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このたびは 帑もとりあえず 手向け山 紅葉の錦 神のまにまに

by staff on 2016/12/10, 土曜日

♪ このたびは 帑もとりあえず 手向け山 紅葉の錦 神のまにまに ♪


絵・千絵崇石
 

読み人:菅家(かんけ)

現代語訳・・・天皇の旅にお伴してこの峠を越えますが、道祖神の神様への捧もの(帑)を用意してきませんでした。せめて、この美しい紅葉の小枝を受けとって下さい。

この和歌は、私が「和歌うた」を歌い始める前から知っていた歌ですが、どなたが詠んたのかは知りませんでした。

詠み手の菅原道真は今では学問の神様として天神様の愛称で親しまれているご祭神です。

この歌を歌い始めた頃、私は手向け山(たむけやま)というのは何処に在る山なのかしらと思っていましたが、地名ではなくて一般的には県境にあるような峠の事を手向け山というのだそうです。この歌が詠まれた場所は奈良の吉野へ向かう峠だそうで。その頃の峠の麓には道祖神が祭られていて旅人達はその山の神様に道中の安全を祈願して峠を越えてゆきました。其の時に麻や絹や紙等を小さく切った物をまいてお参りするのですが、彼は慌ただしい旅支度のために、それらの用意が出来ず代わりに紅葉をささげたと。

とても機知に富んでいておしゃれです。私も地方に出向いた時に神社にお参りすることが在りますが、ドライブ途中でちょっと降りてご挨拶しましょうと言う時などは殆どお財布も車の中においてきていて、お賽銭も用意してない事が良くあります。そんな状況を紅葉の美しさに例えて詠んだのでしょう。私の場合はそんな時は 祝詞を歌わせて頂きます。

さっと風がふいて神様が喜んで下さると嬉しくなって、歌手でよかった!!と思います。

菅原道真さんはライバルの藤原時平の策略によって九州の太宰府に左遷させられてしまい、失意のまま当地で亡くなってしまいます。若い天皇の耳元に藤原時平は囁きます。
「菅原道真は貴方の弟君を担ぎあげて 天皇にしようという魂胆だそうです」
これを自分の信頼している左大臣に言われたら、若い醍醐天皇は動揺したでしょうね。人が権力欲によって人間としての道を誤ってしまうのはきっと現代の政治世界でもあることなのでしょう。藤原時平は道真の怨霊によって39歳で亡くなったと言われていますが、私には、無言の周囲からの嫌悪感によって亡くなったのではと思います。比喩的に道真の怨霊が、と言われていますが。道真の他意のなさや、人格の高さを知っている人達の中に生まれる嫌悪感は半端ではなかったと思います。私ですら調べていて嫌悪感が湧きました。

今では天神様として祭られて、学問だけでなく商売繁盛の神様として庶民の人気を集めている菅原道真さん。千年後の今でも怨霊で若死したと歴史に記されている、藤原時平さん。人を陥れるような事は、其の時にはちょっと優勢になるかもしれませんが、後々には必ずその反動がちゃんと来ると言う。播いた種は刈り取ると言うのでしょうか? カルマの法則というのでしょうか。良い事も悪い事も自分が人に対して行った事は、ブーメランのように必ず自分に戻ってくると言う普遍的な宇宙のルールが私には 在りそうな気がします。

先日
ちょうど紅葉のまっ盛りに京都の北野天満宮で友人がライブをすると言うので見に行ってきました。天神様の本拠地は素晴らしい紅葉のたけなわで、ライブ見学の後は紅葉苑という散歩コースを歩き、ライトアップされた美しい紅葉を楽しみました。最近の世界情勢の揺らぎで感じている漠然とした不安も一瞬忘れて、天神様の周辺は正に天下泰平でした。

(早苗ネネ♪)

 

三十六歌仙CDアルバムによせて

 

10代の頃、じゅん&ネネのネネとして歌っていた時、多くの方から「北の政所のねね様と同じ名前ですね」と言われ、歴史上に残る方と同じ名前を頂いた事で直ぐに覚えて頂き、良い事が沢山ありました。時が経ち、50歳を過ぎた頃にやっと自分のライフワークを見つけ、「和歌うた」を歌い続けて13年程に成りますが2014年の京都高台寺音楽祭に出演させて頂いた折に、三十六歌仙が高台寺様に遺されているのを知りました。その時にぜひ三十六歌仙にメロディーを付けて同じ名前のねね様に奉納したいとの思いを抱き、2015年9月6日、ねね様のご命日に発表させて頂く事に成りました。

和歌のアルバムとしては10年ぶりでやっと二枚目アルバムです。一枚目のアルバム「花のいろは」は蟠龍寺スタジオの仲間に助けられて生まれました。そして今回のアルバムも製作費は今まで私の和歌うたを聞いて応援して下さった方々のご支援で賄われています。暗中模索と無我夢中で今までよろよろと歩いてきましたが、そんな私を支えてくれる大きな愛情に気が付いて、なんて幸せ者なのかしらと思います。有難うございます。これからも自分の道を信じて歩いてゆきます。

早苗ネネ/京都・高台寺 北の政所・ねねさまに捧げる三十六歌仙 『和歌うた』CDアルバムは、 ヨコハマNOWオンラインショップ で販売しております。

 

早苗ネネさん 和歌うたLIVE

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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