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楽しい文字の世界(第2回) 線の種類を知る

by staff on 2016/11/10, 木曜日

第2回 線の種類を知る

美しい文字を書くことは、多くの方の憧れであることでしょう。
美しい文字を書くには、形を覚え、それを構成する線の種類を理解して書く必要があります。つまり形と線は切っても切れない関係です。

古くから「永字八法」と言われ、「永」の文字には点画の基本が含まれているので、文字の基本を学ぶ祖と言われてきました。

 

側(そく)‥点
勒(ろく)‥横
弩(ど)‥‥縦
趯(てき)‥はね
策(さく)‥右斜め上に
掠(りゃく)‥左はらい
啄(たく)‥右から左下に引く
磔(たく)‥右払い

この「永字八法」は、中国の漢の時代の有名な書家蔡邕(さいよう)が創作したと伝えられていますが、確かな創案者は不明と言われています。
確かに、点、縦画、横画、跳ね、払いなどが含まれ、まずはきちんと習得したい文字です。
しかし、ここには含まれない線もいくつかあります。
その中でも特に私が重要に思い、点画の中で最も好んでいるものがあります。
それは「浮鵞線(ふがせん)」です。読んで字の如く、「鵞鳥(がちょう)が水面に浮く線」です。横線の丸みが丁度水面に浮かぶ鳥のおなかのラインに当たります。。

ですから正しい形はこのようになります。

初めの縦はやや左に傾斜。スピードを落とし、滑らかに曲がり、きれいな弧を描くように下に膨らませ、一旦止まり、上に跳ねます。
①や②のようにはならないのです。

浮鵞線が含まれる文字をいくつか思い浮かべてみましょう。
小学1年で習う文字から探してみるとこれだけあります。【九・見・花】
小学校2年からだとこれだけに。【光・元・兄・親・色・地・池・電・毛・北・売】
小学1.2年だけでもこれだけあるので、かなりの文字に含まれてることがわかっていただけると思います。
さて皆様も探してみてください。案外ご自分の住所氏名にあるかもしれません。

ところで永字八法は、日本へは江戸時代に輸入されて、手習いの指導の便法として流行したそうです。中国で創作されてから1500年以上経っていることになります。。

筆者紹介

 
書家名 粟津 紅花 KOUKA AWAZU
本 名 粟津 絵里 ERI AWAZU
略 歴 愛知県生まれ。 横浜市在住。
3歳から筆を持ち、書を学ぶ。
銀行勤務を経て紅花書道塾を主宰して23年。
現在8か所の教室で門下生を指導。
また古典書道の作品制作に加え、店舗ロゴ、商品ロゴ、ポスター等のデザイン書道を手掛ける。
書道パフォーマンス、障害をお持ちの方への書のボランティア指導、セミナー講師などにも力を入れるなど、国内外で幅広く活動中。
読売書法会会員。
謙慎書道会会員。
横浜書人会審査員。
日本デザイン書道作家協会正会員。
カルチャーセンター講師。
著 作 法華経書写書き込み練習帳―釈尊の究極の教え
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