横浜宝石物語（第17回）　三代目の私（横浜ジュエリーの誕生）

横濱宝石美術館エメラ
代表　大島貴子

横濱宝石美術館エメラ 代表　大島貴子

PROLOGUE　連載に寄せて

私は横浜でおそらく一番古い宝石商の三代目です。

創業者の祖父、二代目の父、三代目の私とそれぞれの時代で宝石商としての形態は違っていますが、良い宝石を選び、作りの良いジュエリーを製作して、ご提供するということについては、３人とも拘ってやってきたと思います。

祖父が宝石の製造メーカーとして地位を築き、父が小売店として皆様に愛されたからこそ、今、私が宝石商としてやっていられますので、いつか祖父のこと、父のことを書いてみたいと思っていました。

宝石商の三代目

私は現在、横浜の馬車道で「横濱宝石美術館エメラ」という宝石店をしております。

横浜の景色や思い出をジュエリーにした「横浜ジュエリー」などオリジナルジュエリーの製作と販売、デザイナーやアーティストの作品の展示販売、お客様のご要望をかたちにするリフォームやオーダージュエリーのご注文を承っています。

私の宝石商のルーツである創業者の祖父のことからお話しさせて頂きたいと思います。

三代目の私
（横浜ジュエリーの誕生）

父の会社でオリジナルジュエリーを作り続けるのが難しくなった為、２００２年にジュエリー加工会社の有限会社アレクスを立ち上げました。

資金がなかったのですが、スリランカの取引先が石を貸して下さったりと色々サポートして下さり、とても助かりました。
会社の名前の「アレクス」はスリランカの会社の社長のお名前から付けさせて頂きました。

私のジュエリー加工会社でオリジナルジュエリーを作って、父の店に商品を委託して、売れたものだけ支払いをもらう形にしました。
勿論、私は父の会社もそのまま手伝っていましたし、リフォームやオーダーの加工は父の会社で今まで通りしていました。

オリジナルジュエリーを作りたいという目的もありましたが、私の加工会社はあくまでも父の会社をサポートする為に作りました。
ですので、最初は売れ筋の石が綺麗で作りはシンプルなジュエリーを作りました。

資金が少しできた頃から面白いデザインのジュエリーを作り始めました。
父の会社の時は使う石やデザインもあまり冒険ができませんでしたが、自分の加工会社で作るので、作りたいジュエリーを作ることができました。

そして、２００５年に初めて横浜ジュエリーを作りました。
私は横浜生まれ、横浜育ちなので、大好きな横浜の景色や古き佳き横浜の思い出を、宝石で絵画のように表現してみたいと思いました。
ボルダーオパールは一つ一つ、色も形も違いますので、石の色や形から来るインスピレーションをヒントに何を作ろうか考えました。

最初に作った横浜ジュエリーは大好きな山下公園から見えるマリンタワーと氷川丸でした。
初めて作った横浜ジュエリーがお陰様でお客様からご好評を頂きましたので、その後、横浜ジュエリーをシリーズ化して作っていきました。

横浜ジュエリー以外にもシンプルなデザインで石が綺麗なプレシャスシリーズ、動物シリーズ、アンティークシリーズなど色々作りました。
当時はまだ、簡単なデジカメもスマホもなくて、商品の写真を撮るのは大変で、ＤＭなどの為に印刷会社のカメラマンに写真を撮ってもらっていました。
リフォームやオーダーの商品を始め、オリジナルジュエリーを沢山作りましたが、デザイン画は残っていますが、写真が残っていないものも多くて残念です。

（クリックで拡大画像）

エメラ店舗

ロゴマーク

最初の横浜ジュエリー掲載のＤＭ

横浜ジュエリーとアンティークシリーズ掲載のＤＭ

パール鳥籠ペンダント掲載のＤＭ

【今月のエメラのジュエリー】
アニマルシリーズ・オパールの
カエルブローチ

アニマルシリーズ・オパールのカエルブローチ

（写真提供：大島貴子）