Skip to content

I love Japan(第15回) 横浜での振り返り(最終回)

by staff on 2017/6/10, 土曜日
Navigation: HOME»コラム»I love Japan

 

皆さんこんにちは、フォーエヴァーグリーンの渡邊です。今回にて本連載は終了する為、皆様とはお別れです。これまでの間、色々とありましたが支えてくださった方々には、お礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。今回はこれまでの連載を総じて、これまでの活動を振り返ってみたいと思います。

先ず最初に、現在の私達特定非営利活動法人フォーエヴァーグリーンはこの連載 を始めた頃とは違い、草の根活動的なことはあまり行わず、新しいフィールドへと移行する準備を行っています。それはもっともっと大きな世界への挑戦でもあり、より強い責任の伴う新しい活動です。その為、只今連携しているのは超大手企業等の方々ばかりで、正式にプロジェクトがスタートするまではパートナー企業様のお名前を出すことも出来ません。

 

その準備に追われているため、私が理事長になってから3年ほどトライしていた「お茶会・温故知新:環境茶道や「学生向けアクティブラーニング」等は、これまでのように横浜市民の皆様に、いつでもどこでも提供するということが出来ません。ご理解の程、御願い申し上げます。参加者の数や、開催回数よりも、その結果をより明確にするための活動として、 参加した学生が制作した商品のプロデュースなどが最優先事項なのです。現在も、元横浜国立大学生のプロジェクトが水面下で進行中です。

この様な活動方針転換の決断に至った理由は、地球温暖化防止団体の私達は「全くCO2を減らせなかったからです。志だけでは社会は変わることもなく、 KPI(※Key Performance Indicatorの略称で、日本語では 「重要業績評価指標」と言われます。 経営にはさまざまな種類の業績評価指標が使われますが、 KPIはその中でも「キー=重要」となる指標で、目標の達成に向かってプロセスが適切に実行されているかどうかを計測する役割があります。)を設定していた私としては、大きな挫折を経験したと言わざるを得ません。 仲間と集まって「コレって大切だよね!じゃあ、社会に広めよう!」程度では、世の中には通用しないということですね。もちろん地道な活動も大切で、それを怠る訳ではありません。しかし、目標への道程を冷静に分析した結果「こんなことではいけない!」と思った、これが正直な感想です。いよいよ本当に勝負に出ます。逆にいうと、勝負に出れるようになるまでに、3年以上かけて準備をしたというところでしょうか。 この数ヶ月間の仕込みの時間で製作中のコンテンツ群は、この3年間の約3倍の量へ。それ等がリリースされた際には、沢山の市民の皆様に、大きな感動と喜びを提供できると信じています。ご支援くださっているサポーターの皆様に対しても、今まで以上に責任を感じている次第です。

さて、これまで「I Love Japan」と題して、温暖化防止に貢献できる日本文化の紹介などを中心に、フォーエヴァーグリーンの活動をレポートさせていただきましたが、その感想を一言で言うならば、 「横浜は全国的にも先進的な都市と呼ばれているのだから、地方だったらもっと苦戦していたのだろうな。」 です。これまでロサンゼルス、パリ、ロンドンなどで音楽や、ファッショ ンの仕事をしてきた私からして「新しいこと」以上に、価値のあることはありませ んでした。それが「新しい=実績がない・前例がないのでどう実現したら良いか分からない」という、悪い方からの見られ方をされてしまうことがなんと多いことか。私の口癖は「長所と短所は同じ」です。それは特徴には必ず良い面と悪い面があるということ。その悪い方ばかりを指摘されることの多さに、ウンザリしたことが何度 もありました。世の中、特に温暖化問題で言えば、成果のある実績、事例がまだ少ないのに、何故こんなにも新しいことへ踏み出さないのか不思議で仕方ありません。 また、人の固定観念・先入観の強さに足踏みすることも何度もありました。伝統をその形のままにとっておきたいなら、博物館の中でやれば良いじゃないか。伝統は継承することに意味があるのではなく、常に現代風にアレンジして使い続けられるから後世に残り、伝統となるのです。 まだまだヒヨッコの私がこんなことを言えば、「この跳ねっ返りが!」と笑われるのがオチでしょうが、最近この話題で一番盛り上がった方で、横浜に所縁の深い人物がいます。連合国軍最高司令官マッカーサーが横浜に来た頃から、この街を見続けている横浜老舗ホテルの役員のNさんです。 彼は昭和の横浜経済界の大物のお孫さんで、横浜の成長を長く長く見守って来られた方です。光栄なことにNさんより「隠居するより、若い方と話がしたい。」 と仰っていただき、横浜を勉強する先生としてお話する機会を頂戴しました。 その貴重なお時間の中で、特に印象的だったのが、その老舗ホテルの最上階の和食レストランで食事を頂いた際、私 :「素晴らしい景色ですね。」
Nさん:「ありがとうございます。景色が良く見えるよう、レストランの床をかさ上げしたんですよ。」
この様に、現状に満足せずに、常に新しいことを模索する姿勢は、ちゃんと事業に反映されているのです。実は先ほどの博物館の話も半分はNさんの受け売りで、やはり横浜にはNさんのように本当に先進的な考えの方(しかも80代!)がいるのです。現代もなお、彼らのこの様なスピリットが生きている街だからこそ、私の【温故知新:環境茶道】と題した、「アメリカ人による環境保全のための茶道体験」も受け入れてもらえたのだろうと、横浜の先進性を肌で実感したのが2017 年の5月のことでした。


※カリキュラム参加大学生の日記

この様に、横浜の地域性とのコラボレーションを享受しながら過ごした3年間の横浜との交わりは、本当に素晴らしいものでした。得るものがあった分、トラブルだってありましたが、全て自分達なりの形で解決してきました。そしてこれからも私自身、この土地に貢献したいですし、ここでの経験を踏み台にもっともっと大きな世界で活躍したいと思っています。いつか世界の舞台で「今の自分があるのは、横浜のお陰だ」そんな風にコメントできるのが、最高の恩返しだと思います。

ではまたお会いできる日まで、どうか皆様お元気で。是非フォーエヴァーグリーンのことを応援して下さい。さようなら。Hope to see you at some where. bye! (- -)/

文 章・:渡邊圭  ビジュアル:渡邊圭  イラスト:根元晴美
NPO法人フォーエヴァーグリーン
Email: info@forever-green.jp
URL: http://www.forever-green.jp/

筆者紹介

渡邊圭(わたなべ けい)

アーティストとしてアメリカで勝負しようとしていた自分が、マーケティングとして、最初にしなければならなかったことは、日本人が何を美しいと想い歴史を重ねてきたのかを知ることだったのだ!と思うと、目から鱗が落ちる気分でした。そして、学んだ「茶の湯」の世界観の精神性の高さと、何を美しいのかと定義する独自性、その茶道の在るべき姿とは、途方もなく美しかった、、、こんな芸術があったのか!と、感動を禁じ得ませんでした。その後、自国の文化に自信を持てた時、世界の誰にも負けない物を持っていると心から思えた時、それはどんな励ましの声よりも私の心を強くしました。それはそうでしょう「世界の誰にも負けない」なんて気持ちでいられたら、こんなに心強いものなんてないですよね。

この経験は、帰国後の私に大きな示唆を産みます。そんな目線で地球儀を眺めたことなんかなかったからです。「日本人として、世界に何を訴えるか。」きっと我々にしか出来ない仕事/提案があるに違いないと確信しました。私は日本文化の特性を分析していくうちに、それが世界的大きなニーズに当てはまることを発見したのです。その可能性を考えると、ワクワクします。

 

 

 

Comments are closed.

ヨコハマNOW 動画

新横浜公園ランニングパークの紹介動画

 

ランニングが大好きで、月に150kmほど走っているというヨコハマNOW編集長の辰巳隆昭が、お気に入りの新横浜公園のランニングコースを紹介します。
(動画をみる)

横浜中華街 市場通りの夕景

 

横浜中華街は碁盤の目のように大小の路地がある。その中でも代表的な市場通りをビデオスナップ。中華街の雰囲気を味わって下さい。
(動画をみる)

Page Top