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横浜スケッチ(第30回) 風景に樹木はつきもの

by staff on 2017/10/10, 火曜日

ペンネーム 成見 淳

横浜スケッチ(第26回)「個展、二人の先生」というタイトルで桝谷一夫、赤坂孝史両先生と、今年と来年の個展の事に触れました。
赤坂先生の教室はキャンセル待ち多数とのことで気長にお待ちするつもりでいましたところ8月から空きがあるとの案内を頂き、念願かなって毎月2回ご指導いただくことになりました。
今までもワークショップには5回位参加していましたが、いざ教室の生徒となると雰囲気も指導内容の密度も違います。皆さんについて行くのに必死です。

今月の横浜スケッチは心境や考え方にどんな変化が起きているか、作風にどう影響を与え始めているかいないか、読者の皆様に委ねてみたいと思います。

 

8月の教室の題材が建物の壁に植わった花と葉だったことから、この際樹木の葉を徹底的に描いてみようと決めた。そのうち何とか仕上げ段階まで行ったのが29回の「百段階段」の最後に掲載した2点だけ。樹木の部分だけピックアップしてみた。

「関東学院の源流」から
「元町商店街」から

以前はもっと大ざっぱに描いていたが、この描き方を教わってから街や郊外などを歩いていると樹木が気になって気になって仕方がない。バスなどに乗っている時でも、これはと思うような木があるとパッと振り返ってじっと見ていたりして、他の乗客から不審がられたと思う。

9月も残すところ二日。昨日、箱根の仙石原を訪れた時ふわふわしたススキの穂が風に揺れていて秋を感じることが出来たが、ぼんぼりが並んでいない所をみると最盛期はもう少し先なのかもしれない。そう言えば良く見ると穂の開き方がまだまだで、茎が真っ直ぐ気味。

撮影2017.9027

今月はまだ3点しか仕がっていないが、皆樹木が重要な部分を占めている。ちなみに2015年は半年で66点、2016年98点だったが2017年は今日現在40点だから月平均4点と大幅なペースダウン。

ペースダウンの理由は、描くよりも考えることに時間を使っているからだと思う。デッサン、形、線に重きを置いていた頃はそれほどでもなかったが、色相、明度に関心が強くなってくるにしたがって考えることが多くなって来た。線や形は論理的で解りやすいが、色彩や明度は感覚的で理屈では割り切れない。つかみどころがない。脳がつかみ切れないものを、手と筆を通して、絵具と水を使って、画用紙という生き物に再現するのは簡単な事ではない。
絵具と水が実に厄介で一筋縄ではいかない。絵の具も奥深いが、まだまだ良く分からないことが多いので今は省略し、水、水加減について述べてみる。
絵具に対する水の量、割合で色は変化する。赤い絵の具に水を加えて行くと徐々にピンクに近づき、さらに水を加えるとピンク度は薄まるように。だから水の量で色を調節することが出来る。ただし、自在にコントロール出来るわけではない。「水彩はコントロール出来ない。コントロール出来ないから面白いのだと割り切った方が良い。」という先生の教えに従うと心が軽くなる。あまり悩まずに「水遊び」と思うことにする。
違う色の絵具を、水を介して混ぜると違う色になる。違う色を作ることが出来る。パレット上だけでなく紙の上で混ぜることも出来る。
水は動く、水は浸透する。水を介して違う色の絵具を紙の上で混ぜるとグラデーションの効いた微妙な変化を得ることが出来る。
水は乾く。少しずつ、徐々に。乾いた所に行き当たると行き場がなくなって滲む。滲みが出ないように綺麗に混ぜ合わせるには、両者の絵具が乾かないうちに筆を入れて描かなければならない。スピードが大切だ。躊躇している間はない。一方、滲みを活用した絵も目にするようになった。とても自分にはできないが。

そんなようなことを少しずつ覚え、失敗経験と数少ない成功体験を重ねるうちに、微妙な水加減やスピードが必要という事が解って来て、なおかつそのコントロールの難しさを知るにつれ、なかなか筆が動かなくなり、何故かチョコレートの消費量が増えた。一応使い慣れない脳を使っているのだろうか?
天才ならば、文字通り天が下さった才能だから、失敗経験を経ることなく上手に絵を描くことが出来るのかもしれない。だが、私のような凡人は失敗から得る反省と、試行錯誤による偶然の成功の要因を突き詰めることだけが拠り所。失敗経験の中から成功体験を積み上げて行くしか上達の道はない。

毎月なるべく新しい絵をと思っている。絵に合った記事を書くのはさほどではないが、記事に合せた絵を描くのはとても難しい。月間作品数が少なくなって来て、締め切りが苦痛になって来た今日この頃。

「滝のある湖」(プリトヴィッツ湖群国立公園、クロアチア)

ここは今年の7月にクロアチア・スロベニアを旅行した時に立ち寄った。旅のメインの目的は「ドブロクニクの城壁都市を描きたい!」という単純なもので、旅行社からのEメールに載っていた写真を見て反射的に決心した。
ドイツ、オーストリア、スロベニア、クロアチアと南に下るにしたがって明るさと共に暑さも増して、ドブロクニクの城壁を歩いている時は暑さのピーク、38℃だった。遮るものがまるでない。
でも旅のメインの行程が終わって、再び北上し、この広い森林の中のホテルに着いた時は空気がひんやりと感じ、旅の疲れを癒すにはもってこいの場所だった。
涼しい場所で一泊し、翌日は森とたくさんの湖と無数の滝の中をハイキング。実はあまり事前の下調べをしていなかったが、それだけに予想外のプレゼントだった。
観光地には、定番の様に良く知られて写真も沢山目に擦ることが出来、実際に行って見たらやっぱり素晴らしいかった所、行って見たらそれほどでもなかった所、そしてあまり知らなかったが行って見たら後から感動がじわじわ湧いて来た所、などがあるが私にとってプリトヴィッツ湖群国立公園は三番目に該当する。
その感動をじわじわと噛みしめながら描いてみた。今頃はそろそろ紅葉が始まっているだろうか?

「湖上の聖マリア教会」(ブレッド湖、スロベニア)

こちらは同じく7月に訪れたスロベニア唯一の島で、ブレッド湖に浮かぶ聖マリアンヌ教会。手漕ぎの船で上陸し、階段を100段(99段という説もある。)登ると教会にたどり着く。(先月の元町百段にこじつけた訳ではない。また、なぜ手漕ぎの船かというと、環境に配慮したため。)

筆者紹介

Jun Ohsawa 大澤 淳さん  
お名前 Jun Ohsawa 大澤 淳
E-mail j-narumi@ug.netyou.jp
URL http://home.netyou.jp/kk/ohsawa/
成年月日 1967年1月15日成人式。おひつじ座。いわゆる団塊の世代。誕生日はもっと前。
年齢 その年の西暦 - 1947(3月25日以降)
生息地 横浜市鶴見区に70年弱在住。いわゆる浜っ子。
血液型 いわゆる典型的なAB型
性格 内気、控えめ(だが信念は曲げない)、人前に出るのを極度に嫌う・・・だったが、 最近は少しずつ変わって来た。これもネット化のおかげかな。
割りと簡単に物事をはじめてしまう。(衝動的、意思決定が速い、好奇心が強い)。
忘れやすい。(最近特に)
趣味 ◎絵画:(主に水彩画)初めは油彩だったが10年近く休止していた。ヨコハマNOWのお陰で、2015年より主に水彩画を中心に絵画を再開した。
◎文章を書くこと(エッセイ、旅行記など)。
◎放浪の旅:国外国内を問わず、スケッチポイントを求めて心の洗濯に。(すぐに汚れやすいので。)
〇ゴルフ:1979年にホールインワンをしたことも。42年間通った神奈川県津久井湖ゴルフ倶楽部を2016年12月に退会。ハンディキャップは全盛期13だったが。
〇2015年急に作曲を始めたが半年もたたずに現在休止状態。
●フォルクローレ(アンデス音楽):ケーナ、サンポーニャ等も演奏したが、今はたまに聴くだけ。フォルクローレ(アンデス音楽、ケーナ、サンポーニャ演奏・・・だったが、今は極たまに聴くだけ。

 

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