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あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたずらに なりぬべきかな

by staff on 2016/3/10, 木曜日

♪ あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたずらに なりぬべきかな ♪


絵・千絵崇石
 

読み人:謙徳公(けんとくこう)

現代語訳・・慰めてくれる人などいません 他女を愛せばいい といっても今の私にできるはずもありません 貴女を一途に愛し続けて このまま空しく死んでしまうのでしょうか?あの人の心変わりを もとに戻してください・・By 千絵崇石

ひさしぶりに現代語訳がないと全く意味がわからない和歌の登場です。

意味がわかってみると大失恋の歌です。私はこの歌をWALTER SCHMIDとの共作で PASSION NIGHT(情熱の夜)というタイトルの中で歌っていますが、最初に作った時は恥ずかしながら、意味がよく分からなくて、それでもメロディラインが浮かび、パズルのように言葉とリズムがピッタリかさなって、出来上がった時は嬉しかったのを覚えています。

さて 歌人の謙徳公 は彼の死後につけられたおくり名で本名は藤原伊尹(これただ)。
大貴族の御曹司として生まれ、ルックスも頭脳も抜群。歌人としても一流でもう不足なものが全くない幸運な人生を送ったそうです。「世の中に私がままならぬものはない!」と豪語していたそうで、特に妹の藤原安子が村上天皇に嫁いで産んだ2人の親王が天皇になってから、栄達を極めました。そんな彼に不足な事が一つだけありました。短命でした。49歳で亡くなっています。彼が頂点に立って2年後に亡くなった理由を若い時の友人の出世を妨げた祟りだと、大鏡には書かれているそうですが。よく調べてみると亡くなった理由は、どうやら糖尿病だった様です。現代の糖尿病は栄養過多運動不足、糖分の摂り過ぎ等、贅沢病と言うイメージが在るのですが、一体どんな食生活をすれば平安時代に糖尿病になるのかしら、と疑問に思い。ちょっと調べてみました。そして驚く発見が・・

平安貴族の食生活を知ってみると、干し物が多くて新鮮な食べ物は少なかったようです。一番問題なのは、お酒。その頃は糖度35%ぐらいの濁り酒が主流でとっても甘いです。
日本で作られて市販されているジャムの糖度は40%から50%。一般家庭等で作られるジャムはもっと糖度が少ないものもあります。私が時々頂いた果物で作るジャムはお砂糖が少ないので多分糖度35%ぐらい。そんな甘い物を平安時代の貴族たちは毎晩沢山飲んで、偏った食生活を続けているわけです。そして喉が渇いて、体重も減ってきて、視力も弱ってきて。伊尹も亡くなる前には目がほとんど見えなかったそうです。

藤原家は伊尹の死後、権力が彼の兄弟の方に移ります。同族の中で熾烈な権力争いが行われてゆきます。そんな権力争いの原因となるきっかけは。病気による権力者の死。それがどうやら糖尿病が大きな原因の様です。伊尹の甥の藤原道長が藤原家の頂点を築いた人としてとくに有名ですが、その彼も糖尿病でした。当時は飲水病と言われていて、道長のお兄さん達も同じ病気で亡くなっています。藤原家と糖尿病は切っても切れない関係の様です。きっと遺伝体質もあるのかもしれませんが、当時お砂糖は未だ日本にはなかった時代に、お酒の甘さは、それはそれは魅力的だったでしょうね。そのうえ酔っ払ってよい気分。
貴族達の宴会には必ず出された甘いお酒。
古代日本の政治権力を密かに操ってきたのは実はお酒の神様たちなのではないかしら。
正に「うまさけ」という枕詞が万葉集の第一巻に出てくるはずです。

現代の日本も3月は移動や送別会など多くあります。
身体に負担がない様に飲み過ぎに気を付けて下さいね。

ちょっと楽しいお知らせです。
3月12日から21日まで 京都東山で「狐の嫁入り」 と言うイベントがあります。
私は3月20日の春分の日に、狐のお面をかぶったお嫁さんになって知恩院から高台寺まで人力車に乗ってゆきます。その時、一緒に歩いてくれる方を募っています。特に独身で将来結婚したいと思っている方にはとても縁起が良いそうです。きっと良い事がありますよ。
忠 宿泊などはご自分でご用意ください。ゲストハウスが安くておすすめです。
お申し込みは 早苗ネネまで。(無料です)

(早苗ネネ♪)

 

三十六歌仙CDアルバムによせて

 

10代の頃、じゅん&ネネのネネとして歌っていた時、多くの方から「北の政所のねね様と同じ名前ですね」と言われ、歴史上に残る方と同じ名前を頂いた事で直ぐに覚えて頂き、良い事が沢山ありました。時が経ち、50歳を過ぎた頃にやっと自分のライフワークを見つけ、「和歌うた」を歌い続けて13年程に成りますが2014年の京都高台寺音楽祭に出演させて頂いた折に、三十六歌仙が高台寺様に遺されているのを知りました。その時にぜひ三十六歌仙にメロディーを付けて同じ名前のねね様に奉納したいとの思いを抱き、2015年9月6日、ねね様のご命日に発表させて頂く事に成りました。

和歌のアルバムとしては10年ぶりでやっと二枚目アルバムです。一枚目のアルバム「花のいろは」は蟠龍寺スタジオの仲間に助けられて生まれました。そして今回のアルバムも製作費は今まで私の和歌うたを聞いて応援して下さった方々のご支援で賄われています。暗中模索と無我夢中で今までよろよろと歩いてきましたが、そんな私を支えてくれる大きな愛情に気が付いて、なんて幸せ者なのかしらと思います。有難うございます。これからも自分の道を信じて歩いてゆきます。

早苗ネネ/京都・高台寺 北の政所・ねねさまに捧げる三十六歌仙 『和歌うた』CDアルバムは、 ヨコハマNOWオンラインショップ で販売しております。

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
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横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
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