商店街の活性化(第2回) サザン通り商店街
茅ケ崎には、鉄砲通り、ラチエン通りなどニークな名前の通りがいくつかありますが、サザン通りもその一つです。茅ケ崎駅から “サザンビーチちがさき” まで続く通りなので、この名前が付いたといいます。この通り沿いにある茅ケ崎南口中央商店街も、通りの名前に合わせて2000年にサザン通り商店街という名前に変えました。
サザン通り商店街
「サザン神社」を立てちゃった! さあ大変…
実はこの商店街、サザンオールスターズの桑田佳佑とは縁が深いのです。前商店街会長の小林健二さんの弟が桑田佳佑と幼稚園からの同級生で、中学校では野球部でいっしょでした。小林さん自身も子供の頃から桑田クンに野球を教えていたという “野球小僧” つながりの間柄です。商店街には桑田佳佑が良く行った飲食店や結婚指輪を買った宝飾店などもあります。
小林健二さん
そんな幼馴染みの活躍を応援する意味を込めて、2008年に商店街の事務所だった場所に「サザン神社」を建立しました。といっても社殿や狛犬は既存の神社の写真だという “なんちゃって神社” 。しかし、お賽銭箱は本物です。ご利益はと聞くと、商売は “ぼちぼち繁盛” 、入試は “できれば合格 ”、おみくじを引くとTシャツが当たります。
サザン神社
“神社” に参拝し、小林さんと話をすると、入手困難なサザンオールスターズのコンサートチケットが当たるという噂が広まり、全国から小林さんの店にファンが押し寄せたこともあったという話も聞かれました。商店街ではサザンのコピーバンドの演奏や商店街の各店が桑田佳佑とのエピソードを語るなどのイベントを行ったりしました。
あくまでも地域密着、小売りの原点を大事にしたい!
商店街の会員は66店、最近は外から出店してくる飲食店が多くなり、若いオーナーも増えているといいます。サザンのファンは全国から商店街に来ますが、大事にしたいのは地元のお客さま、あくまでも地域に密着した商店街であることをアピールするために、地元の小学生に販売を手伝ってもらう「子供サザン通り商店街」を実施し、大変な賑わいのあるイベントになりました。子供たちが道行く人たちに一生懸命呼び掛ける姿を見て、小林さんは「これこそ小売りの原点だ」と感じたといいます。
ネットで何でも買える今の時代、商店街の店で買ってもらうにはどうしたらいいかと小林さんに問うと、「お客様とのコミュニケーションとその店独自の商品、この2つが必要です」という答えが返ってきました。
彼の店はお茶の販売店、「このお茶じゃなければダメだ」とお茶の専門家である店主の知識や好みを押しつけるのではなく、お客様の好みをじっくり聞いて、それに合わせたお茶をお薦めしているそうです。彼は、 “コミュニケーションがないところに小売りはない” と断言しています。コミュニケーションこそ小売りの原点であり醍醐味であるというわけですね。
彼の店には “茶山” (さざん) という商品があります。商品名はサザンからとっており、粉茶を茅ケ崎海岸の砂山、抹茶を松林の緑に見立てて、粉茶に抹茶をまぶし、あまい香りとまろやかな味わいの商品に仕立てあげました。このような、その店でしか買えない独自商品がなければ、商店街の店は利用してもらえないというのが彼の持論。事実、この “茶山” は大変売れているそうです。
茶山
サザン神社に参拝がてら、気軽に入れる焼鳥屋などの飲食店も揃っているサザン通り商店街に、一度行ってみてはいかがでしょうか。きっとご利益がありますよ。
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