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高野慈子の「四季・色・贅・食」 第6話 日本を旅する/公共の宿

by staff on 2016/2/10, 水曜日

 

夫が65歳、私が60歳を過ぎた時に「あと何年一緒に人生を歩むのだろうか?」と話すことがありました。横浜で暮らしていた夫と埼玉で暮らしていた私が出会い、家族となって35年の年月を共に生きてきました。話の中で「日本人に生まれたのに日本を知っている?」「知らないよね」「行ったことのない県があるね」「行きたいね」・・・ということになり、毎月1回「旅」をするようになりました。連休は遠出をし、土日は近郊に出かけます(日帰り旅行のことも)。お金持ちではないので、宿はもっぱら「公共の宿」を使います。(公共の宿が無い時もあり、その時は地元の旅行会社を利用しています)

国民休暇村や国民宿舎もそうですが、組合員でなくても「一般料金」を払えば教職員組合や船員組合等が運営しているホテルも泊まれます。「一般料金」でも民間の観光ホテルやリゾートホテルに比べれば安価なので「日本を知る」ための旅行を続ける私たちにとっては、「公共の宿」を利用することで「経費の節減?」となっております。

一方、赤字の垂れ流しとか、税金の無駄遣いだと言われている「公共の宿」ですが、サービスの向上に努め、リニューアルをしたり、料金設定を変更したりと、経営努力が認められるようになりました。
利用する前は、「公共の宿」の必然性に疑問を持っていた私ですが、片麻痺がある主人と使うようになって「公共の宿」のファンになりました。 なぜなら、「公共の宿」は身障者や要介護者などの弱者にやさしい宿だからです。

ハンディキャップがある連れと二人で旅行する時に一番困るのが「お風呂」です。
大浴場でトラブルが起きた時に、性別が異なるとすぐに助けに行けません。そんな時「家族風呂」や「貸切風呂」があれば安心して温泉を楽しむことができます。

「かんぽの宿」では身障者手帳を提示すると「家族風呂」が無料になります。最近、リニューアルした「露天風呂付きの客室」も民間の同じレベルの露天ぶろ付きの部屋の室料に比べると安価だと思います。「家族風呂」のない施設を利用する時は「露天風呂付き」の部屋を借りますが、その時は「ポイント」や割引クーポンなどの「特典」を使うことにしています。「バリアフリールーム」も電動ベッドや浴室用の車椅子など介護用品が充実しており、今や私たちは「かんぽの宿」の常連となっております。

かんぽの宿: https://www.kanponoyado.japanpost.jp/

「かんぽの宿」ですが、2015年秋に日本郵便の株式上場があり、それに先立ち8月に不採算の宿9カ所が閉鎖されました。(※注)
2005年の厚生年金のウェルサンピアの全館売却(※注)など「公共の宿」の実態が大きく変化しています。

公共の宿には「宿」でありながら、観光地からちょっと離れた所にあったり、交通の便が悪かったりと立地に、首を傾げるような所があります。 トイレが共有で、トイレ用の下駄に履き替えて利用するようなところがあります。 寝具(布団)を敷くのはセルフサービスのところもあります。
エレベーターが無い施設もあります・・・予約する前に下調べを良くして、条件が合えばお得感のある「公共の宿」ですが、税金や組合費を使って造る施設ですから、新規に造る時は「なぜ、そこにいくらで造るか」「土地の入手に問題はないのか」「天下りの温床になってはいないか」などを、売却される時は「どこにいくらで売却されるのか」「既得権が生じていないか」など(※注)を、利用する側も「税金の無駄遣い」にならないようにチェックしていくことが大切だと思います。

(公共の宿の一例)

注)2008年末、民営化された日本郵政が、巨額の赤字を垂れ流す「かんぽの宿」の売却契約をオリックス不動産と結びました。それは、「かんぽの宿」を109億円で「一括売却する」というものです。総額2,400億円もの巨額の建設費をかけた施設を、1/20にも満たない109億円で売却しようとした訳です。しかし、その時の入札が「不透明」だと当時の鳩山総務大臣が待ったをかけ、一括売却することを認めませんでした。高いものは高く売るというのがその後の方針となりました。

 

高野慈子プロフィール

 

2014年10月に還暦を迎え、ますます元気なおばちゃんです。
実家はレコードの小さな町工場でした。
音楽家の多いファミリーツリーの中では、異色の人生を送っています。
アリゾナに1年間英語の勉強に行きましたが、素晴らしいインディアンに出会い、自然体で生きることを学びます。いろいろなボランティア活動・反戦活動を始めたのもこの頃かしら?

学生時代、弁論部だったことがあり、多くの政治家の選挙運動のお手伝いをしたことから、政治・経済にも強い関心がある「おばちゃん」。
アメリカから帰国し、OL時代は会社に内緒で訳詩・作詞のアルバイトをしたこともありました。また、OL時代は某会の映画モニターになり、某映画評論家の会にも入っていました。

横浜で一番古い冷凍・冷蔵・空調・エアコン部材店の高野商店に嫁ぎ(店と結婚したわけではないけど。。。)「冷たくしてごめんなさい」をキャッチコピーにして日々頑張っています。

2001年から2010年まで、中小企業の集まる会に所属し、そこで知り合ったIT業界の人からツイッターやfacebookを知り、facebookでは「高野家夫婦の会話から」が笑いを取っています。
その人の娘さんが作曲家で、「青虫もんじろちょう」が子ども向けの曲となり、ユーチューブにアップされています。(安希子はペンネーム)

2015年現在、本業の他に、NPO横浜カーフリーデーの副理事、ヨコハマNOWのプロデューサー、神奈川ドイツワイン協会のメンバー。

映画とオペラとミュージカルが大好き、ジャンルを問わず、JAZZやロック、シャンソン、ラテン音楽のコンサートやライブに顔を出し、頑張っている音楽家を応援しています。京都人の父と新潟人の母のDNAを受け、東京生まれ、埼玉育ち、横浜暮らしの「おばちゃん」です。

facebook:https://www.facebook.com/go.yasuko.gogo

あおむしもんじろちょう:

 

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ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
(動画をみる)

横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
(動画をみる)

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