ゆるマナー講座(第9回) 装いのマナーにおける異文化尊重
マナーアドバイザー/フレアLLP 岡田 承子
蒸し暑い日が多くなりました。これからはますます暑い日が増えてきますね。
薄着の季節の到来です。
キャミソールやミニスカート、タンクトップにショートパンツなど、着ている本人も、見た目も、涼やかになってきます。
日本ではよく見かける装いですが…、海外ではどうでしょうか?
- レストランでは -
夏休みに海外旅行をなさる方も多いでしょうね。
昼間は観光したりショッピングしたりするのに、思い思いの格好でお出かけになるでしょう。でも、夜は昼間とは装いを変えた方が良い場合があります。
レストランに行く場合、女性ならワンピースを着たり、男性ならネクタイは締めなくても、襟のあるシャツに長ズボンがお勧めです。スニーカーはやめた方が良いですね。
オペラやミュージカル、コンサートにいらっしゃる時は、もう少しドレスアップすることも必要でしょう。
その場や時間帯に合わせた「ドレスコード」がありますので、心配な時は事前に確認しておくと良いですね。
ところが、「過ぎたるはなお及ばざるが如し」で、高価な宝石類をつけたりしてドレスアップしすぎるのも考えものです。スリの標的になってしまいます。
それでなくても日本人はお金持ちと思われていますので、ご注意ください。
- 教会や寺院では -
海外の寺院では、肌の露出の多い服装の方は入ることを断られることもあります。
教会や寺院は信者にとっては神聖な場所ですので、それぞれの宗教に敬意を払うことが大切です。日本で神社やお寺でご祈祷などをしていただく際、きちんとした格好で伺うのと感覚は同じだと思うのです。
ただ、観光の途中で寺院に寄る場合、洋服を着替えるわけにもいきませんね。
そこで、女性は大判のスカーフやショールなどを持っていれば、頭にかぶったり肩や腕を覆うことができ重宝しますよ。冷房の効いた室内でも役立ちますから、ぜひバッグに1枚しのばせてお出かけください。
イスラム教徒の女性は、長袖、長ズボンで肌を隠し、ヒジャブと呼ばれるスカーフのような布で頭を覆います。顔までスッポリ覆って目だけ出す場合もあります。ブルカやニカーブなど言語によって呼び方は様々です。
以前、マレーシアで知り合ったイスラム教徒の若い女性に「ヒジャブは家でもしているの?」と聞いたことがあります。すると「家に帰って家族だけなら、ヒジャブは外すし、洋服も好きな格好をしているわ」との答えでした。
皆さん自分の好みに合わせて選んで、1人で数枚は持っているようです。
宗教によって装いにも制限がある中でも、おしゃれは欠かせないもの。
女性にとっておしゃれが永遠のテーマであるのは、どこの国でも同じですね。
- 日本では -
素足にサンダル。夏はやっぱりこれが気持ちいいですね。
暑い季節には、できればストッキングは履きたくありませんよね。
でも、ちょっとご用心。
他所のお宅にお邪魔する時は、素足で伺うのは避けた方が良いですよ。
茶道の場合、お洋服の時には白いソックスを持参して、茶室に入る前に履くようにと言われます。それは、畳の上に懐紙や茶わんなどを直に置くため、畳を汚さないようにという配慮から。
その流れで、和室では素足は避けた方が良いということなのです。
自宅では気を遣う必要はなくても、他所のお宅を訪ねる時は、和室がある無しに関わらず、白いソックスは不要ですがストッキングは履いておきましょうね。
そういえば、一年中素足だというタレントさんがいますが、彼が初めて奥様のご実家を訪ねた時も素足に革靴だったのでしょうか?ちょっと聞いてみたい、野次馬の心境です(笑)。
国や宗教、民族によって装い一つも変わります。
その国に行けばその国のしきたりや習慣を尊重することが大切なのはわかっているはずなのに、ついいつもの習慣で、となりがちです。それは日本の中にいても同じこと。
装いにもほんの少しの気配りを。素敵な大人のたしなみとして。
筆者プロフィール
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岡田 承子(おかだ しょうこ) |
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柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ) |
本の紹介です |
「ゆるマナー 始めましょ」 |
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ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。 |
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