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これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関

by staff on 2017/1/10, 火曜日

♪ これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関 ♪


絵・千絵崇石
 

読み人:蝉丸(せみまる)

現代語訳・・・都から東に下る人も、東から都に入ってくる人も、知っている人も知らない人も 別れては出会う、という逢坂の関なのか!

新年明けましておめでとうございます。2017年は皆さんにとってどんな年になるのでしょうか? 私自身は大きな実りがあった2016年から今年はますますの発展を感じて新しい出会いや、別れが繰り返されるのではないかしら、と この歌を新年の冒頭に紹介させていただきました。私にとっては期待にあふれた2017年です。

さて、作者の蝉丸さんは 実在の人物ではないとも言われていますが、私は実在だと信じています。彼は盲目の琵琶法師として京都と滋賀との境に在る逢坂の関の近くに庵を結んで住んでいました。其の琵琶は時には激しくて時には哀しくて、自由奔放。彼の琵琶を聴いた人達は日常を超えたその音色に酔いしれて、畏怖さえ感じて、逢坂の関の蝉丸の名前は広がってゆきます。そうして物語が作られました。

蝉丸は盲目の琵琶法師という設定で今昔物語や平家物語に取り上げられています。
彼はその後も、能の世阿弥さんや浄瑠璃の近松門左衛門さんの作品にも取り上げられていて、実在性よりもストーリ―性のほうが有名になってしまいました。それ程素晴らしい琵琶だったのだと思います。いまで言うならば狂人に近い様な天才です。盲目というハンデキャップの彼が、いざ琵琶を弾き出すとその存在が神近くなるのです。多分光が下りて来て彼を包む様な感じなのでしょうか。そして人々はそんな彼を高貴な人だと感じます。

醍醐天皇の皇子だったと言われ、宇多天皇の第八皇子に仕えた雑色だと言われ、イメージが勝手に独り歩きして行きます。近松門左衛門さんの物語では最後に盲目だった目が開眼するというハッピーエンドの蝉丸物語。私もう、ぜひ見たいです。

1970年代にジミーヘンドリックスという天才ギターリストがいました。彼の前世は蝉丸かも。と実は密かに思っています。そう蝉丸はロックスピリットを持った琵琶奏者でした。

滋賀県逢坂山のふもとにある関蝉丸神社では芸能の神様以外に目の神様としても祭られているそうです。この頃パソコン等でだいぶ乱視が入って視力が弱くなってきた私としては、今年は必ずお参りしなくてはならない神社のひとつになってしまいました。

最近知ったことですが、蝉丸をテーマにした作品が天皇を屈辱する様な所が在ると言う事で昭和9年頃から風当たりが強くなり、禁止令が出されて能や浄瑠璃の世界で上演御法度だったそうです。伝統のある芸術作品でもそんな憂き目にあうのが戦争の怖さですね。永久に禁止しろ! と右傾化した人々と、軍部からのプレッシャ―だったそうですが戦争が終ってまた復活出来ました。この蝉丸さんの歌を「和歌うた 小倉百人一首」では、ドイツ人ギターリストのWALTER SCHMID(マウイ島在住)のギター曲の上にメロディを付けたTANGO IN RED という楽曲の中で冒頭に唄っています。私が持っている蝉丸イメージはちょっと過激ですが、本当に素晴らしい琵琶奏者だったのだと思います。生で聴きたかったわ。蝉丸さんを見習って 私も無心に情熱的に「和歌うた」を歌ってゆきます。

(早苗ネネ♪)

 

三十六歌仙CDアルバムによせて

 

10代の頃、じゅん&ネネのネネとして歌っていた時、多くの方から「北の政所のねね様と同じ名前ですね」と言われ、歴史上に残る方と同じ名前を頂いた事で直ぐに覚えて頂き、良い事が沢山ありました。時が経ち、50歳を過ぎた頃にやっと自分のライフワークを見つけ、「和歌うた」を歌い続けて13年程に成りますが2014年の京都高台寺音楽祭に出演させて頂いた折に、三十六歌仙が高台寺様に遺されているのを知りました。その時にぜひ三十六歌仙にメロディーを付けて同じ名前のねね様に奉納したいとの思いを抱き、2015年9月6日、ねね様のご命日に発表させて頂く事に成りました。

和歌のアルバムとしては10年ぶりでやっと二枚目アルバムです。一枚目のアルバム「花のいろは」は蟠龍寺スタジオの仲間に助けられて生まれました。そして今回のアルバムも製作費は今まで私の和歌うたを聞いて応援して下さった方々のご支援で賄われています。暗中模索と無我夢中で今までよろよろと歩いてきましたが、そんな私を支えてくれる大きな愛情に気が付いて、なんて幸せ者なのかしらと思います。有難うございます。これからも自分の道を信じて歩いてゆきます。

早苗ネネ/京都・高台寺 北の政所・ねねさまに捧げる三十六歌仙 『和歌うた』CDアルバムは、 ヨコハマNOWオンラインショップ で販売しております。

 

早苗ネネさん 和歌うたLIVE

 

早苗ネネさん プロフィール

木々や鳥や魚や精霊…人間以外の存在達との交流が当り前に語れるくらい、いのちのひろがりに気づくと、共に生きている喜びや、苦しみや悲しみにもナイーブになる。

心と野生がひとつながりになると……こんな風に人は年を重ねられる。ひとりひとり、ユニークにもっと自分になれる。

早苗 Nene さんは、そういう人生の先駆者です。 感性を解放しながら、40代で高校生に仲間入り卒業後、マウイのカレッジに留学中、突然半生記が受賞しました。

そんな新たなシーズンを迎えて、今エッセンスを分かち合いたい。

<天性の歌い手>というだけでなく、その存在感、溢れる活性のバイブレーションは、光のシャワーのよう。彼女と語り歌い、魂の成長を旅している現在の、自分の位置を確かめてみませんか?

早苗ネネさんHP

 

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