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ゆるマナー講座(第23回) 愛蘭土を旅して

by staff on 2017/9/10, 日曜日

マナーアドバイザー/フレアLLP 岡田 承子

愛蘭土、この国名をご存知でしょうか。
イギリスの西側に位置する大西洋に浮かぶ島国、アイルランドです。この夏少し長めに過ごすことのできたアイルランドについて、ご紹介してみたいと思います。

どんな国

アイルランドの面積は北海道と同じぐらいです。北部の北アイルランドはイギリス領。人口は450万人ほどで、人口よりも羊や牛の数の方が多いと言われますが、実際に郊外には牧草地が広がり、羊や牛、馬などがたくさん放牧されています。
首都はダブリン。ロンドンと同じように二階建てバスが走っています。
公用語はアイルランド語(ゲール語)と英語です。道路標識など様々なところに両方の言語が表示されています。しかし、日常的には使用しているのは英語。学校でゲール語を習っても段々と使わなくなるのが現状のようです。綴りも発音も英語とはかなり違います。
よくアイスランドと間違われ、寒いのではないかと思われますが、暖流の影響で冬でも雪が降ることもなく夏も涼しく、過ごしやすい気候です。ただ一日の内に天候が変わりやすいので、この国の人は雲の流れを見ながら天気の話をするのが日常的です。急に雨が降っても、またすぐに上がるので、雨に打たれながら歩く人もよく見かけます。雨上がりにかかる虹、夕焼けに染まる空は絵のように綺麗です。
国花はシャムロック(シロツメクサ)。アイルランドのシンボルカラーのグリーンはこの三つ葉のシャムロックが由来だと言われますが、いろんなところに咲いています。
“エメラルド島” とも言われるアイルランド。しばしば降る雨がその豊かな緑を作り上げているのでしょう。

 
ダブリン市内を流れるリフィ川と空   家路を急ぐ? 整列して帰る牛たち

代表するもの

「ギネスビール」。クリーミーな細かい泡が特徴の黒ビールです。この発祥の地もアイルランドです。また「アイリッシュウィスキーも、お酒好きにはたまりません。スコッチやバーボンとはまた違った味が楽しめます。「ジェムソン」が有名です。
「パブ」。至るところにあります。お酒だけでなくお料理もしっかり味わえます。小さな子ども連れでも行ける場所で、ベビーチェアが用意されているほど。
「アイリッシュダンス」。タップダンスのようにかかとやつま先で音を出しながら激しく踊るダンスですが、上半身は両腕を両脇にぴったりとくっつけたまま動かさないのが特徴です。
アイルランドはノルマン人(ヴァイキング)の侵入、イングランドの支配、イギリスによる合併、宗教上における迫害などの長い歴史を持ち、それ故に言語もゲール語を禁止され英語を使用するようになるなど数々の苦難を味わってきました。このダンスも、踊ることを禁止されたため、外から見た時に踊っていると思われないように足だけでステップを踏むようになったそうです。

文学、音楽、楽器、お料理、スポーツ、妖精などなど紹介したいものは他にもたくさんありますが・・・。

 
ギネスビール、泡がゆっくり上がるまで待ちます   山の上のパブ。夜八時。駐車場は一杯です

素敵なところ

この国の人々は陽気でおしゃべり。一度日帰りの古代遺跡を訪ねるツアーに参加しました。ところが運転手兼ガイドさんの話が止まりません。その場所にまつわる歴史から道端に咲く花や果実、放牧された動物、その料理の仕方など、ずっと早口でしゃべりっぱなし。そして陽気に笑います。夕方待ち合わせの時間が気になる私には自分の電話を使えと言い、降りる時まで「大丈夫?間に合うかい?」と声をかけてくれました。おしゃべりだけど優しい気持ちの持ち主でした。
「確かにアイルランド人は陽気でおしゃべりな人が多いな」とは現地に住む日本人。仕事の打ち合わせでも、相手の話が止まらないこともあるようです。

本屋さんで、店員さんに探し物をしてもらっていた時に目にした「子どもの名づけ辞典」が珍しく尋ねたら、ここ200年ほどトップ5はずっと同じだったのに最近は“Star light”な名前をつける傾向にあるとのこと。日本のキラキラネームと同じだねと言って笑いました。こんな無駄話ができるのもおしゃべり好きだからですね。(おしゃべりは、私・・・?)

そして、優しい人が多いのもこの国の素晴らしいところです。どこに行っても「ハロー」「ハーイ」とニコッと微笑んでくれます。子どもには特に優しい。「まぁ、なんてかわいいのかしら」と言ったり、「ゴージャス」という言葉を使ったりします。えっ? 子どもに対してゴージャス? と思ってしまいますが、最高のほめ言葉なのでしょうか、よく耳にしました。
「君の帽子は素敵だねぇ。気に入ったよ」とたまたま居合わせた小さな子どもに話しかけるおじいちゃん。年齢に関係なく自然にほめるのは素敵だなと思いました。
小学生くらいの子どもたちと一緒に公園に来ていたおばあちゃんは、その子たちに小さな子も一緒に遊んであげなくちゃと言っています。きっとどこの家でもそのような会話がされるのでしょうか。少し大きな子どもたちが小さな子に優しく対応していました。

また、「ソーリー」「イクスキューズミー」という言葉もたくさん聞きます。行き違う時など通りすがりにさり気なく口に出す言葉は、お互いに気持ちの良いものです。

日本に戻って駅の構内ですれ違った男性が「ふんっ」と鼻息荒く押しのけてくるのに、ビックリすると同時にとても寂しい気持ちになりました。「日本ってこんなところだったっけ?」とほんの少し日本を離れただけでもこのように感じるのですから、日本へ来る外国人はきっともっと不快な思いをするかもしれません。
他人のことをほんの少し気遣う、そんな優しさを、一人ひとりが持ち寄れば社会はもっと温かくなるのではないかと思いますが、忙し過ぎるのでしょうかね、私たち日本人は。

ゆったりと時間の流れる愛蘭土、字の如く、温かく人を包み込む愛の溢れる場所です。
しばし心の洗濯をして今は現実の世界に舞い戻っていますが、またゆっくり訪れたいと思っています。
どこか旅行に行きたいなと思ったら、ぜひアイルランドを候補の一つに♪
検討の価値ありですよ。

 
そこかしこにある花に飾られた建物   割り込んできた小さな子を相手に
遊ぶ小学生

 

筆者プロフィール

岡田 承子(おかだ しょうこ)  

岡田 承子(おかだ しょうこ)
マナーアドバイザー/フレアLLP
日本航空国際線客室乗務員を経て、国際交流協会での仕事、また社会福祉法人では障がい者国際スポーツ大会事務局の運営業務やマナー研修に

携わる。現在は、自治体、企業での接遇研修や、NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師として大学で指導をしている。

柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ)  

柳田 圭恵子(やなぎだ けえこ)
マナーアドバイザー/フレアLLP
日本航空株式会社国際客室乗務員を経て、2009年よりマナー講師に。企業や自治体、大学、専門学校で接遇研修や マナー・プロトコール講

座を行っている。NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師。

本の紹介です

ゆるマナー 始めましょ

 

 

 

「ゆるマナー 始めましょ」
(岡田 承子・柳田 圭恵子 著 / ほんの木)
簡単で、誰でも、いつでもできること、だけど何だか優しくて
温かい気持ちになる。そんなマナーを「ゆるマナー」と名づけました。
 

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