Skip to content

都田舎の津久井便り 15日目 元旦の未明

by staff on 2017/1/10, 火曜日
Navigation: HOME»津久井便り

元旦の未明

明けましておめでとうございます。
今年も、つたないコラムですがよろしくお読みください。
本来、この原稿は年末に編集部にお渡ししなくてはなりませんが、どうしても初日の出を皆様にお届けしたかったので、新年になってから投稿いたしました。辰巳さん、新年そうそう、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。

っと言うことで元旦の未明、北丹沢の焼山(ヤキヤマ 標高1060m)に登りに行きました。 神奈中バス(三ケ木ー東野ー月夜野線)の焼山登山口から歩き始めたのが3時15分。 ヘッドランプを付け、まずは杉林の舗装路を500mほど歩くと右に焼山入口と標識が出てきます。
細い山道に分け入ると分厚く積もった落ち葉が程よいクッションです。でも石ころや折れた枝が隠れているので油断をすると足を掬われる!
ところどころ階段状の土砂止めをまたぎながら進むと幅が2m程度の尾根に出ます。
暗いので良くわからなかったのですが、帰路に見ると両側とも深い谷で、足を滑らせたら間違いなく100m以上は滑落しますね。
30分に一度の間隔で休憩を取り水分と糖分補給。急な登りになると大きな岩石が通路を狭め非常に登りにくい。山腹を巻くように急な崖を細い道が続きやがて木製の階段が出てきた。踏み板の間隔が広く、疲れが出てきた足には辛い。さらに進むと左側が開け、青野原から橋本、八王子方面の町明かりが見えた。
その先はまた林の中に入り九十九折りの急登が続く。足元に大きな霜柱がある。
近頃では津久井でも舗装が普通で霜柱を見る事が無くなっているが、5~6cmほどもある。
ヘッドライトが当たるときらきらと美しい。

そんななか、小動物のフンを見つけた。時折、鳥か獣の鳴き声がきこえる。
今回、焼山登山のノウハウを教えてくださった、菊芋販売で有名な青野原の高城酒店から熊よけの鈴を用意していただいた。冬でも暖かいので遭遇する可能性もあり心配されたそうです。

2時間ほど歩いてくると周囲が白くなってきた。雪である! 昨年暮れの22日に降った雪が融けていなにのだ。今回は慌ただしくストックを忘れてきたが、あれば歩き易さが全然違うはず。 特に疲れが出てくると欲しいですね。胸突き八丁であろうか急坂に足がでない。 乳酸で脹脛はパンパンであろう。

急に目の前の視界が開け頂上にある展望台の鉄塔が見えてきた。現金なもので足の動きが急に良くなる。6時15分頂上に到達。三時間の山行であった。
頂上にあるテーブルにリュックを置きカメラだけ持って展望台の螺旋階段をのぼる。うっすらと明け始めた東には相模湾が見え、顔を左に動かすにつれ、横浜ランドマークタワーの特徴ある四角いビルがみえてくる。更に左には東京の高層ビル群そしてスカイツリーの細い塔も見える。さらに左に筑波山から高尾山、秩父方面まで大パロラマが一望です。
東にキラッと光る見慣れない湖が見えるが、宮ケ瀬湖である、日頃、城山からの風景を見慣れているので、その3倍以上の標高からの景色は全く異なる。
6時50分が日の出の時間だが地平線に雲がたなびいているので7時ごろに顔をだすだろう。

雲間が茜色にそまり、後光のような光の筋が見えてきた。
オレンジの光が出てきた。疲れが一気に吹っ飛ぶ! 刻々と太陽が大きくなる。
素晴らしい初日の出である。光がどんどん強くなり眩しさで直視出来なくなった。
何度見ても、日の出には感動を覚える。オレンジ色の光に包まれる幸福感は体験した者しか分からないだろう。今年も良い一年がおくれる!
展望台をおり、持ってきた登山用バーナーでお湯を沸かしココアを入れる。
キーンとした空気に冷え切った身体に沁み渡るチョコレートの温かさ。登山の醍醐味だろう。
かなりの運動量でお腹がすいたが、ラーメンを忘れてしまった。 誠に残念。
三等三角点や、鳥屋・青根・青野原の三部落の境界の祠を回り帰路につく。

ここ焼山は江戸時代の幕府の猟場だったそうで、毎年野焼きをして山を管理していたそうで、そこで焼山と名が付いた。そして三部落が麓にあるので、この周辺を「ショウサンロク」と今でも呼んでいる。

さて下山、これが曲者。降りるので楽だと思うが、かえって普段使わない筋肉を使うので腿、膝が笑ってしまい、踏ん張れない。そこに来て落ち葉の攻撃。すり足で降りるのだ、がそれでも足を取られよろけてしまう。一緒に登ってくれた娘のストックを借りて身体を支える。明るくなっての尾根道の怖いこと。道の両側は思った以上の崖である。杉林が予想以上に荒れている。表土がいたるところで流れている。日本の植林政策が如何に間違っていたか良くわかる。半分降りてきたころ、四人組の登山者とすれ違う。この山で初めて合った人だ。 沢山の日の出見物客がいると思っていたが、僕らだけだったのは意外だった。

日の出スポットのPRをもっとしなければ。そんな事を思いながら、フラフラになりながらやっと舗装路に降り立った。てくてく歩いていると右手の大岩の下に「山神様」が祀ってあった。 往路は真っ暗だったので気が付かなかった。登山の無事を報告して戻る道の周囲は霜で真っ白に覆われていた。
「風呂に入ってゆっくり寝たい。来年は寝正月」と言うのが正直な感想だったが、数日過ぎて今この原稿を書いていると、来年は何処に行こうかな? ってね!

皆様の一年が素敵でありますように!

皆様もどうぞ津久井へお越しください。 CIAO

(文:髭親爺)

 

Photos

(画像をクリックすると拡大写真が表示されます)

     
     
     
     
           

(写真:髭親爺)

筆者紹介

 

梅澤 勉
津久井の本格薪窯ピッツェリア(ピザレストラン)「童人夢農場(ドリームファーム)」オーナーシェフ
HP: http://dreamfarm-pizza.jp/
 
1949年生まれ。大学で食品工学を学ぶ。
パン会社に就職して菓子パン部門で勤務後、ピッツェリア(ピザ専門店)を始める。
イタリアのピザ職人学校 ”ApesPizzaSchool”(アペス・ピザスクール)に入学し、本場のピザ作りを習得する。現在も定期的にイタリア(ミラノ・ローマ・ベネチア・フィレンツエ など)に行きピッツァ(ピザ)の研究を続けている。

相模湖・津久井の本格薪窯ピッツェリア | ピザレストラン「童人夢農場 | ドリームファーム」オーナーオーナーシェフ 梅澤勉さんのインタビュー動画。
緑あふれる津久井の魅力、童人夢農場(ドリームファーム)のこだわり、デザートピザへの想い
についてオーナーシェフの梅澤勉さんが語ります。ご覧ください。

 

From → 津久井便り

Comments are closed.

ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
(動画をみる)

横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
(動画をみる)

Page Top