呂)


(障害によっては洗面台が邪魔になります)

また、ホテルによってユニバーサルルームは「シングル」だけとか、禁煙でないとか。。。いろいろありました。

駐車場にも問題があるところがありました。車椅子を積んで走るのですから、車体は大きめとなりますが、乗用車サイズの車しか入れない駐車場があり、車体の高い車は近くの契約駐車場から歩かなければなりません。お天気の日は良いのですが、雨の日に車椅子を押しながら傘をさすのは無理だと思います。

体験から感じたことは、リズナブルなホテルの限られたバリアフリーサービスは、限られているからこそ情報発信を詳しくしてほしいことです。 「電動ベッドがあるから、お風呂は一日諦めて、シャワーにしよう」 といった選択もある訳ですから・・・

(横浜駅・桜木町駅・関内駅付近のリズナブルな価格のホテルの一例)

車椅子で使える宿の一覧を開けても、ホテルのHPとただリンクしているだけのものが目立ちます。その宿の特長(部屋食なのか、家族風呂があるか、エレベーターなのか、スロープなのか 等)が一目で分かるとより便利な一覧になります。折角の一覧なのに電話で確認を入れなければなりません。まだまだ、使う人の側に立って作られていないと思いました。

リフォームに役立った ナビオス横浜のユニバーサルルーム


(ナビオス横浜のユニバーサルルーム/我が家のリフォームの参考にした)

横浜国際船員センター「ナビオス横浜」は 神奈川県・横浜市の協力を得て日本の海運・港湾振興を願い建てられた宿泊施設です。もちろん船員でなくても、県民・市民でなくても宿泊ができます。宿泊料もリズナブルです。ただし、みなとみらい地区にあり、観光に便利ですから休前日は満員となり、料金の割高感があります。また、ユニバーサルルームは1部屋のため電話予約のみで対応しています。

(情報)ナビオス横浜は神奈川県内在住の方を対象に 還元事業として、抽選で平日期間限定の宿泊招待状のプレゼントを行なっています。県民・市民のご招待はこちらのフォームからお申込みください:

https://asp.hotel-story.ne.jp/mail/62010/invitation/

病院のユニバーサルルームについて

主人は腰部脊柱管狭窄症ということで、みなとみらい地区の総合病院のK病院で4月に手術をしました。
ここの整形病棟の個室のトイレは部屋と1段の段差があり、車椅子で利用ができませんでした。
個室棟はトイレが部屋についているせいか、共同トイレまで距離があり、そのうえ車椅子で入れる共同トイレが2ヶ所しかなく、トイレ待ちで苦労しました。 整形病棟には車椅子を使う患者が多いのですが、病室内の段差は疑問です。

リハビリーの為に転院(入院)した病院も個室でしたが、ここは段差がなく人に気兼ねなくトイレを使うことができました。

病室もホテル並みに部屋の写真を公開して、使い勝手が分かると良いと思いました。

ユニバーサルはバリアフリー?

スロープは車椅子の方には便利ですが、片麻痺の方が歩くには不便です。片麻痺の人にとって、大浴場の手すりは、湯船の端に有るよりも、人ひとりが通れる間隔を開けた場所にあった方が、入る時は右側、出る時は左側(反対もある)が使えます。しかし、湯船の端にない手すりは目の不自由な方にとっては障害物になることがあります。
ここでは、私の体験なので車椅子と片麻痺のお話になりましたが、視覚・聴覚の障害のある方は、違ったサービスを求められることでしょう。だからこそ、利用者の側に立った情報発信が求められています。

高野慈子プロフィール

 

2014年10月に還暦を迎え、ますます元気なおばちゃんです。
実家はレコードの小さな町工場でした。
音楽家の多いファミリーツリーの中では、異色の人生を送っています。
アリゾナに1年間英語の勉強に行きましたが、素晴らしいインディアンに出会い、自然体で生きることを学びます。いろいろなボランティア活動・反戦活動を始めたのもこの頃かしら?

学生時代、弁論部だったことがあり、多くの政治家の選挙運動のお手伝いをしたことから、政治・経済にも強い関心がある「おばちゃん」。
アメリカから帰国し、OL時代は会社に内緒で訳詩・作詞のアルバイトをしたこともありました。また、OL時代は某会の映画モニターになり、某映画評論家の会にも入っていました。

横浜で一番古い冷凍・冷蔵・空調・エアコン部材店の高野商店に嫁ぎ(店と結婚したわけではないけど。。。)「冷たくしてごめんなさい」をキャッチコピーにして日々頑張っています。

2001年から2010年まで、中小企業の集まる会に所属し、そこで知り合ったIT業界の人からツイッターやfacebookを知り、facebookでは「高野家夫婦の会話から」が笑いを取っています。
その人の娘さんが作曲家で、「青虫もんじろちょう」が子ども向けの曲となり、ユーチューブにアップされています。(安希子はペンネーム)

2015年現在、本業の他に、NPO横浜カーフリーデーの副理事、ヨコハマNOWのプロデューサー、神奈川ドイツワイン協会のメンバー。

映画とオペラとミュージカルが大好き、ジャンルを問わず、JAZZやロック、シャンソン、ラテン音楽のコンサートやライブに顔を出し、頑張っている音楽家を応援しています。京都人の父と新潟人の母のDNAを受け、東京生まれ、埼玉育ち、横浜暮らしの「おばちゃん」です。

facebook:https://www.facebook.com/go.yasuko.gogo

あおむしもんじろちょう:

 

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ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
(動画をみる)

横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
(動画をみる)

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